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在宅血液透析 物品

【在宅透析の物品】在宅血液透析(HHD)では、物品の発注業務も患者自身で行います

2020年5月21日

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今回は

在宅血液透析(HHD)における

「物品発注」について、ご紹介致します。

在宅血液透析を行う患者は

血液透析に必要な医療物品の在庫管理及び発注業務も

患者自身で全て行います

透析の回数・時間は、患者それぞれ

在庫の考え方も、患者それぞれかもしれません。

現在、HHD導入を検討されている患者様が

導入後のイメージを少しでも膨らませることができるよう

出来る限り丁寧にご紹介して参ります。

【在宅透析の物品】在宅血液透析の物品発注について

必要日数の算定

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これからご紹介する物品全てに共通することですが

物品の必要日数の算定(=予定透析回数)、つまり

在庫確認日から起算して何日分必要か

これをまず決めていきます。

現在の管理医療機関からは、発注の締めは毎月20日と指定されておりますので

在庫確認は、大体毎月10~15日の間に行います。

配送日は翌月初。

曜日が指定されておりますので、自ずと日にちは決まります。

そこで

発注数算出の基準となる、この物品の必要日数ですが

私の場合、在庫確認日を起算日として

翌々月の配送予定日までの日数分+α

というのを、自分の中でルール化しております。

+αの部分ですが、最近は+2週間で落ち着いてます。

土曜日を除いて、ほぼ毎日透析を行っていることも、在庫の安定化に寄与しているかも。

というのは

透析スケジュールが、隔日や週5回(3日連続透析-1日休み-2日連続透析)だった時

+α部分を1週間で発注かけてしまったことで、在庫切れを起こした苦い経験があるのです。

在庫切れを起こしてしまう原因として考えられるのは

日々の透析が必ずしも予定通りにはいかない、ということが挙げられます。

このことは、予定数よりも物品を多く消費してしまうことを意味します。

例えば、透析を開始したものの

脱血不良で一旦セットした物品全てを撤収、再プライミングして透析再開、とか

透析中体調不良で強制終了、透析時間が少ないので

翌日休みの予定を変更し連日透析、などなど。

だからといって、在庫切れを心配して多く発注しすぎると

物品庫スペースの許容量をオーバーしてしまい

置き場に困る可能性も

これまで色々試した結果、私の場合たまたま+αの部分が2週間だ

ということです。

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透析物品一覧

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血液透析に必要な物品は、下記の通り

メモ

  • 透析液
  • 生理食塩水
  • ダイアライザー
  • 血液回路
  • ヘパリン(抗凝固剤)
  • 穿刺針
  • 消毒綿(ヘキシジン)
  • 消毒キット
  • シリンジ
  • 洗浄用次亜塩素酸
  • 洗浄用酢酸

これから、私が日ごろ発注で意識していることを

個別にご紹介して参ります。

透析液

透析液の発注には、非常に気を使います

というのも、万が一自宅で在庫切れを起こした場合

透析液以外、例えばダイアライザーや血液回路、ヘパリン等は

月一度の外来診療時、場合によっては緊急で来院して

必要数を頂いてくることも可能といえば可能。

なぜなら大きさ・重量的に、これらの物品なら私でも持ち帰られるから。

過去に一度

生理食塩水を外来診療の帰りに、持参したバックに3パック程入れて持ち帰ったことはあります。

自宅から病院までdoor-to-doorで1.5hほどかかるので

約3㎏を持ち歩くのには多少骨が折れましたが。

ここに注意

くれぐれも誤解のないように。

自分の発注ミスで、このようなことをしないことが大前提。

病院はじめ多くの関係者の方々にご迷惑をおかけするので、絶対に避けるべき。

しかし、透析液だけはそうはいきません

参考

  • 透析液6㍑タイプ1セット約12㎏
  • 透析液9㍑タイプ1セット約18㎏

患者が電車の行き帰りで持ち運ぶ類の代物ではありません

もちろん、透析が生命維持的な要素を含んでいることから

透析をやらないという選択肢はないので

万万が一、在庫切れを起こしてしまったら

自家用車で病院へ乗り付けて運搬するなり

追加の配送料等を支払って配送してもらうなり

理論上は可能でしょう。しかし

どれほどの関係者の方々にご迷惑をおかけすることになるか

そんなことを考えると、透析液発注数の算出には、どうしても気を使ってしまいます

私の現在の透析スケジュールは週6回

メモ

  • 月曜日から金曜日の5日間は3h透析
  • 土曜日の休みを挟んだ日曜日は4h透析

タイプ別の使用状況ですが

メモ

  • 透析液6㍑タイプ1セットは3h透析×連続2日
  • 透析液9㍑タイプ1セットは4h透析を行う日曜日と翌月曜日の3h透析

消費量ですが

透析液6㍑タイプの場合

実際上、3h透析を2日連日行った後には、殆ど残っておりません

透析中の消費に加え、毎回のプライミングでの消費もあるでしょうから。

一方、透析液9㍑タイプは

4hの透析+翌日3h透析を行った後も、それなりの量は残ります

ただ、病院側からは

透析液の品質の問題を考慮し、3日間は使用しないように

との指示を受けておりますので、それ以上の日数は使用しません。

となると、単純計算で

1週間の必要数

  • 6㍑タイプ×2セット
  • 9㍑タイプ×1セット

1カ月の必要数

  • 6㍑タイプ×8セット
  • 9㍑タイプ×4セット

ということになります。この考え方と、先に述べた

物品の必要日数(在庫確認日を起算日として翌々月の配送予定日までの日数分+α)

とを加味して透析液の必要数を算出し

そこから在庫数を減算した数を、発注数量とします。

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生理食塩水

透析液同様、生理食塩水の発注にも非常に気を使います

前述したように、透析液と比べて最悪在庫切れを起こしてしまった場合

直接病院へ取りに行って持ち帰ってこれるという、心的担保は(好ましくはありませんが)あります。

ただ、生理食塩水は透析をした日数分、消費します

加えて、先に挙げた透析中のトラブルに見舞われた際

透析液はそのままのタンクを使用できますが

生理食塩水の場合は、返血・回収作業で全て中身を使い切り

新たにプライミングする際は新しい生食パックを使用するので

予定数より多く消費する確率が高い物品の一つなのです。

しかし、発注数の算出自体はシンプルで

発注数=必要日数-在庫数

1セット5パックなので、そこを間違わなければ大丈夫。

(例えば、20パック必要の場合4セットで発注するところを、誤って「20」としないように。)

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ダイアライザー・血液回路

ダイアライザーと血液回路は、生理食塩水と同様の❝性格❞を持っております。

つまり、予定数より多く消費する確率の高い物品です。

理由は、生理食塩水で述べた内容とほぼ一緒。

とはいえ

両者とも1ロット24個なので、大雑把な発注数で結構かと。

ただ

備品庫の余剰スペースを考慮せず、いたずらに「3セット」などと注文すると

荷姿が大きな段ボール状なので、後で置き場所に困ります

大雑把とはいえ、1箱にするか2箱にするかくらいは、気を付けます。

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ヘパリン

ヘパリンも毎日使用し、上記生理食塩水、ダイアライザー、血液回路同様

予定数より多く消費する確率の高い物品

1ロット10個。

バラの状態では3~4個1掴みできる程度の大きさ、もちろん重量もないので

最悪、病院から持ち帰る際もあまり苦労はしない物品です。

とはいえ、重ね重ね申し上げますが

不必要なご迷惑を病院におかけしてはいけないので、発注は他の物品同様慎重に

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穿刺針・消毒綿

穿刺針と消毒綿は、毎月発注する物品の中では一番気を使わない物品といえます(個人的には)。

参考

  • 穿刺針は1箱に50本
  • 消毒綿は1箱に60枚

毎回の透析で

穿刺針は脱血側・返血側で2本使用

消毒綿は同じく脱血側穿刺部位・返血側穿刺部位を消毒するのにそれぞれ1枚ずつ使用。

穿刺ミスをした分だけ予定数より多く本数、枚数が消費されるものではありますが

1ロット内の個数が多いことと、「未開封のものが最低1箱あればよし」との自己基準があり

その基準を満たしていれば、開封済の中身を細かく数える必要もないかと思って、シンプルに

毎月、穿刺針×1、消毒綿×1

がオーソドックスな発注数となっております。

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その他

その他の物品としては

「消毒キット」「シリンジ」「消毒用次亜塩素酸」「消毒用酢酸」

これらについては前回の

在宅血液透析(HHD)を支える陰の立役者「透析備品配送担当者」をフィーチャーする

で記載した内容と重複しますが・・・

「消毒キット」は1ロット360個

毎回の透析で使用するとはいえ、360パックもあれば1回の発注でしばらく、もつ。

「シリンジ」は1ロット100本

透析中、静脈圧が上昇し、その原因が返血側針先に血栓が形成された(であろう)場合に使用する。

頻度はさほど高くないので、これも1回の発注でしばらく、もつ。

「洗浄用次亜塩素」の内容量は1本1800㎖

毎回の透析後の透析機器自動洗浄の際使用。

「洗浄用酢酸」の内容量は1本500㎖

自動洗浄の際週一回、次亜塩素酸消毒に加え酢酸洗浄が行われる際に使用。

こちらも、毎月発注するような物品ではありません。

しかしながら逆に、毎月発注していないぶん

いつのまにか残り僅かに、なんてことのないように、日々それとなく気にはしております

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まとめ

thanks

この度の新型コロナウイルス感染拡大において

透析患者つまり❝施設血液透析患者❞の感染リスクが非常に高い旨

各種メディアでも取り上げられておりましたが

HHDの私自身は

「STAY HOME」を実践し、必要な外出時の感染防止対策は徹底していたので

多くの透析患者様に比べると、幾らか不安感は少ない方かな、と。

ただ注意していたのが、今回のテーマであった物品の発注

自宅で血液透析ができると言っても

そもそも必要な透析物品が欠品してしまったら、当然ながらできないわけで。

医療従事者が必要とする医療品が不足し、物流機能も停滞している

という報道は耳にしていたので

発注した物品が正しい数配送されるのか、非常に心配しておりました

幸いにも現在まで、欠品や遅れなどは一切なく

普段通りの透析ができる日常にあります。

これもひとえに

在宅血液透析に関わる多くの方々のご尽力の賜物

感謝の気持ちを忘れず。

巷では「気の緩み」などど言われていますが

引き続き気を緩めることなく、自己管理の徹底を図って参ります。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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