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介助者 在宅血液透析

【在宅透析と介助者】在宅血液透析導入は「新しい生活様式」移行への家族の理解・協力が不可欠

2020年6月9日

couple,partner,

公益社団法人 日本透析医会の、在宅血液透析に関するガイドライン

在宅血液透析管理マニュアル(P2)には

2) 在宅血液透析の定義
在宅血液透析は、患者および1名以上の介助者が、医療施設において十分な教育訓練を受けた上で、医療施設の指示に従い、原則1 人に対して 1 台患者居宅に設置された透析機器を用い、患者居宅で行う血液透析治療である。(以下中略)

(引用元:公益社団法人日本透析医会『在宅血液透析管理マニュアル(改定版)(令和2年8月31日発行))』

とあることから分かるように

HHDを導入するには、介助者が必置です。

同管理マニュアル内を見渡しても

介助者の役割は重要且つ、多岐に渡ることは明白です。

在宅血液透析を導入して丸8年(2021年10月現在)。

実際に経験している者として、確実に申し上げられることは

在宅血液透析導入は、患者自身だけでなく

❝その介助者の人生をも変える❞

ということです。

決してネガティブな側面のみを申し上げているわけではありませんが

従来の生活様式に変化が求められること必然である、ということです。

その変化により、家族がポジティブに傾くかネガティブに傾くか、そこは

家族間の関係性、周囲の環境等、要因は様々。

そこで今回は、在宅血液透析の介助者に

ポイント

  • 求められる変化
  • もたらされる変化

について

これまで私(私たち)が経験し、感じたこと

ご紹介していきたいと思います。

現在、在宅血液透析導入を検討されている患者様ご本人だけでなく

そのご家族、配偶者、パートナーの方々の一助となれば、幸いです

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【在宅透析と介助者】HHD導入による「新しい生活様式」への移行は家族の理解・協力が不可欠

couple,partner,

我が家の在宅血液透析導入までの経緯

妻とは、在宅血液透析導入の約2年前に入籍しました。

移植腎の機能が著しく低下傾向にあった頃は、精神的にも肉体的にもキツい時期で

新居の場所選定の基準も、不測の事態を考え

私の実家近く、というもの。

まあ、妻の実家にも近いんですけど。

入院の頻度も高くなり、結婚当初から妻には心配をかけていました。

当ブログで何度がご説明申し上げておりますが

私の場合は、施設血液透析を経ず、在宅血液透析を導入しました。

いざ、HHD導入を決意した時

もちろん賃貸物件でも導入可能な旨は、管理病院からご説明ありましたが

スペースや工事のことを考えると、持ち家である実家での導入が規定路線

実家でのHHD導入するということは、つまり妻は

私の両親と同居する、ということに当然なります。

いずれは、という話は妻とはしておりましたが

結婚2年目、こんなに早く現実になるとは

私も妻も、思ってもみなかったです。

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介助者に求められる変化、もたらされる変化

ライフスタイルの変化

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プライベート面の制約

男性・女性問わず、たまには息抜きに

友人や職場の同僚と食事や飲みにいったり

健康のためリフレッシュのため、ジムに行って汗を流したり

プラっとウインドウショッピングしたり・・・

周囲の人との兼ね合いはもちろんありましょうが、基本的に

日々の行動は、自身の都合・計画で組み調整するものだと思います。

しかし

家族の者、配偶者、パートナーが在宅血液透析患者となり、自身が介助者となったら

日々の行動計画を立てる際の優先順位に、どうしても変化は生じると思います。

普通のオフィスレディ(サラリーマン)であれば、退社後

買い物いったり、仕事仲間と食事や飲みに行くこともあるでしょう。

趣味があれば、例えばジムに行ったり習い事したり。

そんな普通のことが、今まで通り、というわけにはいかなくなる可能性があります。

在宅血液透析のスケジュールは、患者それぞれ違う

一つ言えることは

施設血液透析の標準血液透析「週3回4時間」のスケジュールそのままで

在宅血液透析を行う患者さんは、いらっしゃらないと思います

メモ

  • 毎日短時間の透析をする人
  • 毎日長時間の透析をする人
  • 隔日で長時間透析する人

メモ

  • 日中やる人
  • 夜やる人

(ここでは、在宅でのオーバーナイトは考えません。私の管理病院では、原則禁止しているので。)

透析をする患者の都合に合わせるか、介助者の都合に合わせるか

そこは、各々の価値観を時間をかけてすり合わせていく必要はあり、結果

どれが正解というものではないかと思いますが

いち患者の立場から❝ざっくばらんな❞意見を言わせてもらえれば

介助者側から

「透析日程は、私の(俺の)都合に合わせてよね」

と言われるのは、想像しただけでキツイっす・・・

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仕事面の制約

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現代は、ビジネスの場で中心的役割をはたしている女性が

多くいらっしゃると思います。

男性が自分の妻を紹介するとき使われていた「家内」などという言葉は

もはや死語(ですよね)。

もちろん、まだまだ女性進出が十分なされているとは言い難い職種、業種はあるようですが。

(この辺り専門外なので無責任な発言は控えます)

いわゆる「仕事と家庭の両立」

今では多くの女性が(男性が)

もちろん自身の努力によることは当然として

パートナーの協力、所属する会社側の配慮等も手伝って

その両立を果たしていること、推察されます。

しかし

こと在宅血液透析の介助者になった場合を想定する

正直、状況が一変すること予想されます。

自身の仕事に対する思いや誇り、責任感などが強い方であればあるほど

いざ自身が在宅血液透析の介助者となる、なったとき

従来通りのウエイトを仕事に置き続けることが可能かどうか

「不可能」とはもちろん、私の口から軽々しいことは言えませんが

これまで我々夫婦が過ごした在宅血液透析生活を振り返ると

決して簡単ではないかな、と。

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我が家の場合
プライベート面について

私の妻は、どちらかと言えばインドア派、かつスポーツは苦手。

もともとランニングをしたりジムで汗をかくような❝キャラ❞ではない。

退社後、買い物いったり、仕事仲間と食事や飲みにいくことは、あったでしょうけど。

ただ、介助者になるにあたって「この趣味を断念した」というものは

たぶん、なかったと思います。

それでも、会社の年中行事

新年会、忘年会、歓送迎会。

出席必須の場合は、彼女が出席できるよう(その日を非透析日にするよう)

前もって透析スケジュールを微調整してます

仕事面について

妻の本音のところをここで断言することは出来ませんが・・・

もちろん、仕事に対して常に真摯に取り組む姿勢は持っていることは当然ですが

とはいえ❝仕事に生きる❞タイプではなさそうです( ̄▽ ̄;)

幸い?といっては語弊がありますが

特別な専門知識・技術、資格等を有する専門的職業についているわけではないので

職場環境を変えやすいとはいえます(社会情勢等はここでは考慮しません)。

現在はいわゆる営業事務職。

会社側から任せられた自分の持ち場については、責任をもって全うしつつ

会社側のご配慮を頂く形で

定時帰りを基本的に許容させて頂いております。

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肉体的・精神的負担

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精神的負担

透析中、不測の事態が起らないよう

基本的には、患者自身である私が十二分に注意をすることが前提ではありますが

それでも

自己穿刺、透析が開始され予定時間が終了

針を抜き止血し、バイタルの安定が確認できるまで

それをそばで見守る介助者の精神的ストレスが

心の底から解放されることは、ないと思います。

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肉体的負担

仕事に関する外での役割に加え、帰宅してからの家庭内の役割というもの

男女問わずお持ちかと思います。

仕事が終わって精神的・肉体的に疲労した状態でも

それらの役割を放棄することは出来ません。

(都度、パートナーと調整する、と言った方が適切ですかね)

この点は、HHDの介助者云々の話とは関係なく

世の人たち誰しもがもつ❝義務と責任❞を

各々問題を抱えながら遂行していることでしょう。

ただ、そこに+αとして「HHDの介助業務」がある、という状況

なかなかイメージし難いことでしょう。

「嗚呼~疲れた!今日は透析止めてくれる!私(俺)無理だわ」

というわけには、ん~・・・

もちろん、どうしても無理の場合は、調整できなくはないですけど。

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我が家の場合
精神的負担

在宅血液透析の介助者としての精神的負担、という前に

私の妻の場合は、予定よりも早く私の両親と同居になった、という

別の意味での精神的負担。

私はただ慣れ親しんだ実家に戻るだけですが、彼女は違います。

試運転があったところで違いはあったかは不明ですが

やや急展開であったことは確かで、そのストレスはあったことでしょう。

ただ、私の両親もそのあたりは気を遣ってくれたのか

我々のプライベートスペースを確保するよう、二階を少しリフォームし

キッチンをつけてくれました。これは大きかったかな、と。

肉体的負担

どんなに仕事で疲れて帰ってこようと、配偶者である私の透析は毎日あるわけです

私の場合夜の3時間。

彼女は、定時で帰宅してからすぐ入浴、夕食を済ませても

透析終了、後片付けまで終わって

寝る時間は、ほぼ毎日深夜1時は確実に過ぎます

電車(三駅)+バスという、比較的❝近距離通勤❞でも、この状況。

どんなに仕事で疲れていても

透析中不測の事態がおきれば、それに反応しなくてはならない

透析中、患者側である私の立場としては

妻には常に起きていて欲しいのやまやまなのですが

どうしても疲れ切って座ったまま寝てしまっていたり

その場でバタンと寝てしまっていることも、どうしてもあります。

そのまま寝かせてあげたい思いはありつつ

アラートのブザーが鳴ったり、バイタルを測る時間が来たら

声をかけて起こさざるをえません。

少々寝ぼけて千鳥足でこちらに向かってくることもありますが

無理もありません。

補足

(【まとめ】と一部重複しますが…)

数年前、介助者である妻が一度

透析中に"失神"したことがあります(おそらく起立性低血圧)。

この辺りの詳細は、下記ブログをご参照頂きたいのですが👇

それ以降、妻が疲れて"寝落ち"してしまっている時は

無理に(急に)起こすことはしません。

全ての手技を患者である私が行うのは基本です。

アラートのブザーが鳴ったり、バイタルを測る時間が来たからといって

わざわざ妻を起こす必要は、本来はないわけです。

自分でできることは、自分でする(Do it yourself)。

当たり前の状態に戻った、と言ってもいいのではないでしょうか。

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まとめ

thanks,

実は最近、妻が

透析中に突然、失神してバタッと倒れてしまうことがありました。

(詳細はここでは伏せますが)

透析中の私の手の届くところではあったにせよ

透析機器に繋がれている私の出来ることは、限られています。

幸い、一階にいる私の母が起きていて、駆け付けてくれたので

大事には至りませんでした。

この事実については、私以上に、彼女自身がショックと責任を感じている様子。

いつになく「早く検査しないと」との思いがあるようです。

在宅血液透析導入時

全ての工程を患者自身で行うようトレーニングは行っておりますが

改めて

この治療は患者一人では成り立たない

介助者あって初めて続けられるのだ

という、当たり前のことを痛感しております。

「在宅血液透析ってイイですか?やった方がイイですよね?」

と聞かれた場合、安易に

「もちろん!やった方がイイですよ、最高です!」

とは、言えない自分がおります。その理由として

患者本人の責任の重さ(自己管理の徹底)だけでなく

今回ご紹介した

介助者の人生をも変える

という点も、大いにあるのです。

HHD導入ご検討の方は、その点十分留意して。

いち経験者の経験談として、頭の片隅にでも置いて下されば、幸いです。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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