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在宅血液透析 穿刺/抜針/止血

【在宅透析と穿刺】在宅血液透析で自己穿刺の陰に隠れがちな「自己抜針」「自己止血」をフィーチャーする

2020年5月6日

止血

現在透析患者で

在宅血液透析(HHD)導入を検討されている方々

真っ先に思い浮かぶ不安材料といえば

「自己穿刺」

ではないでしょうか

確かに、自己穿刺が

在宅血液透析導入の一つの壁

であることは事実でしょうが

他にも患者に

技術面・精神面で、ある程度のレベルのものを要求される

手技があります(私は思っております)。その代表が

❝自己抜針❞

❝自己止血❞

です。

たしかに

「どうやって自分で自分の針を抜くんだ?」という疑問も

当然湧くでしょう。

今回は

自己穿刺の陰に隠れがちな

❝自己抜針❞、❝自己止血❞

をフィーチャーしてみたいと思います。

なお、自己穿刺については下記にあるように

複数側面から、私なりの考察をしております。

よろしければご参照下さいませ。

【在宅透析と穿刺】自己穿刺の陰に隠れがちな「自己抜針」「自己止血」をフィーチャーする

HHD患者にとって、なぜ❝自己抜針❞、❝自己止血❞が難しいのか

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はじめに

施設血液透析では自己穿刺同様

抜針、止血共にスタッフが行ってくれます

当然

在宅血液透析では、患者自身が全て行います

「ただ針を抜くだけでしょ?」

と思うかもしれません。

しかし、自己穿刺程ではないにせよ

個人的には、緊張感の走るフェーズであることは間違いない。

シャントの影響

透析患者、これは施設透析、在宅透析問わず

穿刺される血管は

静脈でありながら、その中は動脈血が流れているので

針抜後、穿刺痕に

血小板による、いわゆる❝カサブタ❞が形成されるまで

しっかり圧迫を加えていないと

血液がドボドボと出てきてしまう恐れがあり、危険です。

そんな危険を考えると

「ただ抜くだけ」

とは、私は思えないのです。

手先の巧緻性が求められる手技

個人的見解として

手技そのものが非常にテクニカルで

患者自身にある程度手先の巧緻性が求められる

と、思っております。

その理由は、自己穿刺同様

両手が使えないこと。

施設透析の抜針、止血の場合

スタッフは基本

一方の手で針を抜き、針を抜いた刹那

もう一方の手(指)で穿刺痕に圧迫止血を施す。

しかし、HHD患者は

この一連の動作を、片手で行わなければならないのです。

「ただ抜くだけ」

といった単純な手技ではないと思うのです。

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手技の言語化

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自己抜針を言語化する

すんなり針を抜ける患者さんもいらっしゃるとは思いますが

私は出来るだけ痛みは感じたくない。

痛みを軽減させたいのであれば

出来るだけ血管の走行に沿って

真っ直ぐ針を抜くことが必要です。

そこがブレると(針先が血管壁に当たるためか?)

患者本人が痛い思いをします。

この、真っ直ぐ針を抜くための方法論には

実は患者それぞれの❝流派❞があるようです

土俵入りの「雲竜型」「不知火型」ではないですが・・・

あえて私なりに勝手ながら命名すると

「シャント肢型」「非シャント肢型」

あまりネーミングセンスがないですが。

前者は

穿刺されているシャント肢側の手(指)をつかって針抜します。

下記動画をご参照下さい↓

後者は

穿刺されているシャント肢ではない

いわば自由に使える手(指)を使って

針を抜きます。

私の流派は「非シャント肢型」です。

残念ながらご紹介できる動画が見つかりませんでした。

したがって

私の技を「言語化」してみたいと思います。

まず

1.クランピングチューブやその周辺の血液回路をシャント肢に固定していた

医療用テープを全てはがします

次に

2.止血ベルトを、穿刺部位(止血部位)に仮止めします。

3.仮止めした止血ベルトの上に

自由に使える非シャント肢側の親指の腹を添え、同時に

4.同手の人差し指・中指でクランピングチューブを挟みつまみます。

いよいよクランピングチューブを抜きます。

5.屈曲した状態でクランピングチューブをつまんでいる人差し指・中指を

一気に伸展し針を抜く

その刹那

6.止血ベルトに添えておいた親指に力をこめ

止血部位に圧迫を加えます。

自己止血を言語化する

穿刺部位が一か所であれば、これでよいのですが

まだ脱血側の抜針がありますので

(私は返血側→脱血側の順で止血します)

非シャント肢はもう一度自由にしたい、つまり

返血側穿刺痕に圧迫を加えている親指を離したいのです。

そのため

1.仮置きしておいた止血ベルトの端を

自身の歯で嚙んで引っ張り

2.圧迫中の親指をやや巻き込むようにして

しっかりと止血バンドを固定します。

止血バンドの先端一方はマジックテープ状になっているので

くっついたことが確認できれば

3.バンドから咥えている歯を離し、圧迫している親指を離します

脱血側の止血も、基本的な手順は一緒。

違うのは止血ベルトを使わず

4.圧迫止血した指で、そのまま止血を続けます。

親指で圧迫を続けても良いのですが

いい塩梅で圧力を加え続けることが私にはしんどいので

親指と、人差し指中指とを素早く入れ替えて

そこから約10分間

人差し指中指のダブルフィンガーで圧迫止血を続けます

なぜ

出来るだけ止血バンドを使用しないか。

止血バンドは構造上

穿刺した血管以外の周辺の血管も圧迫してしまう。

自身の指であれば

穿刺部位のみに効果的な圧力をかけられ、かつ

周辺血管を圧迫することもありません

(補足)

ちなみに、私の使用している止血バンドはこれ↓

多くの患者さんが愛用していると思われるそれより

周辺血管の圧迫は軽減されてはおります。

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メンタル、その他の問題

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ハプニングに動じない冷静さ

先に述べたように、止血の際

一番気を付けなければいけないのは、漏血

止血が不十分であったり、さらには

止血手技に手惑い、圧迫しそこなった時には

ドボドボと血液が流れ出してくる危険性もあります

漏血した自身の鮮血を見ても

慌てず出血点を確認し、的確な止血手技を行える

冷静沈着なメンタルが必要です。

世の中には、血を見れないという人がいると

話としては聞いたことがありますが

そのような人は、今更申し上げるのもナンですが

在宅血液透析導入は難しいでしょうね。

止血終了の的確な見極め

脱血側、返血側、両方を止血バンドを利用する場合は

タイマーをセットし、止血終了時間までゆったり過ごせばよい。

しかし、私のように

穿刺痕を自分の指で圧迫止血している場合

この約10分間の止血時間が、時に長く感じる時があります

ただ、これをおざなりに「もういいや」と

血管及び皮膚の穿刺痕に、いわゆる瘡蓋がしっかり出来上がる前に

圧迫止血を終了してしまったら、あとが怖い

インジェクションパットを貼り、安心しきっているところに

どこからともなく血がポタポタと流れてくることもありえる

施設透析での、透析終了後の待合室

止血バンド脇から血がポタポタ流れているご高齢の患者さんを

これまで何度かお見受けしたことがあります。

結局二度手間になるわけですから、ここは我慢

しっかりとした止血をしなければ。

判断を見誤ってはいけません。

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まとめ

thanks

在宅血液透析では

トレーニングやマニュアルでは感じ得ない

実際にやってみてわかること

多くあります

自己穿刺や

今回の自己抜針、自己止血などは特にそう。

経験を積みながら技術をブラッシュアップさせ

自分にとってより最適な形を見つけることも可能。

とはいえ、間違えてはいけないのは、あくまで

基本が正確に出来て初めて「応用編」がある

ということ。

病院スタッフに教えられた手技や手順を順守し

標準的な型を完璧に習得することがまずは大前提

支えてくれる方々に対して常に謙虚であれ

根幹をなす、大切な心構えです。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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