長時間透析のような素晴らしい物を選ばないのはあり得ないので患者が間違っている
(某医師Twitterからの引用)
「長時間透析を考える会」と題したWebinarで、とあるお医者様から飛び出したお言葉。
この発言に対する
正直こういう感覚では長時間透析なんて永遠に普及しないよなと個人的には思う
(某医師Twitterからの引用)
同業者からのご意見を、先のブログでご紹介させて頂いた。
頻回/長時間ともに、医療者の示すメリット・デメリットをもってしても「これ以上回数/時間やだ!」との心情覆すのは容易でなさそう。Q「で、実際やってみて、どうよ?」A「こんな感じ」的患者目線の"フワッ"とした情報も周辺にあってもいいかな、そんな思いで日々勝手ながら活動させていただいてます🙇
— 腎生を善く生きる@在宅血液透析(HHD)9⃣年目突入‼️ (@Live_KidneyLife) August 21, 2022
これを期に考えへ、気づいた…
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「どうして、(頻回・長時間透析が可能な)在宅血液透析にしたんですか?」
と問われて、自分自身で納得のいく理由が言語化できないな
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と。
とはいえ、日々の在宅血液透析で感じること
導入から約10年を経過して感じることを
ちょっとずつ、徒然に
思いつくまま、言語化してみよう。
さて、例えば…一般的に在宅血液透析のメリットとして挙げられる
「自宅で好きな時に透析を行える」
を考えてみよう。
施設へ通院しての標準血液透析(週3回、3時間~6時間未満)施行する患者をして、人は
「週3回、3時間~6時間未満、"拘束される"」と表する場合がある。
ただ単に拘束されるわけじゃない。
自宅から医療施設へ出向いて血液透析を施行する。
施設にいる時間は勿論、施設への行き帰りを加味すれば
一日のうちで、相当時間を拘束されていることになる。
それが、1週間のうち3回も…これは苦痛だ。
で、一方「在宅血液透析」はどうか?
当たり前だが、"拘束される"点は、変わらない。
なんなら、人によっては
"週3回、3時間~6時間未満"
より、「時間」も「日数」も拘束される場合は、あろう。
私の場合、現在の透析スケジュールは…
"週6回、3時間~4時間"(非透析日㈯あけ(日)のみ4時間)
透析1回の拘束時間は短いが
1週間の内で透析によって拘束される「日数」は、圧倒的に多い。
"透析1回の拘束時間"について言わせてもらえば
「血液透析に必要な準備時間(プライミング)~透析後の後片付け」を含めれば
施設までの行き帰りを拘束時間に加味する通院血液透析患者様と比べ
自宅から別の場所へ移動する必要がないとはいえ
「時間」だけをみれば"見劣り"はしないかと。
私が考える"肝"は…
「自宅で好きな時に透析を行える」の
"好きな時に"の部分が
果たして、血液透析患者全てに「メリット」と言えるのか、ということ。
"好きな時に"ということは
「自由な時間に、透析やっていいよ」
ってこととも言えますね。
これって、人によっては案外「困る…」という方、いらっしゃるのでは?
「自由に、どうぞ」といわれるより
「この日に来て下さい」と、人に決めてもらった方が"楽"な人もいるのでは?
勿論、在宅血液透析を導入したからといって
透析スケジュールの一切を、患者のみで考え決定するわけでは、当然ありません。
そんなの、当たり前です💦主治医との話し合いで決めていくものではあります。
しかし…
主治医と決めたスケジュールに基づき、いざ「透析日」がきた。
通院血液透析ではおそらく(※私自身が通院HD経験ないので自信もって言えませんが…)
患者が「透析日」に施設へ時間になっても来なければ
施設側が、なんらかのフォローはするでしょう。
在宅血液透析では、どうか?
「透析日」が来た。
透析開始時間はなんとなく決まってはいるでしょうが、所詮"なんとなく"でしょう。
(※開始時間キッチリ決めて、それを守っているHHD患者もいるでしょうが)
乱暴な言い方を許容させていただけるのであれば
別にその日「やらない!」ということも、可能といえば可能。
でも、その代わり、予定していた「透析日」での透析をスキップしたら
翌日以降、その分をまかなうだけの透析を施行する必要があると思うが
そこも、極端な話、患者次第。
毎日、毎日、決まった時間に病院関係者から
「どうですか?ちゃんと(透析)やってますか~?」
なんて、連絡は(多分)ない。
その代わりとなるものが、透析毎に記入する「血液浄化記録表」
(※施設によって呼称は異なるかと)。
それを1カ月に1回の「HHD外来」で提出
そこで医師は、患者の、この1カ月の透析実績を確認することになる。
つまり、医療者サイドは
「(患者は)1カ月、ちゃんと自宅で、Dr.指示通り、透析施行してる"だろう"」と
患者を信頼し、ある意味、患者に「裁量権」を与えて下さってるわけ。
「この(透析)状況、当たり前じゃねーからな!!」
加藤浩次さんの言葉じゃないですが(笑)
「好きな時に」「自由な時に」
言葉の響きは甘美で魅力的ですが
実際、「当たり前じゃねー」透析状況を継続し続けることは
一概に、在宅血液透析の"メリット"とは言えないかな?
約10年HHD続けたイチ患者の、率直な感想です。