"外科医けいゆう"こと山本健人医師
医療情報サイト『外科医の視点』運営
Twitterフォロワー数は8万をゆうに超える(2021年2月時点)
その界隈では非常に影響力のあるお方。
(引用元:『外科医の視点』)
同医師が先日、Twitter上で
「情報発信」に関し、非常に示唆に富んだ内容のツイートをされておりました。
これは自戒でもあるけど、最近の医療情報発信はフロー型に偏りつつあると感じる。確かにフローの方が派手で目立ち「役に立っている感」を得やすい。だが本当に困った人が検索してたどり着くのはストック型。地味で"バズらない"情報サイトやブログ記事、書籍などは、長期的に誰かの役に立ち続けている。
— 外科医けいゆう|Takehito Yamamoto(山本健人) (@keiyou30) February 3, 2021
フロー型によって、畑を耕すように普段からリテラシーを高め、有事に備えるのももちろん大切。
でも有事の際に役立つのはストック型。
患者さんに何を調べたか聞くと分かる。病気になってからは、ピンポイントの検索ワードでストック型コンテンツを探しに行く。静かで、バズらない発信にたどり着く。— 外科医けいゆう|Takehito Yamamoto(山本健人) (@keiyou30) February 3, 2021
ストック型発信は「役に立っている感」を得にくい。承認欲求は満たされにくく、目立たない。だが、短期の話題で終わらず、道の駅のように、そこを通る人たちのニーズを半永久的に満たし続ける。
こういう発信も本当に大切だし、そこで頑張っている人たちがたくさんいる。それを忘れてはいけない。— 外科医けいゆう|Takehito Yamamoto(山本健人) (@keiyou30) February 3, 2021
激しく同意させられる内容で、素人の私などはただただ関心。
おそらく同発言内容は山本医師の同業者つまり
医師並びに他の医療従事者へ向けたものと推察します。
そう考えた時、同発言内容を私のような
"イチ素人"&"イチ患者"
の立場から再考してみると、別の視点が湧いてまいりまして
僭越ながら、"イチ素人イチ患者"なりの考えをいくつかリプライさせて頂きました。
今回は、その内容の真意を少し細かくご説明申し上げようと思います。
【医療情報と患者】『フロー型情報』と『ストック型情報』、患者にとってはどちらも大事
『フロー型情報』と『ストック型情報』とは
"フロー"と"ストック"
そもそも
- "フロー"とは何を意味するのか?
- "ストック"とは何も意味するのか?
「そんなもん、知っとるわ!!」
と言われそうですが💦一応ご説明します。
私が「中小企業診断士試験』受験時に(落ちましたけど…)使用した参考書
石川秀樹著『速習!マクロ経済学』によりますと
[su_box title="定義" style="soft" box_color="#10c0fd"]
- "フロー"とは、一定期間における変化量
- "ストック"とは、ある時点における存在量(残高)
[/su_box]
を意味すると記述されています。
[su_note note_color="#fefbdf"]
※石川秀樹著『速習!マクロ経済学』今は"2nd edition"が発刊されているようです。
予備校さながらの授業が全て、YouTubeで無料で見れます。
その点考えると、書籍代は安い買い物だと思いますよ。
[/su_note]
同書では"フロー"と"ストック"の違いを「水道」で例えています。
水道から一定期間流れる水の量は、一定期間における変化量ですからフロー
水がたまった量は、ある一時点での存在量ですからストック
(引用元:石川秀樹著『速習!マクロ経済学』)
"経済学"に落とし込んで考えると(大そうなことじゃないですが💦)
- 「生産量」や「消費量」は"フロー"
- 「資産」や「負債」、人口は"ストック"
となります。
『フロー型情報』と『ストック型情報』
フロー"型情報"とストック"型情報"となると
どのような意味合いを持つのでしょうか?
[su_note note_color="#dffef8"]
フローは英語でFlowつまり"流れ"ですので
日々テレビや新聞紙面を"流れる"ニュースや
Twitterはじめ、各種SNSの"タイムライン"の類は『フロー型情報』
[/su_note]
[su_note note_color="#e6fedf"]
ストックは英語でStockつまり"貯める、蓄積"ですので
書籍やデータベースは『ストック型情報』
[/su_note]
少々微妙な立ち位置をとるのが「ブログ」。
その日その日の出来事を徒然に書くようなブログは『フロー型情報』でしょうし
普遍的なテーマを深掘りして書き上げたブログは『ストック型情報』と言えるかもしれません。
患者は『フロー型情報』も『ストック型情報』も必要としている
さて、話を冒頭にご紹介した山本健人医師のツイートに戻しましょう。
このツイートで山本健人医師が"同業者"の方々へ伝えたかったことは…
(勝手にサマリーしてすみません)
最近の医療情報発信はフロー型に偏りつつある。
確かにフローの方が派手で目立ち「役に立っている感」を得やすい一方で
ストック型発信は「役に立っている感」を得にくい。承認欲求は満たされにくく目立たない。
でも
本当に困った人が検索してたどり着くのはストック型で
病気になった患者は、ピンポイントの検索ワードでストック型コンテンツを探しに行く。
長期的に誰かの役に立ち続けているためにも
地味で"バズらない"情報サイトやブログ記事、書籍などによる発信は大切。
といったところでしょうか(ほぼ"丸写し"ですが💦)
この中で、"医療の素人イチ患者"の私が注目した点は
本当に困った人が検索してたどり着くのはストック型で
病気になった患者は、ピンポイントの検索ワードでストック型コンテンツを探しに行く。
という部分。
患者がストック型コンテンツ目当てに"ググる"こと確かにあるでしょう。
ひと昔前は、もっとその傾向が強かったのでは?
私が先行型生体腎移植手術を受けた頃は、そもそも"ググる"なんて言葉そのものがなかったし…
「ピンポイントの検索ワードでストック型コンテンツを探しに行く」ことすらなかった当時は
患者及び家族が本屋に行って、必要(と思われるよう)な書籍をせっせと買い込むくらいが関の山。
そんな時代から月日は流れ、患者のマインドも変化しているんじゃないでしょうか。
下記のブログ内にも記述しましたが👇
今や多くの方が(もちろん私も含め)情報に対して受動的(ではないかと推察)
日々、膨大な量の情報が、目の前を流れていく(=フロー型情報)
たまたま引っかかったモノ、それらの多くは往々にして自身の趣味/趣向に合ったもので
それ"だけ"は、自分の手の中(=スマホ等)で検索する。
その手軽さに慣れてしまった結果、昔風に言うと
「自ら苦労して調べる」ことをしなくなる、できなくなる。
患者が、解らないことを調べるには『ストック型情報』が有益であること理解しながら
《解らないことは自ら調べるという姿勢》
そのものが取りづらくなっているのかな、と。
その帰結として、今の患者の方々を拝見していると(特にSNS上で)
日々の生活(治療)の中で互いの『フロー型情報』(=ツイート)で
癒され、安心し、前向きになったりもしてるように見えます。
つまり
- 本当に困った人が検索してたどり着くのはストック型「と」フロー型
- 病気になった患者は、ピンポイントの検索ワードでストック型コンテンツ「と」フロー型コンテンツを探しに行く
とも言えるのかなと、"イチ素人イチ患者"の意見としてはあります。
我々患者の立場からすれば、医師の方々の情報というのは
『フロー型情報』だろうと『ストック型情報』だろうと貴重なものなのです。
ただ、昨今の時流として懸念されるのは
"誤った医療情報の流布"に関する問題。
この点、医療の素人である我々は"無防備"な面があり
誤った方向にいとも簡単になびいてしまうという「脆弱性」を持っております。
コトは深刻ですね…
『フロー型情報』は『ストック型情報』に"昇華"しうる
これは私個人的に感じていることです。
2020年1月にブログ『腎生を善く生きる』を開設、それに追随する形で
同年1月下旬にTwitterを開始。
ブログについては開始当初から
「その日その日の出来事を徒然に書くような」内容にするつもりはなかったので
私の中では一応、ブログ=『ストック型情報』との認識。一方
Twitterは、言わずもがな『フロー型情報』
[su_note note_color="#fbdffe"]
※ただ、Twitterとはいえ文字通り刹那的に"つぶやく"のではなく
140という文字制限の中で「一つのストーリー」を完結させるような内容にする意識はしておりますが…
[/su_note]
ブログ=『ストック型情報』というのは"テーマ選定"が重要
且つ、そのアイディアを捻出する作業は時に"産みの苦しみ"となることも。
そんな時役に立つのがTwitter=『フロー型情報』
HHD連日血液透析する日々の"流れ"でフトした思いをつぶやく中で
それら呟きの数々が「点」から「線」そして「面」となり
自己の"資産"(ブログ)となるヒントやテーマが形成されることがあるんですね。
所詮医療の素人、だが患者の立場・目線で発信できる情報もある!との思いで始めた現在の活動。
歩き出してまだ1年足らずではありますが、その1年間を経て最近
フロー(Twitter)とストック(ブログ)の両輪が上手く回ってる実感があります。
何事もバランスが大切ということでしょうか。
まとめ
冒頭にご紹介した"外科医けいゆう"こと山本健人医師のツイートに対し
僭越ながら私がリツーイトしたものも、ここに乗せておきます。
患者がストック型コンテンツ目当てにググること確かにある(経験者語る)がTwitter始めて思うのは患者は日々の生活(治療)の中で互いのフロー型情報(ツイート)で癒され安心し前向きになったりもしてるということ。全国的に稀有なHHD患者の1人として"物珍しくキャッチー"なフローネタも発信したいところ😊 https://t.co/FqdFyZKr1H
— 腎生を善く生きる@在宅血液透析(HHD)8年目突入‼️ (@7hYpoVO5tzfBVtn) February 4, 2021
HHD連日血液透析する日々の"流れ"でフトした思いをつぶやく(Twitter)そんなフロー体験から自己の'資産"(ブログ)となるヒントやテーマが浮かびストック情報となる。医療の素人だが患者の立場目線で情報発信始めてまだ1年だが、最近フロー(Twitter)とストック(ブログ)の両輪が上手く回ってる実感あり♻️ https://t.co/6O5topBwJq
— 腎生を善く生きる@在宅血液透析(HHD)8年目突入‼️ (@7hYpoVO5tzfBVtn) February 4, 2021
こうして書いていて思ったのは、この先
「情報」という概念そのもののが変わっていくのでは、ということ。
世の中のあらゆる事象や価値観まで、目まぐるしく更新されていく中で
未来永劫、普遍的な価値観を保持し続けられる「情報」がどれほどあるだろうか?
《医療》の分野なのは、テクノロジー分野と共にその最たる領域かもしれません。
まあ、そうなったらそうなったで「フロー」「ストック」の概念も変わっていくんですかね。
年齢を言い訳にせず
時代に変化・波に"のまれない"よう、日々の自己研鑽に励みます(言うだけはタダ😁)
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。