2022年11月12日㈯13日㈰両日開催された『第24回日本在宅血液透析学会・第17回長時間透析研究会』に
医の素人"イチ患者"の私が参加=登壇してから、1年が経ちました。
1年経って考える「あれは俺にとって、何だったんだ?」と。
昨年5月頃、登壇要請のお話を頂き、そこから準備をし、開催地大阪へ向かい
お医者様方の前で、ただの素人が恐れ多くも講話したわけです。テーマは…
【在宅血液透析患者自身による、ブルーオーシャン領域(在宅血液透析)における医療情報発信の成果と課題】
「学会に参加した"成果は"何だった?」
一番は、今年の1月に亡くなった母を喜ばすことができたこと。
長いがん闘病生活
亡くなる数カ月前の11月というのは、正直体調は芳しくないなかった。
そんな母が、私の"晴れ舞台"を楽しみにしてくれていました。
学会が終わってから、"ガクッと"体調が一段も二段も悪化したことを思うと
「DAISUKEが大阪行く時までは、なんとか頑張らないと」
生きるモチベーションにもなっていたようです。
あとは
"とんだ場違いの舞台に立つ、という貴重な経験ができた"
ことぐらいでしょうか。
「え?それだけ??」
そうなんですよ。
「あれは俺にとって、何だったんだ?」
少々拍子抜けしたような思いを抱く理由は
学会登壇「前」と「後」とで
現在の情報発信活動の源となる、モチベーションに変化が生じたことがあります。
プロジェクト『腎生を善く生きる』を立ち上げた際掲げた理念は…
現実を受け入れ、自分としっかり向き合う。
「善く生きる」ことの意味を問い続ける旅の途中で
出会うであろう全ての人が
善く生き、悔いのない人生を送るための、一助となる。
この理念を「医の素人が広義の医療情報を発信する」ことで実現させるために
- 内容はあくまで"イチ個人の体験談"であることを、読者視聴者が認識できる構成とする
- 専門文献内容紹介では、表現を平易にしても"本筋"は絶対外さない
- 事象心情の"言語化"は大切だが、当事者ならではの"生っぽさ"を「非言語」で伝えること
という、ある種のルールを自分に課しています。
2020年1月のブログ1記事投稿から始動したプロジェクトですが
歩みを進める内に、上記の理念やルールに加えて、強く意識するようになったことがあります。
"情報は一方通行であるべし"
この点は、過去ブログでお話しているので、興味ある方は、そちらをご参照願います。
とはいえ、つまり発信する情報が"一方通行"であったとしても
一人でも多くの人に、その情報をリーチさせたい、との思いは
多くの情報発信者同様、ありますし
発信する情報を拡散させる"営業努力"は必要と思って"いました"。
学会登壇「前」までは…(なにがあったんでしょうか??)
医の素人・イチ患者が、自身の体験談とはいえ広義の医療情報を発信する
扱う領域は超ブルーオーシャン「在宅血液透析」
『第24回日本在宅血液透析学会・第17回長時間透析研究会』は
こんな私の今の活動を、ある意味"売り込む"絶好の場だったはず。
登壇当日現地入り→講話終了後即帰宅の途につく、という弾丸ツアーゆえ
"営業活動"ができなかった、という現実問題は、たしかにありました。
それでも、学会終了後
「登壇実績」を"ネタ"に、自身を売り込む方法は、いくらでもあったはず。
その最たる手段が、SNS=Twitter。
でも、私は動かなかった。
学会現場での僅かな滞在時間で、同学会の大会長殿から
「君のYouTube、出ようか?」
との有難いお言葉も頂戴した。
しかし、実現しなかった、実現しようとしなかった。
上述したように
学会終了後、母の体調が悪化
母の住み慣れた場所で最期を迎えさせてあげよう、と
在宅介護用に自宅のインフラを整え、入院先の病院から母を帰宅させ
ずっとそばで介護、年明け早々の看取り
通夜、葬儀告別式、火葬、四十九日、納骨…
"それ"どころではなかった、というのは確かにありました。
それでも、一息ついた後に「企画」を進めることもできたはず。
でも、動かなかった。
疲れちゃったんですよ、正直…
"大会長殿とのコラボ"に限らず
「人と繋がりを持つこと」に、正確に言うと
「人と繋がりを持とうと動くこと」に、疲れちゃったんですね(特にSNS上で)。
この変化は奇しくも、学会で自身がプレゼンした
【在宅血液透析患者自身による、ブルーオーシャン領域(在宅血液透析)における医療情報発信の成果と課題】
で披露した内容の一部とリンクしてしまったわけです。
少々乱暴な物言いをすれば
医療領域においては
患者(=医の素人)は医療者に"マウントをとられ"ている。
ヒエラルキーの構造上
患者が、その道の権威である"お医者様"とお近づきになるには
リアルな現場でも、SNSの世界でも
患者による超低姿勢、超へりくだっての"お医者様詣で"する努力は必須でしょう。
これに近いことが、患者同士の繋がりについても、同じようなことが言えないだろうか。
医の素人(※患者に限らず)の多くが、同じ素人であり患者が発信する情報に求めているのは
その患者の「美談」や「武勇伝」だ、と仮定すると
患者本人の「美談」「武勇伝」が"ネタ切れ"したら
他者から「美談」「武勇伝」を聞き出し、それを発信すればいい。
そのためには、自身のブランドイメージを保持しつつ
他者(他患者)との"割り切ったお付き合い"を継続することも必要でしょう。
誤解なきよう補足すれば
どの領域においても、自分が「実」を採るには
本音とは裏腹に、それでも自分から動く、自分から相手に歩み寄る、という姿勢は必要なこと。
したがって
「主治医"以外の"医療者方と繋がって、色々学びたい」(※今年の在宅血液透析学会は、"素人"でも参加可能だったそうな)
「他の患者方と繋がって、互いを励まし合い、互いの経験や苦労を分かち合いたい」
という"実"を採りたい人は、自身から動く、自分から他者へ働きかける努力は必要でしょう。
でも、今の私は
「今はちょっと、そういうのいいや…疲れちゃったんで」
ということです。
"繋がりたい方々"必須ツールである「Twitter」ですが
私、Twitterから完全に"距離を置"いて、かれこれ1カ月経ちました。
"距離を置く"というのは、アカウントを削除したわけではなく、ログアウトした、ということ。
再度ログインするに、「ユーザー名」「パスワード」入れる必要があるでしょうが
そんなことは面倒→Twitterを見なくなる、というわけ。
Twitterをやっていたから、先の学会に登壇するという貴重な経験を出来たのは事実で(TwitterのDMで、登壇依頼をいただいたわけでして)
その点、Twitterをやらないということは、他者(医療者様方)と繋がりを築く手段・機会を放棄する、ということにもなりますが
幸い、現在お世話になっている主治医他、クリニックの医療者様方とは、良好な関係性を築けている(と思っている)ので
病気や治療に関する「学び」は、彼等彼女らから学べば良いわけでして。
脱Twitterして1カ月
いや~、何でしょうね
気楽というか、時間と心に多少の余裕が生まれた、というか…
今のところ、"イイ感じ"です。
先のYouTube『【透析/腎移植と情報】YouTubeチャンネル登録者数「200」突破までの経過分析』でもお話しましたが
現在の情報発信のスタンスとしては
価値観異なる他者との関係性維持、という(私にとっては)不健全なことがらから、一切"おさらば"して
自分の好きな内容を、自分の好きな形で、相変わらず一方通行に発信する
それでも結果として、発信するコンテンツが、誰か一人でも多くの方に届けば、こんな嬉しいことない…というもの。
お陰で、YouTubeのコンテンツ作りが、今は楽しいです。
今年の在宅血液透析学会
"素人"の登壇者は、どんなことをお話されたんですかね?
多少は気になりますが…まあ、知りたくなったら、HHD外来で主治医に聞いてみます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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