2022年1月16日㈰20:00
【在宅透析と穿刺】「自己穿刺(在宅血液透析)」と「他者穿刺(通院血液透析)」どっちがマシ??
と題したVTube動画を配信致しました。
在宅血液透析導入から9年目(2022年1月現在)のイチHHD患者である私が
- 在宅血液透析ではマストである(※一部例外あり)「自己穿刺」
- 通院血液透析では通常である(※一部例外あり?)「他者穿刺」
どっちがマシか?を
独断と偏見で論を進めるという内容。
結論として
私は「自己穿刺」に軍配を挙げる
とし動画を締めました。
通院血液透析生活の経験はないが
他者(=医療者)に穿刺してもらったことは、勿論ある。
その上で
HHD導入から9年目を迎えた実体験として
「自分で刺した方がマシ」
と本気でそう思う。その事実は変わらない。
事実としてそうなのだから、それを他者から
「いや、それは違う!」
と言われる筋合いのものではないので
此度の動画も、いつも通り、イチ素人の
"一方通行の(広義の)医療情報発信"
となることに、何の疑いもなかった。
が!ところが!ある視聴者様から
「軍配は通院血液透析(他者穿刺)」
とのコメントを頂いたのです。
そこには
今の通院血液透析環境が如何に優れているかも述べられていて
通院血液透析生活を経験していない私には
貴重な情報提供でした。
ただ、私の心は
全く想定していなかったコメントに
かなり動揺しました、そして思いました
「やっちまったな…」と。
情報発信者としては、己の言霊で
視聴者様を誰一人として傷つけることがあってはならない。
100%は不可能にしても、そこに限りなく近づける努力は必要。
以前、下記のブログで
非医療者である私が(広義の)医療情報を発信する上で
心掛けていること(厳守していること)を述べました。
ただのイチ患者というだけで、医の素人である私が
広義とはいえ医療情報を発信するなど
本来、不可侵は行為。それでも(矛盾はしますが…)
「イチ患者だからこそ、伝えられることが、ある」
と信じて、現在の活動を行っている。
ことは人の命に係わる領域
注意してもし過ぎるということは、ない。
此度の情報発信(VTube動画)で、想定していない
視聴者様とのギャップが、なぜ生じてしまったのか。
そもそも、"想定できなかったことなのか?"
今後も現在の情報発信活動を継続するつもりなら
視聴者様にご不快な思いをさせてしまった、という此度の事案を無駄にせず
反省すべきところは反省する。
今回は私自身のための記事
Table of Contents
【医療情報とネット社会】非医療者(=医の素人)が医療情報を発信する際、"テーマ選定"は慎重に!
問題1:選定テーマは適切だったのか?
【在宅透析と穿刺】「自己穿刺(在宅血液透析)」と「他者穿刺(通院血液透析)」どっちがマシ??
そもそも、このテーマ選定が不適切。
動画冒頭(3:41~)で、私自身で申し上げてる通り
【在宅透析と穿刺】「自己穿刺(在宅血液透析)」と「他者穿刺(通院血液透析)」どっちがマシ??
などというテーマは
殆どの通院血液透析患者様にとってはどうでもいい
話。もちろん、今回の配信動画の"ターゲット層"は
HHD導入検討してらっしゃるCKD患者様
ではありました。そんな皆様の一助にはなれるか、との判断。
しかしながら、現実問題として
在宅血液透析を導入している患者様は
全透析患者の、たった約0.2%。
在宅血液透析に"関心のある"患者様は、相当数いらっしゃるかと思いますが
それでも
「末期腎不全となったら、通院で血液透析」
とお考えになられる方々の方が、圧倒的多数であることは、想像に難くない。
現在の全透析患者の殆んどを通院血液透析患者様が占める、という事実を加えれば
私のチャンネルが、視聴者数僅少なメディアであるとはいえ
それでもご視聴下さる方々というのは
「通院血液透析患者様」
となるのは必然であり、その点想定できていれば
動画内で
「通院血液透析患者様」へのご配慮を一番に考えるべきで
その意識が多いに欠けていたこと、認めざるを得ません。
問題2:"「自己穿刺」か「他者穿刺」か"との命題が、ナンセンス
【問題1】から関連する内容ではありますが
【在宅透析と穿刺】「自己穿刺(在宅血液透析)」と「他者穿刺(通院血液透析)」どっちがマシ??
「自己穿刺」か「他者穿刺」か
択一すること自体が、全く持ってナンセンス。
「在宅血液透析」か「通院血液透析」か。
この比較は、医の素人ではあるもイチHHD患者の一人として
(一方通行の)論を展開するのは、ある程度許容されるかと。
しかしながら、「自己穿刺」が論じられる場合
在宅血液透析を導入(選択)するには「自己穿刺やむ無し(※例外除)」という話であって
「自己穿刺」か「他者穿刺」か、などと
比較・検証する材料では"本来は"、ない。
「在宅血液透析」か「通院血液透析」か
そこの議論の延長で避けられない問題が
「(患者が)自己穿刺可能かどうか」
という話であって
「在宅血液透析」導入検討していない「通院血液透析」患者様にとって
全く経験のない「自己穿刺」と
"いつもの"「他者穿刺」と、どっちがマシなどと声高に言われても
どうでもいい話ですよね…
さらに
ご自分とは透析環境の異なる「在宅」で血液透析している奴(自己穿刺している奴)が
「自己穿刺に軍配を挙げます!!」
と言われたところで
「は~、だからナニ?」
って話。これが
「自己穿刺」か「他者穿刺」か
択一すること自体が、全く持ってナンセンス
とする理由。
>「自己穿刺」か「他者穿刺」か、などと
>比較・検証する材料では"本来は"、ない。
"本来は、ない"と敢えて但し書きにしたのは
以前、SNSで
通院血液透析で「自己穿刺」を行っている患者様が
いらっしゃったような(いなかったような…)
完璧な裏が取れていないので断言はできないのですが
"その可能性"も含めたためです。
もし、そのような患者様がいらっしゃったら、私などより
「自己穿刺」と「他者穿刺」どっちがマシ??
に関する興味深い見解をお持ちかもしれませんね。
問題3:「医」の素人/イチ患者の"思い上がり"
在宅血液透析9年目(2022年1月現在)
過去の僅かながらの他者穿刺の経験をも加味しながら、それでも
「自己穿刺に軍配を挙げる」との思いが
"内心に留まっている"分には、構わないだろう。
通院血液透析生活を経ず、在宅血液透析を導入した
という"限られた自身の経験"("限られた側面")しか持ち得ない奴が
「自己穿刺に軍配を挙げる」と
"内心で思う"のは、勝手。
が、それが内心から飛び出して
言霊として"発信"されてしまったら、それを見聞きした視聴者様が
「いや!私は通院に軍配を挙げる」とお思いになる事は必然。
そんなことも想定できなかったのかと、自分自身に辟易する…
そもそも
ただのイチ患者で「医」の素人の分際で
(広義の)医療における"複数要素"を比較検証するなど
思い上がりにも程がある。
まとめ
視聴者様と"双方向の関係"を想定した(広義の)医療情報は発信すべきでない
=あくまで"一方通行"に経験談を述べるだけ
とのルールの上で、(広義の医療)情報発信活動をしております。なぜなら
私はただのイチ患者、医の素人だから。
「何もそんなに頑なな姿勢じゃなくても…」
とお感じの方もいらっしゃるかと思いますが
上記ブログでも述べたように、私としては
読者・視聴者のニーズにマッチする情報を提供すべし(情報発信の一般論)
という点において、こと発信者がイチ(医の)素人で、彼等が
(広義の)医療情報を扱う際は
読者・視聴者のニーズにマッチするものを提供すべき"ではない"!?
というスタンス。なぜなら…
読者・視聴者のニーズを意識する、ということは当然、発信者は
それに応えよう!という心理が働くこととでしょう。
コトは《医療情報》です。
医療のプロでもない、患者だというだけのイチ素人が
読者・視聴者のニーズに応えていいんでしょうか?
と思うわけです。
「一方通行」に発信した情報が、受診した視聴者様のニーズに
"結果的に応えた"
は、もちろん良いこと。良いもなにも
それこそ、私の現在の活動理念でもありますから
これをも否定したら、私は何やってんだ?って話💦
翻って、此度の話に戻すと
「一方通行」と思って発信した情報に対して
"異論!反論!オブジェクション!!"
が出た時点で「一方通行」の情報ではなかった、つまり
私の(頑なな)理念に反したテーマを選定してしまっていた
ということになると言えましょう。
一方通行であれ、出た言霊は視聴者様に受信される。
故に、情報発信の"向こう側"がどう感じるか、思考の限り想定すべき。
そんなこともおざなりにし、動画をアップしてしまった…軽率でした。
HHD導入から8年強
ほぼ毎日(週6回)"自分で自分の腕に針を刺して"る、その上でそれでも
「私は自分で刺したい(=自己穿刺に軍配を挙げる)」
と思っているのは事実。
しかし、そんな思いも、もし
在宅でありながら、医療機関と同程度の透析環境が整い
在宅でありながら都度、医療者が穿刺をしてくれる
そんな夢のような状況に身を置いていたら
「いや、それでも自己穿刺に軍配を挙げます」
などどのたまうことは、ないかもしれません。
ただ…こんなの、まさに"夢物語"(※今のところ)
だから尚更
「自己穿刺」と「他者穿刺」どっちがマシ??
などというテーマは、"どうでもいい話"であり
"全くナンセンス"なテーマだったわけです。
読者・視聴者のニーズに(最初から)応えようとすべきではない
→視聴者様のニーズに"結果的に応えた"となるような発信活動をする
それでいて
情報発信の"向こう側"がどう感じるか、思考の限り想定すべき
非常に難しいタスクではありますが
(繰り返しになりますが)
ことは人の命に係わる領域
注意してもし過ぎるということは、ない。
医療情報を扱う者として当然の責務を全うしつつ
一人でも多くの方々、特にCKD患者様の一助となれるよう