在宅血液透析の"最大のメリット"と言われるのが(参照元:品川ガーデンクリニック)
「十分な透析を行いやすい(緩徐+しっかり+こまめ)」
ただ、残念なことに
- 通院の負担が大幅に減る(月1回のHHD外来のみ?)
- 院内感染のリスクがない
等のメリットに比べると、その利点をイメージしにくい?
体液量管理(飲水管理)/溶質除去、両側面から
イチ在宅血液透析患者として実感しているメリットを、何とか言語化してみましたが…
小難しい話ではなく
在宅血液透析が、日常生活に落とし込まれた時に
患者である私が、"ふっと感じる"メリットってものも、ある。
そんな、"非メディカル"な側面から
在宅血液透析のメリットを、私の独断と偏見で、ご紹介します。
当事者だからこそ感じる、在宅血液透析"非メディカル"側面のメリット
透析終了後、すぐ返血できる
これは、メディカル/非メディカルの折衷的なものかもしれませんが…
通院血液透析経験のない私も
VA造設直後の"導入透析"時(入院で2~3回?)と
在宅血液透析導入トレーニング時(クリニックへ通院、約2カ月?)
通院血液透析の様子(雰囲気)を、見たことはあるのです。
午前の部、昼間の部、夜間の部…
時間帯の分け方は、皆大体こんな感じですかね?
患者毎に、透析開始時刻に多少の時間差は設けているでしょうが
ある時間帯に、どうしても患者様は集中しますよね?
例外を除けば、透析時間は3時間半~4時間といったところか。
そうなると当然
透析の終了時刻が、ほぼ被る患者様が出てくることでしょう。
どこかしこで鳴り響く、透析終了のブザー(メロディー)。
- 標準血液透析(週3回、3時間~6時間未満)では、透析不十分
- できるだけ頻回に、できるだけ長く透析をした方が、良い
等のメディカルな話は、一旦置いといて(※本来は、透析医療のキモなのでしょうが💦)
透析患者様の心理としては
「透析終わったら、早く帰りたい!」
透析終了のブザーが鳴ったら、直ぐ
返血し、抜針・止血し、帰りたいと思うのではないでしょうか。
ただ、スタッフの手にも、限界がある。
コンソールから透析終了のブザーが鳴り響く中
患者様は、スタッフが来るのを、一定時間待たなければいけない(ですよね?)。
さて、これが在宅血液透析となると、どうか。
はい、ご想像通り
透析終了のブザーと、ほぼ同時に
私は、速攻で返血処理に入ります。待ち時間ゼロ。
「通院血液透析」と「在宅血液透析」
複合的に要素の違いが当然あるわけで
返血の待ち時間"だけ"を取り上げて
待ち時間ゼロであることを、在宅血液透析のメリットとすることには
相当、無理があるのは承知しております💦
そらそうです。
「返血、待ち時間ゼロ」を"獲得"するためには
返血処置は、患者自身で行う必要がある
それを言ったら
「在宅血液透析では、血液透析に必要な全ての準備、全ての手技を、患者自身で行う」
という、元も子もない話になってしますね。
ん~、ここまで話してナンですが…メリットではない、か💧
透析中の"お供"の数+ネット環境
透析中の過ごし方は、患者それぞれ。
通院血液透析の場合、多くの患者様は
テレビを見るか、本も読むか、スマホをいじるか、寝るか、ですかね?
施設側がベッドに備え付けてくれてるテレビは別として
本にせよスマホにせよ、通院血液透析の場合は
患者が透析施設に、それらを「持ち込む」必要があります。
在宅血液透析(HHD)では(当たり前ですが)
モノを「持ち込む」という概念は、ありません。(そら、そうです)
かつ、我が家の場合は、Wi-Fi環境が整ってますので、ネット環境も快適です。
我が家の「透析室」のレイアウトは、こんな感じ👇
「備品庫B」"備品庫"と表現しておりますが
元々妻が使用していたブラスチック製の洋服タンス。
その中に穿刺針、ヘパリン、ヘキシジン、FlexPack(ガーゼ等)等を収納。
高さ約70㎝、"屋上"には50㎝×50㎝の"敷地"がありまして
その上には、透析中の「お供達プラスα」が、置きっぱ状態。
- タブレット端末×2(HUAWEI MediaPad T5 10、Kindle Fire HD 8)
- ヘッドフォン🎧
- スマホ
- アルコールティッシュ
- ボックスティッシュ
- ガム&飴(小梅、Werther's Original)
患者好みの温度・湿度設定
これも当たり前ですが
我が家の「透析室」に、患者は私人しかおりません。
"センター集中管理"なんてするような大豪邸に住んでいるわけではないので💦
- 私が暑けりゃ、エアコン温度下げるし
- 私が寒けりゃ、エアコン温度上げる and ファンヒーターを(私に)向ける
- それでも寒きゃ、妻にひざ掛け、タオルケット、毛布等を持ってきてもらう
勿論、同じ空間にいる介助者=妻との兼ね合いはありますが。
おわりに
まだまだ、色々、細々としたことがありそうですが
とりあえず今思いつくものを、あげてみました。
ただ、結局は先述したように、各種メリットを享受するため
「在宅血液透析では、血液透析に必要な全ての準備、全ての手技を、患者自身で行う」
という、大・大・大前提があり
話を全て"ちゃぶ台返し"してしまうわけでして…
「こんな話、意味ねーよ!!」
ごもっともな意見ですが
在宅血液透析が、患者の実生活に落とし込まれた様子の一端を
感じてもらえたら、と思い、お話しました。
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