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在宅血液透析

【在宅透析とトラブル】在宅血液透析でシャント閉塞、その時私がとった行動とは…

2020年7月24日

blockade

シャントトラブル

と一口に言っても、幾つかの種類があります。

日本臨床腎移植学会

❝平成28年度半日集中セミナー❞にて使用されたテキスト

シャント作成とシャントトラブル対処法」には

参考

  • 穿刺困難
  • 狭窄・閉塞
  • 静脈高血圧
  • スティール症候群・過大血流
  • 感染

に区分されております。

血液透析"20年戦士"の方々に比べれば

血液透析たった8年の私など、まだまだ"ヒヨッこ"。

幸いなことに

HHD導入してからの約8年間

上記シャントトラブルに見舞われた回数は、数えるほど。

一度だけ

シャント閉塞」を起こし、VA再造設を行いました。

「シャント閉塞」について

ここでダラダラと書いたところで、あまり意味はない。

多かれ少なかれ

殆どの透析患者は、シャント閉塞の経験はあるでしょうから。

ただ

在宅血液透析患者でシャント閉塞を起こし

閉塞した状態で、在宅で血液透析を試みた

という点は

我ながら稀なケースではないか、と。したがって

当時を振り返り

詳細を記することには、一定程度の価値はあると考え

今回、❝備忘録❞として形に残そうかと思います。

【透析とトラブル】在宅透析でシャント閉塞、その時私がとった行動とは…

シャント閉塞

blockade

時は2015年の7月

シャント肢血管の一部が閉塞しました。

夜19時頃

いつものようにプライミングをし、透析しようと思ったところ

シャントのスリル・スリル音が、ない!😱

(今思えば、「その前に気づかへんのかい!」と思うのですが…)

シャントは、血液透析患者にとっては❝命綱❞

瞬間

何が起こっているのか

頭の整理がすぐにはつかなかったこと、覚えております。

机上では当然の知識として

シャント肢血管が閉塞する可能性について知っていたものの

初めて現実の事として起ってしまうと、真っ先に

「やっちまった!」

そして、焦りと

閉塞してしまった事実を認めたくない、という気持ちが、頭の中をグルグル回り

やるべき具体的行動が、瞬間的には思いつきませんでした

焦った理由の一つに

「前日に透析をしていない」

ということも挙げられます。

当時の透析スケジュールは

  • 週4回(火・木・土・日)
  • 時間4.5h

時は土曜日、つまり前日の金曜日は、透析をしておりません。

在宅で血液透析をしていると

施設透析では当たり前の❝2日連続透析をしない❞ことに

非常に強い抵抗感と危機感があるんですね

したがって

シャント閉塞によって透析が可能か否かの判断よりも先に、頭の中は

とにかく透析をやらないと!

という気持ちが、かなり先走っており

「やらない」という選択肢は、全く頭にありませんでした。

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シャント閉塞状態での血液透析決行

try

脱血不良

穿刺に問題はなし。

通常、血流量は200ml/min

透析時の姿勢は

リクライニングチェアの背もたれをほぼフラットまで倒した仰臥位。

しかし

上記通りの条件で血液ポンプを動かした瞬間

ピローがほぼ❝ペッタンコ❞状態に。そして

「静脈圧下限警報」アラートが鳴り響く

気持ちは焦るばかり。

正直

何が正しい措置なのか皆目検討が使いない、手探り状態が続く

とにかく

❝「静脈圧下限警報」を鳴らさず血液ポンプを回すこと❞

しか頭にない。

この際、血流量は問題ではなかった。

VA(バスキュラーアクセス)箇所が橈骨皮静脈付近なので

脱血側穿刺部位は、前腕の正中。そこで

素人の浅はかな発想ではありますが

腕を❝ぶらり❞と下げれば、血流がVA付近に集まるのでは?

ということで

上体を起こしシャント肢を❝ぶらり❞と下げる

ピローの膨らみ具合を見ながら血流量を下げていく、すると

血流量150ml/minでも「静脈圧下限警報」が鳴らずに

血液ポンプが回ることに、なんとか成功した

血液浄化が出来ているかどうかの不安はあるが

透析機器ディスプレイを見る限り、とりあえず除水は出来ているようだった

気分不快・意識消失

非常に無理な態勢での透析が続く中、3h経過。

気分不快が生じ、油汗が出始めた

今思えば

上体を起こした姿勢での透析が続き

「起立性低血圧」に似た症状に陥ったのでは?と。

気分不快は続き、頭も❝スー❞とした感じ、目の前が朦朧とし

そして意識消失、気を失ってしまった

ただ

前年2014年に起きた意識消失に比べて

短期間&低頻度(1回)の意識消失だったことは幸い。

透析予定時間の4.5hは当然諦め、時間3hで透析終了。

意識消失したこともあったので

返血後、念のため生理食塩水を約50ml注入しました。

やや体調が落ち着いた時点で

HHD管理病院の主治医に連絡、指示を仰ぐことに。

PTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty 経皮的血管形成術)の可能性も述べつつ

週明け月曜日に、当該クリニックに来院することに。

日曜日

翌日曜日も、前日同様の体位で

無理やり2.5hの透析をする。

幸い、この日は意識消失することはなかった。

前述したように

除水出来ているようだが

果たして「血液浄化は出来ているのだろうか?」と

半信半疑でした。

VA(バスキュラーアクセス)にスリル音が無いわけですから

血流量を下げて、腕を下ろし

ピローに無理やり張りをもたせて

「静脈圧下限警報」を鳴らさずに血液ポンプを回したところで

これは所詮

透析を❝やってる気❞になっていただけかもしれません

事実

血液回路を流れる血液の色は

いつもと違って暗褐色でした。(先入観かもしれませんが)

つまり、これは

シャント閉塞で静脈血管内に動脈血は流れ込んでおらず

中枢に戻ろうとする静脈血を無理やり引き込んでいるだけ、かと。

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VA再造設

sugery,operation

月曜日

HHD管理病院へ。

VA付近に抗凝固剤を注入、血栓の溶解を試みるも

血流は回復せず。

その日は主治医による鼠径部穿刺で3.5h透析を行う

火曜日

生体腎移植をした大学付属病院に入院。

シャント肢のエコー検査の結果は

シャント静脈吻合部は明らかな閉塞所見は認めません。

左シャント静脈は、

吻合部から中枢側へ、約20mm程度閉塞し、閉塞部の中枢部は狭窄しています

閉塞部より中枢側のシャント静脈は、内部に血栓の所見は認めません。

つまり

VA付近の血管内一部分に、閉塞が認められたわけです。

この日は、透析なし。

VA再造設手術

水曜日、VAの再造設手術を行う。

初めてVA造設した日の夜は

手を挙上していないと、手が痛くて仕方なかったが

二回目ともなると、それはありませんでした。

翌日

院内で4hの透析を行い、退院の運びとなりました。

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まとめ

thanks

シャント閉塞」の原因として考えられるのは

閉塞前日のゴルフ( ̄▽ ̄;)

久々に友人とゴルフコースに出たのですが

その日はあいにくの雨模様、それでいて蒸し暑い。

熱が籠りやすいウインドブレーカーを着用していたので

知らず知らずのうちに、脱水気味の状態だったのかも。

それが原因で血栓が生じてしまった、と勝手に推察してます。

シャント閉塞が判明したのが、今回たまたま土曜日の夜。

他の曜日であれば、施設血液透析患者の方々同様

すぐに医師の指示のもと、翌日来院

迅速かつ然るべき措置が可能だったかもしれません。

土曜日の夜、つまり翌日曜日は病院が休館で、患者も動きがとれない。

通常なら諦めのつくところ

HHDたったがゆえ

この度のような"稀有な体験"をしたことになりますね。

脱血不良を患者が自力でなんとかしようと

血流量落としたり、上体を起こし腕を下げたり…

こんなことは

HHD患者でなければ、体験できないことでしょうね

今回のように、皆様にご紹介する❝ネタ❞ができたわけですが

だからといって

あんな経験は、もうこりごりです、はい😂。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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