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腎臓移植

【腎移植とサッカー】2度の生体腎移植を受けたフットボーラー(Shae Hutchinson)~イングランド※2022年6月改訂

2022年6月4日

arsenal,football

アーセナルのレジェンド、ティエリ・アンリThierry Henryが

あるユース選手へ向け、メッセージを送る映像を見ました(2020年4月)


ある選手とはシェイ・ハッチソンShae Hutchinson

イングランドプレミアリーグノッリジNorwichの

U23に所属していた選手。※2022年3月にクラブを離れている

先天的な疾患により自家腎機能低下するも

フットボーラーとしての道を諦めない彼は、結果

2度の腎移植手術を受けることになります。

彼については以前

彼が自身の腎移植について語る動画を見ていたこともあり

アンリのツイートに自然と目が行ったわけです。

そこで

3記事を参照しながら

young footballer シェイ・ハッチソンShae Hutchinsonの

フットボールのキャリアから

移植手術に至る経緯、そして

現在をまとめていきます。

Hutchinsonのツイートによると、彼は

2020年12月に2度目の腎移植手術を行っているようです。

2度目の腎移植に至る過程、及び当該移植については、VTubeでご紹介した

「腎臓交換(Paired Kidney Exchange :PKE)」

と関係するもの故

後半で詳しく掘り下げて参ります。

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2度の生体腎移植を受けたフットボーラー(Shae Hutchinson)

フットボーラーとしてのキャリア

The striker was in the Arsenal academy as a 12-year-old, where he was coached by his idol, Thierry Henry.

(引用元:Mirror)

2000年10月生まれ。

12歳でアーセナルのアカデミーへ入団

そこでアンリの指導を受ける。

2017年7月

16歳でノリッジと契約。

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移植腎(1度目)に至る経緯とその背景

Hutchinson was originally diagnosed with the condition as an eight-year-old, but it was only when he reached 16 that the symptoms which affected his hearing, eye sight and energy levels, really started to take a hold.

(引用元:sky sports)

8歳の時に「アルポート症候群」と診断される。

アルポート症候群」とは

アルポート症候群とは、腎機能障害、難聴、視力障害を主要症状とする、遺伝性疾患を指します。アルポート症候群では進行性に腎機能が低下することが多く、20代半ばで透析や腎移植が必要になるほどの腎機能障害を呈することになります。聴力に対しての影響も強く、思春期や青年期までに難聴を発症することが多いです。

(引用元:Medical Note

16歳になると

聴力・視力の違和感

倦怠感などの症状が表れる。

補足

It is one that his mother Sarah also suffers from and she needs a kidney donor, too.

(引用元:Mirror)

彼の母もアルポート症候群で腎移植手術待機者のようです。

上記前文が、アルポート症候群の主要症状を述べた記述なのが、その根拠。

Hutchinson has adapted to thrive, despite a hereditary condition called Alport Syndrome which was diagnosed when he was eight. It is a condition which can affect hearing and eyesight and can require dialysis.

(引用元:Mirror)

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一度目の生体腎移植とその後

Hutchinson, 20, suffers from Alport Syndrome and underwent his first kidney transplant last season after his father proved "the perfect match".

(引用元:sky sports)

2019年?※記事の日付が2020年なので

父親をドナーとする生体腎移植施行。

"It took me about six months to get back into football properly and start training out there with the boys."

(引用元:sky sports)

トレーニングを再開するのに6カ月を要した、とあります。

腎移植手術経験者からすると「早すぎない??」と思ってしまいますが…

After missing most of the 2018/19 campaign, he returned to action and followed up a goal in last September's EFL Trophy match at Oxford United with three goals and an assist in January to earn a nomination for the Premier League 2 Player of the Month award.

(引用元:sky sports)

2019/20シーズンに復帰。

アンダーカテゴリーのリーグでPlayer of the Month awardに選出される。

しかし、その後

But complications with his previous transplant have now left Hutchinson requiring a new kidney if he is to achieve his ambition of living a normal life and a career as a professional footballer.

"When your kidney is working at around 15%, that's when you need a transplant," he told Norwich City's official website."My new kidney is at 17% and it still doesn't work properly."

(引用元:sky sports)

移植による合併症により(拒絶反応なのか感染症なのかは不明)

移植腎の機能は全体の17%まで低下した、という。

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2度目の腎移植へ

2度目の手術へ向けて

"I'm going to have to get another one as soon as possible."

"I want to continue living out my dream as a professional footballer, enjoying life with my family and friends. However, for this to happen, I desperately need to find a matched kidney donor to beat this."

(引用元:sky sports)

フットボーラーとして再び復帰するため

彼は、2度目の腎移植手術を希望していました。

実は、同じ腎移植を希望している母親(Sarah)には

彼女への臓器提供を希望する兄弟がいました。

ですが彼女は

自分より息子(Shae)を優先するよう

その申し出(兄弟からの臓器提供)を見送った、という。

Sarah has even offered to forgo a kidney from her brother

to enable the NHS to offer it to another living donor in exchange for a match for Shae

under the Living Kidney Sharing Scheme.

(引用元:Mirror)

英文及びその内容の正確なニュアンスを把握したとの自信はないのですが

VTube動画

ブログ

で勉強した

待機順位繰上げ型

に近いことを言っているのかな、と。理由として

母親の次の言葉

“ My brother is willing to help me but

I have said to my brother

I would rather he donate his to help get one for Shae

than for me.”

(引用元:Mirror)

ドナーとして名乗りを上げた母親の兄弟が

母親と甥っ子共にマッチングしている可能性もなくはない。

それゆえ母親が「私よりも息子を」とした方が意味は通りやすいですが

その後、「叔父」-「甥っ子」間で生体腎移植手術が施行された記述はない。

故に、交換されたのは「臓器」ではなく「待機順位」なのでは?

と考えた次第。いかがでしょうか?

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2度目の手術


2020年12月14日

2度目の腎移植手術が施行された模様。

ここで個人的に注目する点は

先にご紹介したVTube & ブログで勉強した

a living altruistic donor(臓器の利他的提供者)

との記述。

海外ではあり得る、臓器の「利他的提供者」

(参照元:Fresenius Medical Care )

さらに

the Kidney Exchange Programme

との記述。

親族以外からの腎臓提供を原則認めていない日本で

臓器の「利他的提供者」はあり得ない。

また、日本移植学会が…

ドナー交換腎移植は医学的・倫理的に大きな問題を含むものであり、個別の事例として各施設の倫理審査のもとに行われるべきものである。したがって、ドナー交換ネットワークなどの「社会的なシステム」によりドナー交換腎移植を推進すべきものではない。

(引用元:一般社団法人 日本移植学会)

との会告を出している状況では

"the Kidney Exchange Programme"の、日本での実現の芽はなさそう。

ちなみに

上記ツイートを見ると、Hutchinsonと「利他的提供者」との

"面通し"はなかったようですね。

(参照元:Fresenius Medical Care )

上記ケースでは、ドナー/レシピエントが笑顔で対面している。

  1. 2019年に1回目の生体腎移植(ドナー:父)
  2. 2020年に2回目の生体腎移植(ドナー:利他的提供者)

こんな短期スパンで腎移植手術が施行されることは

日本以外の国では、ままあることなのか

はたまた

Shae is in need of an urgent transplant if he is to beat the illness. To find out how you can become a living donor for Shae or to join the Organ Donor Register, please visit www.aclt.org.

(引用元:sky sports)

に見られるように、"著名人"ゆえ

多くのメディアが"ドナーを募集"したことで

短期間で「利他的提供者」が表れ、移植手術が可能となったのか?

その点は、参照記事では伺い知ることはできませんでした。

補足

ちなみに

同じく腎移植を必要としているHutchinsonの母親ですが…


腹膜透析(PD)をしながらの腎移植待機中。

息子のShae Hutchinsonが

Twitterで臓器提供を呼び掛けているようです。

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まとめ(Hutchinsonのその後)

thanks,

"Ultimately

I want to get into the Norwich first team in the Premier League."

(引用元:Mirror)

2度目の腎移植を待つ、2020年3月頃のコメント

彼の強い意志の表れです。

しかし、フットボールの世界は厳しい。

2度目の腎移植後、Hutchinsonはピッチに復帰。

ストライカーとしてゴールという結果も出している。

そんなHutchinsonについて

クラブ側(当時:Norwich)のスタンスを示す記述をご紹介すると

"the club takes their duty of care towards their players very seriously."

"It's not like we judge them as just a piece of business," 

"Of course we are all happy when they are successful and can have a great impact for Norwich City,

but we always judge them as human beings. "

(引用元:sky sports)

上記文脈が紹介されているのが、2020年2月

手術が2020年12月14日

復帰ゴールが2021年7月、その後も結果はそれなりに残している様子。

しかし、2022年3月


"双方の合意"により

HutchinsonはNorwichを退団するに至った模様。

フットボールの世界で

選手とクラブとの交渉事は、そう単純な話ではすまない。

純然たる一人のストライカーとしての評価の結果か

フィジカル面の問題も含めた"総合的判断"か

外野がそれら真意を把握する術はありません…

が、その後すぐ


2022年3月5日

Braintree Town FCに完全移籍した旨がリリースされております。

Braintree Town FC??

イングランドフットボールリーグのディビジョン数は、日本の比ではないので

どのディビジョンに所属しているか、詳細は不明

(Wikipediaには"五部相当"とありました)

とはいえ

彼が❝アンリ二世❞となるポテンシャルを持っているならば

是非そのプレーを

Emirates Stadium(Arsenalのホームスタジアム)で観たいものです。

現在、イングランドプレミアリーグ

Chelseaの正GKのÉdouard Mendyのようなケースもありますから。

最後に、冒頭でお話した

アーセナルのレジェンド、ティエリ・アンリThierry Henryの言葉を

ご紹介致します。

“Hello Shae, this is Thierry.

I just wanted to let you know that you’re my hero.

It is unbelievable to see what you’re going through right now.

Not only to deal with it one time, you came back, you played.

Now you have to deal with it a second time.

All my thoughts are with you, my prayers.

You just have to hang on. Stay strong. Hopefully I’ll see you soon.”

(引用元:Norwich City Academy

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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