在宅透析8年目の私が、2002年の自身の生体腎移植手術を振り返ります。
理由については、
在宅透析患者が、過去の腎臓移植手術を振り返る(エピソード0)
をご参照下さい。
「入院日記」ですが、意外とページ数がありましたので、複数回に分けて投稿いたします。
内容を選別しようかとも思いましたが、現在の自分のバイアスがかかってしまうのは良くないと思い、全てご紹介することにします。
飽きたら、読み飛ばして下さい(笑)
【腎移植患者の日記】腎臓移植手術を振り返る(入院初日~)
入院初日。
病院側の都合により、初日から個室での入院生活となった。
費用はかさむが、やはり個室の方が快適と思われる。
今日は検査はなく、これからの長期入院生活の為の室内レイアウトと、専属ナースによるヒアリングのみ。
ただ、そのヒアリングで手渡された「腎移植の手引き」が・・・
ある程度の覚悟はしていたつもりであったが、その思惑を遥かに凌ぐ凄まじさ。
術直後に予想される様は、まさに、人間スパゲティー状態。
術前も、〇曜日に行われる(予定)人工透析を皮切りに、手術本番へ向けての「人体チューニング」が日々行われる。
これらに加え、感染防止等のことも考えると、結果として個室で正解という気もする。
面会人がいなくなった後は、さすがに寂しくなるが・・・
当面のハードルは初回の人工透析となる。腕の動静脈を利用するか、内頚動脈を利用するか。
素人目には「首はちょっと・・・」と思うのだが、先生の指示に従うしかない。ふぅ~
2002年11月某日
暇な一日でしたね。
予定されていたレントゲンも、結局夕方近くになり、その間はDVD鑑賞や読書で過ごしました。
ぼ~としながら「嗚呼~こんなにボ~ってしていられんのも、あと2日だろうな~」なんて思っていたのですが、
急遽(※実は最初から?)〇曜日に予定していた初人工透析が、明日行うことになり、「あと二日」の思惑は見事に覆されました。
人工透析ですが、初回ということもあり、予定では3時間程度。腕の動静脈に針を刺すとの事です。
一体、その痛みはいかほどのものなのだろうか?医師・ナースの言う「痛い」はどの程度のものを指すんだろう?検討もつかず、不安が募るだけですね~
3時間とはいえ、初回ということもあり、若干の頭痛や吐き気、血圧の変動は予想されるところだそうです。
でも、この程度で参ってちゃ、この先の試練には打ち勝てんでしょう!気合で難なくこなしてやる!!
全く、言うは安しです・・・はぁ~
追伸
姉の買ってきてくれたCDのおかげで、室内の「無音状態」は解消されました。
2002年11月某日
まさか、朝っぱらから「動脈採血」やるなんて・・・
太もも付け根の大腿動脈よりの採血。針が垂直に刺される経験なんていままでなかった。
検査入院時の母を想像し、どれほどの痛みなのかビクビクしていたが、意外と痛みはなく一安心。
さて、いよいよ初透析。
腎センター内に横たわって透析を受けている患者さんを見ると、非常に不安感をを覚えた。
大いに懸念されていた上腕動脈への直接穿刺は、〇〇先生のスキルフルな一刺しにより、最小限の痛みにおさまった。
あとは、物々しい器械で「血液洗浄」を行うわけだが、自分の目と鼻の先で、己の身体から出た血液がグルグル回って、 さらに己に流れ込む様を見ると、なんとも不可思議な感覚に襲われる。
3時間の透析時間は、正直長く感じられた。慣れれば寝てしまったりできるのだが、今回は流石に・・・
今もって、腕には鈍痛が残るものの、素人的には「頸よりはまし」と、なぜかホッとする。
朗報(?)は、この感じであれば、術直後2回の透析も、頸ではなく腕から出来るようだということ。あとは、今日同様に〇〇先生が穿刺してくれることを祈るばかりです。
明日はのんびりできるかな~?
2002年11月某日
補足
若いですね~
日常を少々ドラマティックに描こうとする意図を感じますが、「彼」はきっと、心中不安で不安で、日記の中の「ストーリー」に入ることで、メンタルバランスを保とうとしていたんだと、思います。
特に、透析未経験だったので、
手術よりもまず、術前の透析が、メンタルの面で最初の山だったこと、覚えてます。