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介助者 在宅血液透析

【在宅透析と介助者】在宅血液透析における介助者の役割(分業制による"弊害")

2021年4月1日

quarrel,

公益社団法人 日本透析医会の、在宅血液透析に関するガイドライン

在宅血液透析管理マニュアル(P2)には

II. 在宅血液透析の適応

(省略)

② 介助者が確保され、同意していること。

とあることから分かるように

HHDを導入するには、介助者が必置です。

同管理マニュアル内を見渡しても

介助者の役割は重要且つ、多岐に渡ることは明白です。

在宅血液透析導入丸8年(2021年10月現在)

私の介助者は"配偶者"である妻

毎日のHHD介助してくれる妻には、ただただ感謝しかございません。

しかしながら、HHD云々の前に「夫婦」ですからね

そりゃ、色々ありますよ💦

今回はその"色々ある"一端をお話できればと思います。

テーマは『分業制による"弊害"』です。


【在宅透析と介助者】在宅血液透析における介助者の役割(分業制による"弊害")

原則

在宅血液透析管理マニュアルには、「在宅血液透析の定義」を

2) 在宅血液透析の定義
在宅血液透析は、患者及び介助者が、医療施設において十分な教育訓練を受けた上で、医療施設の指示に従い、1 人に対して 1 台患者居宅に設置された透析機器を用い、患者居宅で行う血液透析治療である。(以下中略)

(引用元:公益社団法人 日本透析医会『在宅血液透析管理マニュアル』)

また「介助者の教育訓練」に関する記述も幾つかございます。

② 介助者が確保され、同意していること。
(中略)
1~2 名を限定し、患者と共に教育訓練を受ける必要がある

④ 教育訓練を受けることができること。
安全を確保するためには,一定期間の教育が必要であり、患者・介助者ともに訓練の為の時間を確保できること

(引用元:公益社団法人 日本透析医会『在宅血液透析管理マニュアル』)

これらを拝見すると、HHD導入には介助者の教育訓練も"マスト"のように見えますが

実際、現在私のHHDを管理して頂いている医療施設は、導入前

"HHDに関わる全てを患者本人で行う"ことを前提に

"HHDに関わる全てを患者本人で行える"よう、患者本人"のみ"が教育訓練を行います

つまり

「介助者の教育訓練」は"マスト"ではありませんでした。

もしかしたら"case by case"

患者サイドが希望すれば「介助者の教育訓練」も行っているかもしれませんが(未確認)

少なくとも私の場合は、トレーニングは患者である私"のみ"でした。

したがって、私の場合はHHD導入から現在に至るまで

"原則"HHDに関わる全ての手技/業務は、私が担います。

しかしながら

これは"慣れ"ではないのですが…

日々のHHDの中で、ちょっとずつ

「あれ取って、これ取って」的なことが、徐々に多くなってきまして

現在では

介助者である妻が"全て"を担っていると言っても過言ではないHHD業務も、あります。

それら"例外事項"について、次にお話して参ります。

注意!!

「介助者である妻が"全て"を担っている」と申し上げましたが、あくまでそれは

「患者である私の"指示の下"で行っている」ことは前提です。

誤解無きようお願い致します。

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例外

「介助者の教育訓練」を"マスト"とする(ように見える)在宅血液透析管理マニュアルには

"② 介助者が確保され、同意していること。"

の後に下記のような記述が続きます。

介助者は、患者がどうしてもできないところを補助し、患者から指示を受けて操作を行う。患者が指示を出せないような緊急事態が発生した時は、血液ポンプを止めて病院へ連絡するなどの役割を担う。

(引用元:公益社団法人 日本透析医会『在宅血液透析管理マニュアル』)

ブログ開設当初の記事で、私は「在宅血液透析の流れ(準備から就寝まで)」をザックリ

除菌作業(手洗い、テーブル、リクライニングチェア等)
プライミング Part.1
入浴
食事
休憩
プライミング Part.2
体重測定
除水量計算、除水量入力
バイタルチェック
穿刺
穿刺部と血液回路との接続
透析開始
(透析中)
透析終了、返血
抜針、止血
体重測定
後片付け、透析機械洗浄
休憩、就寝

こうご紹介しました。

※ブログ開設当初の「在宅血液透析の流れ」は、いたずらに記事が散在しておりまして…

後に、HHDの流れを一記事にまとめておりますので

ご興味ある方は、そちらをご参照下さいませ。

現在、私のHHDにおいて

介助者である妻の"介助"を要しているのは…

  • 穿刺
  • 穿刺部と血液回路との接続
  • 透析開始
  • (透析中)
  • 透析終了、返血
  • 抜針、止血
  • 後片付け、透析機械洗浄

です。

穿刺

もちろん自己穿刺"そのもの"は、私自身で行います!

介助してもらっているのは

穿刺後にクランピングチューブをテープ止めをする、その

テープを"用意"してもらってます。

"用意"というのは

予めテープを切ったり剥がしたりしてもらう、ということです。

穿刺部と血液回路との接続

穿刺部位と血液回路とを接続するフェーズは穿刺同様、非常に緊張感があります。

患者としては穿刺部位からの流血を防ぐための"鉗子操作"に注力したいところ。

クランピングチューブのキャップを外せば、"外の世界と中の世界"とを隔てるのは鉗子のみ

その緊張状態での血液回路との接続

そこで介助者である妻には、アクセスライン(血液回路)のキャップを

私がアクセスラインを持った瞬間に"外して"貰ってます、つまり

アクセスラインのキャップを患者である私自ら外す手間が省けるわけです。

透析開始(透析中)透析終了

透析開始~透析中~透析終了

基本1h毎にバイタルを測定し、結果を経過表に記入します。

血圧計のカフは、患者である私一人でも装着できるよう

予め"丸まって"はいるのですが(スポッと腕を入れるだけ)

今では妻に"丸まっている"カフを腕に装着してもらってます。また

バイタルの結果も、妻が経過表に記入してくれてます。

※もちろん妻が"できない"時は、当然私が一人で全て行います(詳細を後程)

返血

透析が終了し返血をするには、透析機器のディスプレイ操作が必要。

しかし、リクライニングチェアで仰臥位状態の患者は、そのままでは手がディスプレイまで届かない。

導入当初は患者である私自ら立ち上がって、ディスプレイ操作をしておりました。

ただ、できることなら

透析終了直後の血圧低下等、気分不快を考えると

患者としては仰臥位のままで返血できるのがベター、そこで

私の指示のもと、返血に必要なディスプレイ操作は妻が行ってます。

これにより私は仰臥位状態、返血時に必要な鉗子操作のみに注力できています。

抜針、止血

私の「抜針/止血」方法については、下記ブログをご参照下さい👇

私の抜針/止血の"流派"は「非シャント肢型」です。

(詳細は上記ブログをご参照頂きたいのですが…)

クランピングチューブを人差し指・中指でつまんで針を抜いた刹那

親指に力をこめ止血部位に圧迫を加えるわけですが

血液回路に接続されているクランピングチューブを人差し指・中指でつまんで抜いた後

そのまま人差し指・中指を離せばいいだけの話ですが

無造作に置かれたクランピングチューブから"液体(血液+生食)"が飛び散ること暫し。

それが個人的に嫌だったので…

今では、クランピングチューブを人差し指・中指でつまんで抜いた後

妻に"バトンタッチ"するように、クランピングチューブの受け渡しをしています。

後片付け、透析機械洗浄

もちろん

HHD導入当初は、私が後片付け及び透析機械洗浄(ボタンを押す)も行っておりましたが

それだと、患者である私の、止血をはじめ

もし気分不快があれば、体調が整うまで後片付け以降の工程がストップします。

私が止血している間に

「排液~後片付け(透析備品の機器からの取り外し等)」を介助者である妻がやって頂ければ…

ということで

時間をかけながら、妻には同工程を覚えていって貰いまして

今では、私の"指示"無しで完璧に作業を遂行しております。

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無用なストレス

原則は、HHDに関わる全てを患者である私が行う

一部業務を妻が行っているのは、あくまで例外。

したがって

妻が業務の手順を間違えたりしたら、それは私の責任であり

いわんや、私が"怒る"など、筋違いもいいとこ。

ですけどね…私も【成人君主】ではないんでね💦

介助者である妻は、会社員として日中フルタイム勤務をして帰宅

そこから私のHHD介助業務を行います。

起床時間は朝5時頃

私のHHDの進捗具合で就寝時間が深夜2時近くなることも

そりゃ、透析中眠くもなるし、実際寝ますよ。

昨年末私のHD中、妻は一度"気絶"してるんですね。

原因は(恐らくですけど)起立性低血圧"的"な感じ

寝ている状態から急に起き上がったところ、気を失った訳です

(ここでは詳細は割愛致しますが…)

そのこともあり、最近は

警報が鳴った時、バイタル計測のタイミング等

妻に"介助"をお願いしたい場面でも、妻が疲労で眠っている時は

極力起こさないようにしてます。

それでも妻は、自分が気づいた時には、眠い目を擦り

HDしている私のもとに来てくれる。ただ…

たま~に"寝ぼけた"状態で来るんですよ💦

寝ぼけてるんで、作業手順が違ったり、作業そのものが"疎か"になったりする。

繰り返しになりますが

HHDに関わる全てを患者である私が行うことが、大原則なので

寝ぼけていようが

妻が作業手順誤ったり作業そのものが"疎か"になったりするのは、私の責任。

ですけどね…私も【成人君主】ではないんでね💦(2度目)

イラッとしちゃんですよ「違うだろ!!」って(口には出さないですよ)

医療者の監視下から外れた場所での血液透析

一歩間違えれば、大事故に繋がる危険性はある。

したがって、私としてはHDの間、準備から後片付けに至るまでの全行程で

常に緊張感を持って行っています

その張り詰めたメンタルの反動が、時に出ちゃうんですね。

部屋の空気、悪くなるんですよ…

後悔の念、自己嫌悪

分業制を敷かなければ、こんなことは起きないわけです。

分業制を敷いているからこそ、起きる軋轢。

コトある度に考えます「やっぱ全部自分でやるべきかな」と。

でも、やはり妻の介助があるのと無いのとでは

全然"業務負荷"が違うんですね。したがって

考えはしますが、結局"元の鞘に収まる"わけです。

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まとめ

繰り返し申し上げますが

在宅血液透析患者にとって、介助者は不可欠です。

患者と介助者

HHDにおいては、謂わば一心同体

HHDを導入するということ、そしてHHD患者の介助者になるということ

患者自身も介助者となる者も

色々なコトを背負う、色々なことを許容する

大袈裟に言えば"覚悟"のようなものが必要だと思います

しかし、導入前には

中々イメージできませんよね。

その意味で(手前味噌になりますが…)私の

"在宅血液透析患者並びに腎移植に関する患者目線でのLIVE感ある情報"

これらを発信する意味・意義はあると思うんですね。

私の"一方通行"の情報発信ではありますが

その僅かでも、必要とする方々に響けば、と

それが今の私のモチベーションです。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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