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在宅血液透析 透析全般

【在宅透析とは】HHDのメリットを享受するため、日本透析医学会誌「頻回・長時間透析の現状と展望」をしっかり現状に落とし込む

2020年8月6日

research,thinking,

日本透析医学会雑誌

「頻回血液透析」「長時間血液透析」に関してかなり突っ込んだ

しかし、内容はかなり高度、記述も難解。

全3回に渡り、同文献について

私が理解出来た部分を、私なりに表現してきました。

やや冗長な記事となってしまいましたが

現在の自身のHHDに、内容を上手く落とし込むことができれば

HHDのメリットを今以上に享受することができるかもしれない。

今回は「頻回・長時間透析の現状と展望」で示されていた内容に

現在の私のHHD各種要件を当てはめ

そこで感じたことを書き記して参ります。

【在宅透析とは】HHDのメリットを享受するため「頻回・長時間透析の現状と展望」をしっかり現状に落とし込む

透析時間の検証

time,

時間の概念について「維持血液透析ガイドライン」を見ると

透析時間

  • "短時間"は1.5~3時間未満
  • "標準時間"は3~6時間未満
  • "長時間"は6時間以上

標準血液透析の1回透析時間は"4h"

一方

現在の私の1回透析時間は

基本"3h"、週1回"4h"

これを踏まえ

「血液浄化」「除水」両側面から検証してみる。

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血液浄化

尿素のような小分子は

透析性が良好でかつ体液隔壁間移動抵抗も小さいため

透析効率が高い。

一方、リン(P)については、尿素に比して

体内における分布スペースが大きく、また

隔壁間の移動が複数あると想定される。

溶質の除去効率は、透析前半が高いので

現在のように、HHDで連日透析を行っていれば

仮に当日体調不良等がある時は、無理に予定透析時間を行おうとせず

短時間つまり1.5~3時間未満程度の透析時間が確保できれば

尿素のような小分子の除去には有効、と考えられる。

リンに関しても

十分な除去量を達成するためには、1回3時間の透析が必要だが

現在の透析設定時間は"3h"を基本としているので

特に問題はなさそうだ

ただし

β₂ミクログロブリン(β₂M)のような「隔壁間移動抵抗」のある中分子物質や

体内における分布スペースが大きいリン(P)などは

透析を長時間行うことによって

深部区画からの除去が増え

溶質の総除去量が多くなる。

このことを考慮すると

現在週1回"4h"としている透析時間を

長時間つまり6時間以上行うことがベターであるとは考えられる。

ただ、6時間の血液透析というのは(経験はあるが)なかなかの長さである。

オーバーナイト透析と違い、透析中ず~と起きているのもシンドイ。

非透析日は週にたったの1日。

現状、月1回の血液検査の結果で

血中のβ₂ミクログロブリン(β₂M)値に問題は全く見られないので

今以上の肉体的・精神的負担をかける必要性は、あまり感じられない

透析生活は長期戦。

しばらくは、現状の透析設定時間で静観しても良いでしょう

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除水

除水について考慮しなければいけないことは

注意ポイント

  • 除水速度が速く(大きく)なることで、❝プラズマ・リフィリング❞が追随できず
    結果、透析低血圧や臓器虚血を発症、悪化させることになる、ということ。
  • 心血管系合併症の最大要因となる
    透析毎に細胞外液量が大きく変動するという❝非生理的❞状態をつくらないこと。

維持血液透析ガイドライン」には

平均除水速度は、15㎖/kg/時以下を目指す

とある。

この❝15㎖/kg/時❞というのは

透析が中2日空いたスケジュールの限界値であり

4時間透析で体重の6%の除水を行うことに相当する

参考

仮に体重60㎏の場合、除水量は3.6ℓ

4時間透析での除水速度は"0.9ℓ/h"

現在の透析設定時間"3h~4h"を

透析回数週3回という標準血液透析の観点で見れば

除水速度0.9ℓ/hを維持するため、厳しい飲水制限が必要だが

連日透析している現状では、特に飲水制限をしていなくても

毎回除水速度平均0.5~0.7ℓ/hで透析を行えている現状ゆえ

除水の観点で透析時間を現状より伸ばす必要性はない、と考える。

参考

ちなみに

私のHHD管理施設からは除水速度のMAXは

"0.8"ℓ/hとの指示を受けています。

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透析頻度の検証

calendar

血液浄化

透析頻度と血液浄化との関係を考える時

透析後の"リバウンド現象"の影響が重要と思われる。

"リバウンド現象"とは…

透析終了後から溶質が細胞内から細胞外(血管内)に移動し

血中の溶質濃度は急速に上昇することを指す。

深部区画からの溶質除去が増える長時間透析を行えば

"リバウンド"は小さくなる。

頻回透析は

体内の溶質濃度のピーク値は低くなり、変動幅も小さくなる

結果、"生理的"状態(normal physiology)に近づく、というメリットがある。

維持血液透析ガイドライン」の頻回・長時間透析の定義にある

❝頻回長時間血液透析(週5回以上、6時間以上)❞を

今の生活に取り入れるのは、現実的ではない。

したがって

頻回透析といった場合の私の透析時間は"2h~3h"

透析時間が短いと溶質除去は

尿素のような「体液隔壁間移動抵抗」が"小さい"溶質が中心で

深部区画から「体液隔壁間移動抵抗」の"大きい"中分子を十分除去しきれていないため

透析終了後の"リバウンド現象"が生じる。

連日3hの透析では、どの程度"リバウンド"の影響が生じているのか。

そもそも

"リバウンド現象"の具体的な弊害は、どういったものなのか。

私の読む限り「頻回・長時間透析の現状と展望」には

その点述べられていなかったように思う。

現在の私の採血スケジュールは月1回。

採血曜日

週唯一の非透析日である土曜日の"翌日"つまり

「日曜日」の透析開始直後に採血を行う。

あくまで私見ですが

上記スケジュールでの採血の結果は

日曜日~金曜日までの連日3h透析(※日曜日だけ4h)

成果を反映していると考えて差し支えないと思われる。

現状、血液検査に異常値を示す項目は特に見当たらない

よって、"リバウンド現象"のような負の要因が顕在化しているわけではない

ただ、今後

長期間の透析生活によって、色々とほころびが生じる可能性は秘めていると思われ

引き続き注視していく必要はありそうです

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除水

連日透析を行っていれば、透析1回の除水量は少なくてすむので

上記に挙げた「除水について考慮しなければいけないこと」

2項目の影響はあまり受けないと考察される。

強いて気を付けることと言えば

週唯一の非透析日に飲水過多にならないようにすること

ただ、その時は予定透析時間4hを伸ばせばよい

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HDP(Hemodialysis product)の算出

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HDP(Hemodialysis product)は、透析スケジュールに注目した適正透析の指標で

「1回透析時間」×「回数²」

で計算される。つまり

実際の代謝物除去量ではなく

時間と頻度だけで評価される。

  • 施設血液透析での標準的な血液透析(週3回、4時間)
  • 長時間血液透析の一例(週3回、8時間)
  • 現在の私の透析スケジュール(週6回、3時間※週1回のみ4時間)

それぞれのHDPを算出してみると…

  • 36(=3²×4)
  • 72(=3²×8)
  • 108プラスα(=6²×3)

前記事でも述べましたが

HDP(Hemodialysis product)に関してはエビデンスレベルがまだまだ低い状況。

私の現在の「108」という値が具体的に

どこに・どれだけの優位性があるのかは、不明

頻回・長時間透析に関するデータが今後さらに増えることで解析精度は増し

より具体的な評価指数が示されることを期待したい。

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バスキュラーアクセス管理

blood

週6回の頻回透析を行う私が

警戒すべきVA(バスキュラーアクセス)に関するリスクは

注意ポイント

頻回の穿刺や接続による❝VAの荒廃❞

です。

頻回穿刺による

  • 血管損傷
  • 乱流の増加

が、増悪因子として関与していると考えられています。

VAトラブルの内「狭窄」に関しては過去1度経験しておりますが

その時の狭窄は、造設時当初からやや細いと言われていた血管箇所であり

頻回の穿刺や接続による❝VAの荒廃❞

といえるものではありませんでした。

HHD導入開始から丸7年が経過

現在までの血液透析回数は約1800回

週3回の標準血液透析に換算すると既に

"12.5"年経過していることになります

これまで正直

シャントの勉強についてはやや疎かにしてました。

透析患者の腕の資料写真というのは、正直申し上げて少々グロいものもあります。

自分もそうなる可能性があるにも関わらず、見ることを避けていました。

HHDでは患者自身で身体のちょっとした異変に気づく必要があります。

そのための"引き出し"を多くしといて損はありません

今後、当ブログでも積極的に、シャントに関する情報を投稿していこうと思っております。

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まとめ

thanks

前記事でも述べ、重複致しますが…

頻回・長時間透析に関する❝エビデンスレベルが低い❞とされる中

"720人"(わが国の慢性透析療法の現況(2018 年 12 月 31 日現在)より)

私含め、現在HHDを行う患者の責任と役割は、決して小さくはないと思います

まだまだマイナーな頻回・長時間透析医療の未来のために

自らの経験を的確にフィードバックする

そのためには

現在お世話になっている医療施設の医師その他医療従事者と

適切な距離感と、適度な緊張感を保ちつつ

しっかりとした信頼関係を築くことは重要

とは言え

医療者側と患者側との関係性は

一方のみの働きかけで築けるものではありません

ひと昔「「もの言う株主」という言葉が流行りましたが

その意味で我々患者側も

情報に対して受け身一辺倒にならず

自身の受けている医療行為について"能動的"に学び

建設的な「もの言う患者」となるのも

悪いことじゃないと、私は思いますが…いかがでしょうかね?

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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