先日
在宅血液透析8年目にして初めてのトラブルに見舞われました。
ここで言う"トラブル"は
透析中の気分不快のような身体のトラブルは含みません。
現在は3カ月に一度
管理医療施設の担当者が自宅に来訪し
透析機器のメンテナンスを行ってくれます。
HHD導入から丸7年間
管理医療施設の、文字通り徹底した機器(危機)"管理"のお陰で
「機器機能トラブル」と言えるものは発生しておりませんが
(例外は一つありまして、それは後述致します)
先日のトラブルを受け
【在宅透析とトラブル】HHD8年目の私が経験した、体調不良"以外"の透析中のトラブル
透析液の液漏れ
最初に申し上げますが
このトラブルは、透析機器設置の際の担当者のミスです🤫。
在宅血液透析導入間もない頃です。
日々の血液透析は問題なく行えていたのですが
ある日
透析機器周辺を清掃していたら
なんか濡れてる💧…しかもかなり濡れてる…💧
場所は
給排水用のチューブが配置されている所
透析機器の背後で、普段は念入りに見ない場所。
液体の量からして、確実にどこからか漏れ出ているのは一目瞭然。
現状報告のため状況を画像で収めようとしたのですが
無色透明の液体ゆえ、画像では分かりにくい。
そこで
ティッシュペーパーで"謎の液体"を染み込ませた状態でパシャリ
また
液体が渇いた後に、これまた"謎の白い粉"が散乱してまして
集めると結構な量。
これらの画像を管理医療施設へメール送付。
数日後、透析機器設置担当者(透析機器メーカー)が来訪。
透析機器側面カバーを開けてみると、内部にも"謎の白い粉"が付着してる。
原因は先述した通り、機器設置担当者のミス。
詳しい部品名などもちろん分かりませんが、簡単に言うと
「オス」「メス」のある「A」「B」。
A-A、B-Bと接続するところを
A-B、B-Aと接続してしまっていた。
ということ。
漏れていた"謎の無色透明の液体"は、透析液。
同じく"謎の白い粉"は、透析液に含まれるナトリウムの結晶。
実は、1度目の来訪では液漏れは解消されず
2度目の来訪で原因が判明。
"灯台下暗し"だったんですかね、あまり考えられない接続ミスだったようです。
HHD導入して間もない
私も気持ちにまだまだ余裕が無い頃。
そんな時に突如現れた謎の液体&謎の白い粉…
機器設置担当者の方々
初めての、しかも稀有な在宅血液透析をするということで
患者はちょっとしたことにもナーバスになりがちです。
出来れば、このような患者のメンタル事情も少し頭に入れて
作業に取り組んで頂ければ、と思います。
あの重い精密機器の運搬・設置作業
実際見て大変であることは重々承知してはいますが…
謎のエアー大量発生
"謎のエアー大量発生"
この事象は比較的つい最近
昨年末、立て続けに2度起こりました。
画像を見れば一目瞭然なのですが…
動脈側エアトラップチャンバー内に大量の泡が溜まってしまう事象です。
上の画像、実は"大事には至らなかった"時の状態のもの。
つまり、この時はなんとかかんとか透析は最後まで出来たのです。
このタイミングで"手"を打てたのは、その前に同様の事象の経験があったから。
この数週間前…
透析開始直後、10分程度しか経過していないと思います
まず『気泡警報』が鳴りました。
手順通り、返血側付近の血液回路に鉗子をし気泡検知器を開ける
気泡があればそれを逃がし気泡検知器を閉め、警報リセットを押し、透析再開。
しかし、気泡検知器を開けても、気泡らしきものが見あたらない。
「???」ではあるものの透析再開。
が、程なくして再びの『気泡警報』、このやり取りが2~3回。
「???」の中
ふと見た動脈側エアトラップチャンバーが"全て"泡まみれ状態になっているではないですか。
通常
動脈側エアトラップチャンバーにエアが溜まるのは
脱血側穿刺部位に何らかエアが入り込む原因がある場合が考えられる。
針抜は、もちろんしていない。
結局この時は、あれこれせず潔く透析終了、返血してしまいました。
外来時にスタッフに相談したのですが、これといった「解」は見いだせず。
モヤモヤした状態で数週間が過ぎたある日、再び同じ事象が起きたのです。
幸いなことに、この時は
透析直後に動脈側エアトラップチャンバーの異変に"たまたま"早く気づき
先にご紹介した画像のように
エアトラップチャンバー内の泡はまだ上部1/3を占めている状態。
『気泡警報』もならず。
この数週間に素人が自分なりに色々文献をあたってみて
"マイクロバブル"なる言葉を承知しておりました。
この事象が"マイクロバブル"なるものかどうかはさておき
ある文献には
"マイクロバブル"は血流量を落とすと発生を抑えられる
との記述があり、それが頭にあったので
この時もとりあえず、血流量を通常の200㎖/minを150㎖/minに落としました。
すると、これが功を奏したかどうかは分かりませんが
エアトラップチャンバー内の液面が下がる、つまり泡が溜まり続けることはなくなりました。
血流量150㎖/minで透析を続けながらも、動脈側エアトラップチャンバーが
この状態であることが気持ち悪く
意味のないこととはわかっていながら
エアトラップチャンバーを反対にひっくり返して中のエアを逃がしました。
逃げたエアはどこに行くか、そう
ダイアライザーの上部に溜まるだけです。
これで、透析中の自分の視界からはエアは見えなくなりました。
それから改めて血液回路内を
脱血側穿刺部位から順に見ていきました。
しかし、気泡らしきものが見当たらない。
ただ、気になるのは、血液ポンプの出口付近に微小な泡が溜まっていました。
この、血液ポンプの出口付近に微小な泡も
血流量150㎖/minにしてからは、その量に動きはなし。
その後、順調に透析は進んでいきましたが
2hが経過した時、血流量を200㎖/minに戻してみました。
結果は、何も問題なく最後まで3h透析やりきれました。
数週間後、主治医に相談。
原因として…
血液回路不良の可能性もゼロではないが、考えにくい。これは私も同意。
患者さんの血管状態によっては、透析開始直後の脱血が不良な場合があり
そのような場合は初めから血流量を落として透析を開始するそうな。
その時も確実な「解」は見いだせなかったものの、その後の数カ月は
透析直後の血流量を150㎖/minでスタート
1h様子を見て、異常がなければ200㎖/minに戻す、というやり方をとりました。
これが功を奏したか、これまた分かりませんが
異常なエアーの発生はなくなりました。
現在はもう最初から200㎖/minで透析を開始しておりますが
"謎のエアー大量発生"はトラウマ化しておりますので
透析直後は注意深く血液回路内並びに
動脈側エアトラップチャンバーの様子を注視して透析を行っております。
血圧測定不能
冒頭お話した
在宅血液透析8年目にして初めてのトラブル。
"血圧測定不能"など
施設透析スタッフなどは日常茶飯事なんでしょうけど
素人が初めて遭遇すると、そう上手く対応できるものではありません。
いつものようにプライングが終わり、体温測定も終わり
さて血圧を図ろうと血圧計測定ボタンを押しても計れない。
そしてディスプレイに表示されたのは
【血圧計警報】E3 圧力センサ異常
こちらとしては「なんのこっちゃ?」なので
"警報リセット"ボタンを押して再測定、しかし結果は同じ。
そこで目にした"血圧計無効"のボタン。
「これを押せばエラーがリセットされて直るかも!」
"血圧計無効"のボタンをポチ☝
そして血圧再測定、しかし
"血圧計無効のため測定できません"そりゃそうだ。
さてさて、この無効状態を解除するには、っと…
ディスプレイ内のメニューボタンを、患者が触れる範囲でタッチして検索するも手掛かりなし。
時は夜22時過ぎ。
HHD緊急連絡先として伺っている番号に電話。
意外にも病院受付につながってしまった。
「間違えたか?」と思いましたが
その時間まだ通院透析が行っているようで、それで病院直通に。
電話に出ていただいた看護師?の方は非常に丁寧な対応
ただ在宅担当者に確認して折り電するとのことで、一旦電話を切る。
入電を待つ間、私も自分なりに透析機器マニュアルをペラペラめくってみる。
しかし、何せこの厚みですからね💦
すぐには「解」を見つけられず。
程なくして、先に対応して頂いた看護師?の方から入電。
わざわざメーカーへ確認をして頂いたようで。
結論は、一旦透析を終了しないと"リセット"されない、とのこと。
私も電話口で話を聞きながらマニュアルを検索していたら
おそらくこの事案に該当するであろう箇所が見つかりました。
血圧計無効キーをタッチして血圧計の全機能が停止したあと、
以下のいずれかの操作をする、または状態になると血圧の再測定ができます。
- 廃液操作を行ったとき
- 透析→洗浄・消毒工程に工程が移ったとき
- 「透析データ リセット機能」が働いたとき
(引用元:DBB-100NX 操作マニュアル)
ただ、血圧が測定できない原因は今だ不明。
しかし、会話の中で出てきた
「血圧計のコードが何かに踏まれたり引っかかったり…」の話を聞いた瞬間
あっ!!もしかして…思い当たる点がありました。
我が家の透析ルールのレイアウトは
リクライニングチェアの"左脇"に「RO装置」と「透析機器」を設置。
血圧測定は非シャント肢である"右手"で行うため
血圧測定用のカフとボタンをリクライニングチェアの背後を通して
透析姿勢をとった時の"右手側"に配置しております。
コードが思いのほか長いので可能なのです。
さて、我が家のリクライニングチェアですが
フルフラットにした状態で上体を起こしてしまうと
チェア全体のバランスを崩し、土台が浮いてしまいます。
その日の昼間、フルフラットのリクライニングチェアで横になっていた時
うっかり上体を起こしてしまって「おっと!危ない!」となったのです。
チェアが倒れるとか私自身がどうかなったわけではないのですが
土台が浮いたことは、確か。その際血圧測定コードを踏んだのかも。
恐る恐る見ると…
見事にコード踏んでました。
その日は家庭用血圧計を使用して透析。
翌日
正常に作動するか多少心配ではありましたが
マニュアルにあった"透析→洗浄・消毒工程"は昨夜の透析後には終えているので
問題なく血圧計は作動し、一安心。
まとめ
冒頭の繰り返しになりますが
管理医療施設担当者の透析機器メンテナンスのお陰で
機器の"機能トラブル"と言えるものは発生しておりません。
透析中の身体に影響を与えるような機械トラブルはないとはいえ
見たことない警報やディスプレイ表示がなされると
患者は不安にはなります。
機器の仕組みや性能に関して
専門家はそれを熟知することが仕事。
彼等はマニュアルを熟読し理解している一方で
患者特に、患者自身でトラブル対応を強いられるHHD患者の場合は
一つ一つのトラブルが、自分の中のデータベースに蓄積されていくわけです。
何事もトラブルは起きないにこしたことはない。
しかし
しっかりと患者自身が振り返り、自分の知識とすることができれば
そのトラブルは無駄ではない
今度同じ事象が起きても、怯むことはないわけですから。
HHDというのは、この点においても
経験がものをいう医療行為なのだな、と思うところですね。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。