巷に溢れる"誤った医療情報"どう対処する?
上記テーマにフォーカスしたブログ記事を書きました。
同記事はどちらかというと
"(正しい医療情報を発信しうる)医療者側が現状にどう対処するか?"
という視点でした。まあ、記事の中身は私素人の"戯言"レベルのものですが…
(昨年末頃から?)SNS上では
WHO(World Health Organization/世界保健機関)が、2020年12月7日付で出した
『Tips for professional reporting on COVID-19 vaccines』
言ってみれば、マスメディア・ジャーナリストへ向けた
医療情報を"正しく"発信するための「ガイドライン」が注目をあびています。
下記ツイートはその一部👇
Tips for professional reporting on COVID-19 vaccines@WHO https://t.co/tDkaLtpP7M
— World Federation of Science Journalists (@WFSJ) December 27, 2020
私自身はやや出遅れた感はありますが💦
英語学習もかねて全文読んでみました。
内容はあくまでメディアといった情報"発信者側"に対するガイドラインではありますが
情報の受け手である我々素人が情報を精査する際の
一つの判断基準にもなるかと思います。
ガイドラインで述べられている内容をただご紹介するのではなく、僭越ながら
情報のイチ受け手(素人)としての見解も少々加えさせて頂きました。
Table of Contents
【医療情報とネット社会】巷に溢れる"誤った医療情報"に素人が惑わされないためのヒント
引用元:『Tips for professional reporting on COVID-19 vaccines』 World Health Organization (WHO)
Don’t just report the topline
記事ソースの「見出し」"だけ"報道しては駄目、といったとこでしょうか。
レポートの要約を読むだけでは不十分で
The findings in a study’s summary may not be truly indicative of the full study’s findings.
レポートを批判的な目で見る必要性を説いてます。
knowing how to read them critically is crucial to accurately reporting their findings.
つまりは
レポートを読み込み、決してプレスリリースされたものを鵜呑みにしてそれを報道するな
ということでしょうか。
Don’t report based only on a press release. Always read the full study or research report.
Don’t trust data automatically
"Don’t just report the topline"と基本的な考えは同じ。
出されたレポート内容を盲信せず、可能な限り"生データ"を要求し
調査方法の詳細についても自身の報道で言及せよ、といったとこですか。
Request the raw data where possible and always include the details of the research methods in your reporting.
Use trusted and reliable sources
"信頼できるソースを使用する"
Be sure to use expert and knowledgeable sources to inform your stories
イチ素人の感想ですが…
「(現在のマスメディア、特にテレビ民放各局が)これ出来れば苦労はしない」と思いましたね。
記事の元ネタが「信頼できるソースか否か」を判断できるかは
言わばメディア並びにジャーナリストの言わば"目利き"
ある意味、そこが全てな気がします。
consult your country’s science media centre for expert evaluations of the latest developments.
とはありますが…
State the source
その目的は
to show credibility and allow readers to search for more information on the topic.
ここでいうreaderを"イチ素人読者"と仮定すると
報道内容や記事のソースを明示されたとて、どこまでの人が"元ネタ"を確認するか
現実的にはややハードルは高いとの、印象が私個人としてはあります。
(2021年2月10日追記)
ただ一方で
報道の際に情報ソースを明示すること"そのこと"は
我々素人が当該情報の真偽を見定めるイチ材料にはなり得るかな、と。
殆どの患者に「亜鉛不足」が見られる
と
殆どの患者の原因が「亜鉛不足」
は全く違うがタイトルだけ読むと後者に取られるから注意必要
嗅覚・味覚障害の病態生理はまだ未解明で
⬇️https://t.co/pQFjUUCwFu画像検査で脳の変化を示す研究も
⬇️https://t.co/y4Qlxh4jnLhttps://t.co/mqBbMrME4o— 大津秀一🍀早期からの緩和ケア医師🍀院長🍀緩和ケア外来クリニック🍀オンライン相談全国対応 (@shuichiotsu) February 9, 2021
上記ツイートのような
発言の裏付けとして情報ソースを明記している場合と
ワイドショー等に見られる、特定の人の顔を隠し音声を変えたインタビューを伝えることで悪戯に不安を煽るような情報と
どちらが信頼におけるものか。
一目瞭然だと私は思いますが、いかがでしょうか?
Define the terms
it is important to define scientific terms in every article, or link to a glossary of terms that will allow the reader to educate themselves.
文字通り"大事なこと"(important)ですけどね。
《解らないことは自ら調べるという姿勢》
今や多くの方が(もちろん私も含め)情報に対して受動的(ではないかと推察)
日々、膨大な量の情報が、目の前を流れていく
たまたま引っかかったモノ、それらの多くは往々にして自身の趣味/趣向に合ったもので
それ"だけ"は、自分の手の中(=スマホ等)で検索する。
その手軽さに慣れてしまった結果、昔風に言うと
「自ら苦労して調べる」ことをしなくなる、できなくなる。
今言ったこと、全て自分に当てはまるので…自戒の念を込めて書きました。
Use clear language
Most readers will not be familiar with scientific language. Some terms can be defined within the article but make an effort to frame explanations in simplified terms so that readers across all levels of comprehension will understand.
これについては、私の現在の情報発信活動にも通じること。
患者であるが所詮イチ素人なので
発信内容は、自身の経験則に基づいた"事実描写"に限られる。
しかし、周辺の医療情報をご説明する場合は、どうしてもある。
その際私はまず、医療者向け専門文献を読み、理解の範囲で自分に落とし込む。
一般的には"とっつきにくい"とされる医療者向け専門文献を
私と言う、同じ素人同じ患者というフィルターを通して同内容をご紹介することに
一定の意味はあると思っている。その為には
"make an effort to frame explanations in simplified terms so that readers across all levels of comprehension will understand"
このことを意識する必要はあるし、その努力はしていこうと思っております。
Explain the stage
正しい医療情報を報道すること責務とするマスメディア/ジャーナリスト"には"確かに必要でしょう。
ただ、仮に
「この研究は現在○○の段階です」と報道されても、多くの視聴者は
「は~、で結局イイの悪いの?どっち?」
となりそうな気はします。
したがって個人的に思うのは
マスメディア/ジャーナリストとエンド視聴者/読者との"間"に位置する人たち
所謂その道の"インフルエンサー"的方々の役割は大きいのかなと
そこのさじ加減で、どっちにでも聴衆は流れる可能性、危険性をも秘めていると思うので。
Report the numbers
it’s important to specify the size, numbers tested, and time period of the trial.
『数(数字)』というのは、発信者側の伝え方によっては
我々素人が、それ"のみ"を拠り所とし当該情報を"盲信"する可能性のあるもの。
メディアサイドも、それを知ってか知らずか
殊更に『数字』を強調すること暫し。
『数字』の"爆発力"を十分ご理解頂きたいもんです。
Disclose the side effects
Clearly stating the possible side effects of any given vaccine will help inform the public and ease their reservations…
上記『the numbers』同様この『the side effects』も、発信者側の伝え方によっては
我々素人が、それ"のみ"を拠り所とし当該情報を"盲信"する可能性のあるもの。
SNSを見ていると
民放各局のワイドショーにおいてこの『the side effects』を殊更に強調する昨今の現状に
現場の医療従事者の方々は、大変憂いている様子がうかがえます。
ちなみに
『副反応』と『副作用』の違いですが…宜しければ下記サイト内容ご参照下さい👇
「有害事象」や「副作用」は、ワクチンを含む医薬品や手術などの医療行為に関連して使用され、「副反応」はワクチン接種に関連したことがらに限定して使用されます。どちらも「ワクチン接種をしたあとに起こった症状」に対して使用される言葉ですが、しばしば混同されたり、誤解されて使用されていることがあり、注意が必要です。
(引用元:こどもとおとなのワクチンサイト)
(画像引用元:こどもとおとなのワクチンサイト)
Use appropriate imagery
avoid such visuals as crying babies, anxious-looking patients and oversized needles.
メディアの皆様、心当たりあるんじゃないですかね…
此度の新型コロナウイルスワクチンの報道に限らず
『視覚情報』というのは、視聴者が分かりやすい一方で
強烈な先入観を、一瞬のうちに植え付けしまう危険性もはらんでいると思われます。
私個人としても、情報発信活動する上でこの点は留意していて
YouTube等での動画配信をしない、というのは(※顔を晒したくないというのが一番ですが💦)
私の発信している情報はあくまで私の"個人的経験"に基づくものゆえ
変な先入観を、それを見た患者さんに抱いて欲しくない、という理由もあります。
Don’t forget demographics
demographic /ˌdeməˈɡræfɪk/ means
data relating to the population and different groups within it
上記『the numbers』と関連するのかな、というのが個人的印象。
「○○人に効果がありました!」
「××人に副反応がありました!」
数字との"相乗効果"で、視聴者は当該情報に意識が集中する。
私の独断と偏見ではありますが、現代の多くの視聴者の方々は(私も含め)
少々難解な事案に遭遇すると
「要するにイイの、悪いの、どっちなの?!」と
情報の真偽を把握するのに、そこに至るプロセスには関心はなく
"0"か"1"か、を早急に知りたがる傾向にあるのかな、と。
この意味で情報発信者側は『数字』同様に
その"爆発力"を十分ご理解頂きたいもんです。
Remind everyone of the benefits of vaccines
don’t forget to inform readers of the importance of all vaccines.
なんでmRNAワクチンという画期的すぎる技術革新をメディアはもっと喧伝しないのかと疑問だったけど、まあいちばんコロナロスが不安なのはメディアですもんねえ。なるほどです。
— 斎藤環 【小林秀雄賞】『心を病んだらいけないの? うつ病社会の処方箋』新潮選書 (@pentaxxx) January 20, 2021
上記ツイートにあるように、多くのマスメディア(主に民放各局)は
意図的と思えるほど「ワクチンの有効性」を報じてませんからね。
結局は
- "正しい情報"は自分自身で収集する
- 自分の身は自分で守る
そういうことなんでしょうね。
まとめ
先にご登場した@pentaxxx 斎藤環医師への
@nonbeepanda 岩永直子氏のインタビュー記事が
SNS上ではかなり話題になっております。
「コロナロス」という言葉を斎藤環先生(@pentaxxx)のTwitterで見かけた時にびっくりしたのですが、お話を聞くと終わってほしくないという気持ちを抱く人もいるかもしれないと思いました。
メディアに対する「負のお祭り騒ぎ」という痛烈な批判、意識したいと思います。https://t.co/QWvluDMUbK
— 岩永直子 Naoko Iwanaga (@nonbeepanda) January 29, 2021
『コロナにうんざりしているはずなのに、なぜ「コロナロス」を抱いてしまうのか? 精神科医に聞きました』
新型コロナワクチンの不安を煽る報道を、精神科医の斎藤環先生(@pentaxxx)が痛烈に批判します。
医療者の高圧的な態度や政府のリスクコミュニケーションの下手さも問題だとも指摘しています。
斎藤先生実は初めての取材ですが、耳に痛く、興味深い話でした。https://t.co/dcTtBm2yvu @nonbeepand
— 岩永直子 Naoko Iwanaga (@nonbeepanda) January 30, 2021
『メディアは「共感」や「同調圧力強化」を求めて動くな 新型コロナワクチンの報道に精神科医が注文』
読者の多くの(SNS上での)論調は
「だからマスコミは"マスゴミ"なんだよ!!」というもの。
確かにそう思うし、これに限らず
世の中の不合理・不条理ある度に、ネット界隈は"燃え上がる"。
今の私の生活スタイルで、テレビを完全シャットアウトするというのは現実的でないもんで
民放各局のワイドショー等はどうしても目にすることあるのですが
"反面教師"的存在(情報)として敢えて見る、ということはありますかね。
自分の身は自分で守る
情報の正誤を見分ける目を養うのも、自助努力次第かなと思ってます。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。