在宅透析8年目の私が、2002年の自身の生体腎移植手術を、
当時の日記を通して、振り返える、この企画。
理由については、
在宅透析患者が、過去の腎臓移植手術を振り返る(エピソード0)
をご参照下さい。
今回が最終章、手術後20日目から退院前日まで。
【腎移植患者の日記】腎臓移植手術を振り返る(手術後20日目~退院前日)
本日よりプレドニンが5㎎減の15㎎
昨日同様、体調の変化はなし。これでよし。
夕食より2000kcalのメニューに。米はおかゆからどんぶり飯に変わり、おかずの量も多い。これで徐々に体重が回復すればいいが。
明日はネオーラル血中濃度採血が2回(内一回は予備採血あり、これはサイトメガロウイルス・真菌検査分)、尿検査、レントゲンの予定。
ここまでは本当に順調。最後の山をなんとか乗り切りたいものだ。
2002年12月某日
午前中、採血2回(7時ネオーラル服用前、予備採血含む・9時)。
14時頃、△△先生回診により結果報告。
クレアチニン1.5、ヘマトクリット26
クレアチニンに関しては、1.4~1.6で推移しており順調。ヘマトクリットは今後徐々に上がっていくとのこと。
炎症反応殆どなし。
早朝尿検査の結果、特に細菌は見られず。
拒絶反応について。
自覚症状として尿量減少・体温上昇・体重増加・血圧上昇が挙げられる。
尿量減少と体重増加は、特に相関関係にある。
つまり、尿量が減るということは、その分(水分)が体内に貯留してること、その結果が体重増加として現れる。
関節(膝)の痛みは、上記の様な症状の後に出てくるものであるため、さほど気にするものではないとのこと。
夕方、△△・□□両先生を従え○○先生の回診。
ネオーラルは現状の240㎎でいく。プレドニンは26日より3日間10㎎、30日以降は5㎎に。
真菌・サイトメガロウイルスの結果はまだだが、それ以外は非常に順調。これから数日の間に症状が急に変わるようなことはないだろう。
予定通り27日退院し、年明け6日に一度来院。採血等行い、次回の腎生検の段取りを決めるという。
後は、とにもかくにも風邪(感染症)を気を付けるだけ!
正確には明日が術後3週目であるが、その前日に先生よりお墨付きを頂いた形となった。
まず第一段階の山を越えることができたようであり、それはそれとして素直に喜んでもいいだろう。
次は1ヶ月。急性拒絶反応、サイトメガロウイルス等の感染症の危険性は常に付きまとったまま。
安心することなく、確実に自分の出来ることをしよう。
2002年12月某日
夕方○○先生回診。
月曜採血での真菌検査はマイナス(つまり感染なし)。サイトメガロの結果は明日以降か。
ただ、現時点で発熱等がないので、おそらく大丈夫ではないか。
レントゲン結果では、心臓負担なし、腸の動きも良好とのこと。
金曜日の午前中に最後の採血(ネオーラル血中濃度、一般的腎機能)をし、午後2時頃結果報告を受け、退院の運びとなる予定。
正真正銘、今日が術後3週目。落ち着いた一日だった。
「3週間!3週間!」と言い聞かせ毎日を送っていた中で迎えた今日。
やはりなんとなくホッとしたのか、日中は少々ボ~っとしてしまった。まあ今日ぐらい、それもいいでしょう。
明日から新たな区切り「術後1ヶ月」のクリアを目標に。
今までと決定的に違うことは、言うまでもなく病院ではなく自宅で過ごすということ。より一層の自己管理が必要となる。
ただ、特別なことをすることはない。入院生活で身についた自己管理のルーティーンを、自宅でも行えばよいだけ。
2002年12月某日
本日もサイトメガロウイルスの結果は判らず。
本日より、プレドニンが朝一回の10㎎に。
夕方の○○先生の回診で、明日午後の退院が確実なものとなった。
午前中2回の採血(ネオーラル血中濃度検査、腎機能検査)をし、昼過ぎにその一部結果報告を受け、退院の運びとなる予定。
2002年12月某日
補足
年内の退院へ向け、
順調な入院生活を送っている様子が、うかがえます。
しかし、
前回記事でも申し上げましたように、これは
"嵐の前の静けさ"
だったんですね。
「急性拒絶反応」と「サイトメガロウイルス感染症」
に関して、知識としては理解していました。
この二つが、腎移植において一番難しい局面であることも、
頭では分かってたつもりです。
でも、比較的落ち着いた日々が続くと、
「このまま、何もなく、いけちゃうんじゃ??」
と思ったことも。(油断はしてないんですよ、もちろん。)
いずれにしても、
約1カ月にわたる入院生活が、"一旦"終わりました。
次回、患者(自分)の心の変化を軸に、
2002年の腎臓移植手術と、前後の入院生活を総括してみたいと思います。
謝辞
「"腎生"を善く生きる」と銘打って始めたこのブログ。
在宅透析だけじゃない、
腎臓移植だけじゃない、
その両方を経験した私だから感じる「なにか」があるはず。
したがって、
ブログ開始初期に、2002年の腎臓移植手術を振り返ることは、
私にとって必要なことでした。
もし、読者の方々を置き去りにしてしまっていたなら、
ここに、お詫び申し上げます。
それでも、「入院日記」の全てに目を通された方々。
他人の日記を読むなど、こんな退屈なこと、ないですよね(笑)。
本当にお疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。