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在宅血液透析 透析全般

【在宅透析のメリット】「十分な量の透析を行える」"溶質除去"の面でのメリット("体液量管理"より実感しずらい…)

2022年9月14日

在宅血液透析の最大のメリットにして

(HHD非導入)患者にとって、一番実感しにくい

「十分な透析を行いやすい(緩徐+しっかり+こまめ)」

それでも、下記動画でご紹介したように

『体液量管理』

の側面においては、患者は(少なくとも私は)そのメリットを"体感"できている。

一方で、ある意味"厄介"なのが『溶質除去』

(ここからの話は、めちゃくちゃ"ザックリした"言い方をしますが…)

各種尿毒症に悩まされる、多くの腎臓病患者。

その原因の一つが、各種の「尿毒症物質」(当たり前!)。

そいつを除去すること=『溶質除去』なのだから

頻回・長時間透析のメリットとして、患者が一番"実感したい"ところですが

幸いなことに(?)私は、あまり実感(体感)できていない。

"幸いなことに"と但し書きをしたのは

(これは、通院血液透析を経験していない私の、勝手な想像の域をでませんが…)

長年にわたる通院血液透析生活を経た後に、在宅血液透析へ移行された方がいるとすれば

その患者様であれば

頻回・長時間透析の『溶質除去』の側面でのメリットを"体感"することは、できるのでは?と。

なぜなら…

通院血液透析生活を送っている患者様方が施行する血液透析の殆どは「標準血液透析」。

概念としては「週3回、3時間~6時間未満」であるが

多くは「週3回、3時間半~4時間」と推察される。

医療者様方の共通認識として「標準血液透析(週3回、3時間~6時間未満)」は

生命を維持する最低限の治療であり、

そのため透析関連合併症が発生し生命予後が不十分

(引用元:日本透析医学会 「維持血液透析ガイドライン:血液透析処方」)

とされているわけで、そんな「標準血液透析」を長年続けている患者様は

各種尿毒症に悩まされている、とは容易に推察できまる。

透析関連合併症が発生し生命予後が不十分

(引用元:日本透析医学会 「維持血液透析ガイドライン:血液透析処方」)

な体調から、頻回・長時間透析を施行する、つまり

「十分な透析」をすることで

標準血液透析"時代"より、各種尿毒症物質は除去(溶質除去)され

結果として、ご自身、身体からはポジティブな反応を感じることはできるのではないか?

(上記は、全くの素人の勝手な推察ですm(__)m)

翻って、私はどうか、というと

>幸いなことに(?)私は、あまり実感(体感)できていない

と申し上げました。

その理由として考えられるのは、私の在宅血液透析導入に至るまでの「経緯」。

腎保存期での生体腎移植(先行的生体腎移植)、つまり透析生活経験なし。

移植腎廃絶により透析導入、その透析は「在宅血液透析」、つまりここでも(いわゆる通院)透析生活の経験なし。

このことからわかるように、先述したような

>長年にわたる通院血液透析生活を経た

患者様方が患う、苦しい尿毒症状態を、私は幸いなことに、体感せず現在に至っている。

勿論

移植腎が廃絶し、透析導入となった直後、一定期間は(半年から1年)

透析(血液透析)そのものに慣れず、大変苦労しました。

ドライウェイトがなかなか定まらない、血圧が安定しない…

透析中に生じる"気分不快"も

透析経験のない私には、症状のデータベースがないので

軽度気分不快が生じても我慢し、結果、強めの気分不快に襲われること暫し。

透析中、意識消失したこと、1.5回(※0.5は"未遂")。

それが、在宅血液透析導入から約10年

透析そのものにも慣れてきた、気分不快に関するデータベースも蓄積され

大事に至る前に、透析の自己調整ができている。

しかし、今申し上げた「在宅血液透析に慣れた」話と

「十分な透析を行いやすい(緩徐+しっかり+こまめ)」

『溶質除去』のメリットを体感できている、ということとは、違いますよね。

『溶質除去』のメリットを"実感"できる、唯一の機会は、「血液検査」の結果を見た時か

ただ、これも幸いなことに

移植腎廃絶から透析導入(在宅血液透析導入)がスムーズに進められたことから

透析導入当初から、血液検査項目で、特に問題視されるような値は、記憶にない。

近年の在宅血液透析外来での、主治医からの血液検査結果のフィードバックの場面では

「これは問題なし…これも問題なし…これも問題なし…」

あっさりしたもんです。"特に問題ない"ことは、誠有難い、幸いなことなのですが…

「十分な透析を行いやすい(緩徐+しっかり+こまめ)」『溶質除去』のメリット

恩恵は間違いなく享受しているはずなのですが

実態を言語化して、皆様にお伝えしきれないのは、非常に歯がゆい。

(「(自分と)同じ」とは、とてもとてもおこがましくて言えませんが…)医療者様方も

「十分な透析を行いやすい(緩徐+しっかり+こまめ)」『溶質除去』のメリットを

多くの患者に伝えたい、しかし、現在のところ十分果たせていないこと、承知しているようです。

『第24回日本在宅血液透析学会・第17回長時間透析研究会』(2022年11月12日㈯13日㈰)

ワークショップ2「在宅血液透析の広報を考える」 セッションの主旨参照👇

「在宅血液透析の広報を考える」
2000年以前は100人前後を推移していた在宅血液透析の患者数はその後大幅に増えたものの2020年末で751人(日本透析医学会調べ)に留まり伸び悩んでいます。その理由はいくつか考えられますが、在宅血液透析自体の認知度低く、更にその治療の具体的な情報が透析医療者・透析患者に広く伝わっていないことが原因の一つと考えられます。日本在宅血液透析学会においてもこれまで在宅血液透析の普及に向けて様々な取り組みをしてきましたが、現状道半ばという状況です。本学会のワークショップ2 「在宅血液透析の広報を考える」 においては、在宅血液透析をより多くの人に知ってもらうためにはどうすればいいか、ということをテーマに在宅血液透析の広報のあり方を論じることとしました。
本セッションでは日本在宅血液透析学会の取り組みに加え、先進的なSNSの活用をしている日本循環器学会のSNS担当の先生にもご登壇いただき、今後避けることのできないと思われるSNSと医療情報の問題について深掘りできれば、と考えております。

(引用元:第24回日本在宅血液透析学会・第17回長時間透析研究会 facebook

とはいえ、「言語化できず、悩ましい…」などと言ってないで

私は私で、患者目線で、在宅血液透析(頻回・長時間透析)について

患者だからこそ実感できることを、一つでも多く「言語化」し皆様へお伝えする努力をして参ります。

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