
今回は
在宅血液透析(HHD)における
「物品の収納」について、ご紹介致します。
現在施設血液透析をしていてHHDを導入検討している方
施設での透析中、施設内に、例えば
透析液の箱が山積みになっている様を見たこと、あると思います。
「実際、自分の家で透析をするしたら、備品の置き場所はどうしようか?」
と思ったこと、一度はあるのではないでしょうか?
患者自身で発注した物品は、月に一度(私の場合ですが)
メーカー及び宅配業者から自宅へ配送されます。
透析液・生理食塩水のように
こちら側が指定した場所まで運搬してくれる例外はありますが
それ以外の物品は宅配業者から
玄関渡しで一括配送されます。
建物2階に透析室を設けている私の場合は
一括配送された各種物品を、2階透析室の備品庫へ運び
所定の場所へ収納する作業がございます。
物品の発注同様、物品の収納についても、患者それぞれ
考え方も、患者それぞれかもしれませんが
現在、HHD導入を検討されている患者様が
導入後のイメージを少しでも膨らませることができるよう
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【在宅透析の物品】在宅透析に必要な物品の収納方法

透析物品一覧
血液透析に必要な物品は、下記の通り
メモ
透析液
生理食塩水
ダイアライザー
血液回路
ヘパリン(抗凝固剤)
穿刺針
消毒綿(ヘキシジン)
消毒キット
シリンジ
洗浄用次亜塩素酸
洗浄用酢酸
これら物品について、その収納方法にフォーカスしながら
個別にご紹介して参ります。
透析液
前記事
在宅血液透析(HHD)を支える陰の立役者「透析備品配送担当者」をフィーチャーする
でご紹介したように
配送当日にメーカー配送担当者の方が、所定の位置まで運搬・収納までしてくれます。
旧押入であった備品庫は❝二階建て❞。その一階部に収納。
広さは
参考
- 奥行80㎝弱、高さ70㎝弱、横幅120㎝強
この広さで
透析液6㍑タイプが、マックス16箱(縦2箱×横4箱×高さ2箱)収納可能。
右奥から詰めて収納しても、左側の余裕スペースは幅20㎝弱程しか残りません。
毎月の注文数は10箱はないので
空の状態から、一度の配送でスペースが全て埋まるようなことはありません。
とはいえ、メーカー配送の方に、透析液6㍑タイプ収納後
余った一階部スペースに透析液9㍑タイプを収納して頂くようなことはしません。
ただでさえ9㍑タイプは重く大変ですから。
血液回路の外装用段ボールを潰したものを、透析室内の一角に敷き
そのスペースを9㍑タイプの積み置き場とし、そちらへ配送をお願いしております。
しかし、ここからが、私の場合はちょっと大変。
配送当日に備えて、一旦備品庫から外へ取り出しておいた在庫分の透析液を
備品庫の空きスペースへ運搬、収納します。というのも
透析液や生理食塩水を備品庫の外に出しておくと、透析部屋全体が狭く感じてしまうので
出来る限り備品庫へ収納するようにしております。
日々透析を行えばその分透析液は消費され、その分備品庫には空きが出来ます。
「透析部屋全体が狭く感じてしまう」との理由で
外に配置している9㍑タイプを、徐々に備品庫内に収納することもあります。
結構重いですが。
ちなみに
消費後の透析液の空箱は、その名の通り軽く、結構積み上げられるので
あまりスペースは取りません。
生理食塩水
透析液同様
配送当日に配送担当者の方が、所定の位置まで運搬、収納までしてくれます。
所定の位置というのは、備品庫二階部。
広さは
参考
- 奥行80㎝弱、高さ100㎝強、横幅120㎝強
当然、奥行と横幅は、前述した一階部と同じですが
高さがやや長い。
マックス8箱(縦1箱×横2箱×高さ4箱)収納可能ではありますが
透析液同様、マックス数配送されてくることはほぼないので、余裕はございます。
取り出しやすいよう二階部の手前に配置するのですが
ダイアライザー・血液回路を、二階部の奥側へ収納する際
生理食塩水が手前にあると入れにくい場合があります。
その時は、せっかく配送担当者の方が所定の位置に収納してくれたのですが
一旦外へ下ろしてスペースを作り、ダイアライザー・血液回路を収納後
再度、生食段ボールを所定の位置に積み上げます(参考:生食段ボール1箱約7.5㎏)。
ダイアライザー
宅急便で、1箱24個入り、荷姿段ボールで配送されてきます。
透析液・生理食塩水と異なり宅急便なので、玄関渡し。
玄関が狭いので、1階の和室からやり取りさせてもらい、直接畳に置いちゃってもらってますが。
参考
- 1箱の重量=約6.1㎏
これを、1階の和室から14段の狭い階段を抱えて2階に運搬します。
備品庫へは基本的に、中身を段ボールから出し、バラの状態で収納します。
備品庫二階部は少し細工を施しておりまして
下記商品のような棚を組み合わせて、❝ミニ収納棚❞を設置しております。
1段重ねれば、「1階・2階&屋上」という風に棚が出来るので
その2階部に、バラのダイアライザーを収納します。
ダイアライザーは段ボール内に、個装で横並び8個&3段重ねで梱包されております。
薄板状の段ボールで仕切られて3段に重ねられているので
その仕切り用段ボールも有効活用させてもらう形で
段ボールに収納してあった状態と同様、8個3段で収納してます。
血液回路
ダイアライザー同様
宅急便で、1箱24個入り、荷姿段ボールで配送、玄関渡し。
参考
- 1箱の重量=約8.4㎏
ダイアライザーよりやや重いですね。
これも2階へ運搬。中身を段ボールから出して、バラの状態で収納します。
❝細工❞というほどではありませんが
下記商品のようなトレーを二つ横並びで使い、そこに個装されたバラの血液回路を置いています。
在庫分も含めると、どうしてもバラ置きするスペースが一杯になり
一旦は段ボールのまま備品庫に収納することもしばしば。
ただ、その時はその時で
奥に収納した段ボールが、結果上記のトレーの土台となるだけなので、問題はありません。
その他
ヘパリン、穿刺針、消毒キット
一つの段ボールに梱包された状態で、宅急便で配送されてきます。
2階への運搬については、物品個別に運べば、何の問題はありません。
収納には、❝移動式備品庫❞を使います。
妻がもともと衣類収納で利用していた、キャスター付き押入れ収納棚を❝お下がり❞してもらい
それを細かな透析物品用に再利用しております。
モノとしては、下記にご紹介するものが近いですかね。
三階建ての収納棚の一段目はヘパリン、二段目は消毒パック、三段目は穿刺針と消毒綿。
中身の配置は、なるようにしてなった、という感じ。つまり
透析中に使用する可能性が高い順に、上から収納してます。
ヘパリンなどは透析「中」には、取り出して使用するようなことはないので。
この収納棚は
透析をするリクライニングチェアの右真横に配置(ちなみに透析機器は左真横)。
高さは約70㎝弱、頂上部分も十分な敷地があるので、そこに透析中のお供
スマホやタブレット、眠気覚まし用のガムや飴、ボックスティッシュ等を置き
必要な時必要なモノが、すぐ手元にある状態を作り出すことができます。
洗浄用次亜塩素酸、洗浄用酢酸
約2~3カ月に一度の発注。
ヘパリン、穿刺針、消毒キットと同じ段ボールに梱包されて状態で、宅急便で配送されてきます。
保管場所ですが、前述のダイアライザーのくだりで述べた
「備品庫一階部左側の余裕スペース」に置いております。
消毒キット、シリンジ
前記事
在宅血液透析(HHD)を支える陰の立役者「透析備品配送担当者」をフィーチャーする
前半部をご参照頂きたいのですが、発注頻度は非常に低いです。
ただ、消毒キットについては
実際のモノが来たときは、かなりの大きさの段ボールで配送されてきます。
1箱に360セット入っていますが
約50セット程度を先にご紹介した❝移動式備品庫❞二階部に一度収納してしまえば
しばらくは元の段ボールを開け閉めすることはないので
これまた先にご紹介した❝ミニ収納棚❞の一階部に置いておきます。
シリンジに関しては、まあ適当、といっては語弊がありますが・・・
幸いにも、最近シリンジを使うようなトラブルは起きていないので
当然、モノを取り出すこともなく。
備品庫内の目に届く場所には、置いております。
まとめ
最後に白状します。
ここまでズラズラと、物品の収納について講釈を垂れて参りましたが
ここで述べた仕事の殆どは、妻がやってくれております。
身体は小さいながら、重い透析液などナンのその
テキパキと運搬、収納してくれてます。
感謝です。
(在宅血液透析における妻の働きは、これだけに留まりません。いずれご紹介いたします)
前記事
❝言うは易く行うは難し❞_在宅血液透析を続けるため患者に求められる資質とは
こちらで❝清潔さ(Cleanliness)❞というのを挙げさせて頂きましたが
透析物品の収納についても、必要な資質だと思います。
まず医療品であるので、出来るだけ清潔な場所へ保管することが求められますし
雑多に置いてしまっては、在庫の確認が取りずらくなります。
患者それぞれ住環境の違いがあり、思うような収納が難しい場合もあろうかと思いますが
そんな中であっても、常に
どこに何が、どれくらいあるか
が、おおよそ確認とれる程度には、整理整頓しておきたいところです。
在宅血液透析を導入すれば、少なからず
こうした医療物品に囲まれる住環境とはなりますので
日々のストレスとならないような工夫も、個々人必要かもしれませんね。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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