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在宅血液透析 透析中 透析全般

【透析中の過ごし方】透析中に勉強して自己研鑽!しかし実際はなかなか難しい患者の事情

2020年6月24日

study,

透析時間は人それぞれ。

(注:ここでは除水時間・血液浄化時間を指し、その前後の時間は含みません)

メモ

  • 施設透析患者の基本は4h
  • 長時間透析を許容している施設は5~6h
  • オーバーナイト施設ではそれ以上?

在宅で血液透析をほぼ毎日行う私は「3h」

昔からよく、社会人に対しては

❝自己啓発のため通勤時間を有効活用せよ❞

❝そこで差がつくのだ!❞

と説かれる。

「わかっちゃいるけど...朝は眠いし満員電車だし、帰りは疲れて眠いし満員電車だし...」

もちろん私も経験あるのでその気持ち、よーく分かります。

でも

そんな状況にあっても

自己啓発に励み、自己のスキルを磨き続けている方

世の中にたくさんいらっしゃるでしょう。

私は時々、この理屈、つまり

「自己研鑽のために時間を有効活用する」という点を

【透析中の過ごし方】に置き換えて考える

また、もしかしたら

透析をしていない(透析をよく知らない)人は、こう考えるんじゃないですか?

「透析中はただ寝てるだけでしょ?じゃあ勉強できんじゃん」と。

言いたいことはよくわかる。

実際

透析中勉強に励む患者さんは、世の中にはたくさんいると推察します。

彼等に対しては、ただただリスペクトの気持ちしかないです。

さて、自分はどうか?

理屈は分かるし、どちらかというと気持ちは前向き。

しかし

なかなか難しい、透析患者の事情があるんですよ。

今回は、【透析中の過ごし方】に関連して

私がこれまで透析中に経験した「気分不快の事例」等をご紹介しながら

「透析中に勉強するって、結構大変なんですよ」

ということを申し上げたい。

結果

実践できていない私自身のエクスキューズになるんですが・・・

【透析中の過ごし方】透析中の勉強。実際はなかなか難しい患者の事情

はじめに

study,

私の学生時代の勉強スタイルは、とにかく「書いて覚える」でしたけど

今の時代は、一昔前と随分違うでしょうね。

  • 紙の参考書が電子書籍になり
  • 授業はオンラインとなり
  • 見て覚えるだけでなく❝聞いて覚える❞。

今はそれらの"複合技"で知識の吸収を図る。

とはいえ

「勉強する」となれば、ちゃんと椅子に座り

ノート・参考書・筆記用具

パソコンやスマホ・タブレットを机に置いて学習するのが、定石。

この「当たり前の勉強スタイル」を維持することが

血液透析をしていると、いかに難しいか。その理由を

ポイント

  1. 肉体的制約
  2. 精神的制約

にわけて、ご説明いたします。

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1.肉体的制約

hospital,bed,

動きの制限

シャント肢の動きの制限

血液透析患者が透析中、どのような態勢を強いられているか、というと...

シャント肢脱血側・返血側に穿刺針が刺され、クランピングチューブをテープで固定

テープで固定されたクランピングチューブと血液回路とがジョイントされる。

このことにより

血液回路を介して、患者の腕と透析機器とが常時繋がっている状態となる。

血液回路の長さには、ある程度❝遊び❞があるものの

穿刺されたシャント肢及び上体そのものの可動域には、当然制限がかかる

余程大胆な動きをしなければ、シャント肢から針が抜けることはない。

そのことより、個人的に厄介なこと、それは

❝シャント肢を動かすと、静脈圧の値が変動してしまい

値が上がり過ぎると「静脈圧上限」警報が鳴る❞

ということ。

それでも

施設透析なら、病院スタッフが警報の解除操作をしてくれますが

在宅では

患者自ら立ち上がって(寝たままでは透析機器のディスプレイに手が届かないので)

アラームを止め警報アラートを解除、血液ポンプの再稼働操作を行わなければならない

したがって

「あまり腕は動かしたくない」との意識は

透析中、常にあるのです

上体の動きの制限

後述する「気分不快」と関連することとしてあるのが

血圧が低下した場合

その場合は、施設・在宅問わず

患者の上体をフラットな状態にし

血流を出来るだけ頭に戻してあげる処置を行います。

症状によっては、足を挙上させることもあります。

この点について、少し考え方を変えると

❝透析中の血圧低下を、できるだけおこさせないよう

患者は透析中、上体を出来るだけ倒しておいた方が、良い❞

ということになります。

患者によっては、基本姿勢がほぼ座位の状態で

血圧低下や気分不快が生じたら、都度背もたれをリクライニングする

という方もいるでしょうが

あまり落ち着かない気が、個人的にはします。

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継続する痛み

ここでは、穿刺部位の痛みにフォーカスします。

痛みは、時間の経過で変化します

穿刺の痛みは、瞬間的なもので済めばよいですが

穿刺針が血管周囲の神経にちょっとでも触れたりすると

「ビリッ!」と、電気が走るような痛みもある。

痛みは穿刺後、すぐに静まる場合もあれば、長引く場合もある。

すんなり血管内にカニューラが留置できても

カニューラ先端が血管の内側の壁に当たることで

別の種類の痛みが生じる。俗に言う

血管痛

と言われるものの一種ですかね。

カニューラのポジションを多少動かすことで、痛みが静まることはありますが

経験上

透析開始時から❝血管痛❞を感じる時は

その痛みが静まるまで、相応の時間は費やします

(※ちなみにここでは、血液がシャント肢内で漏れて腕が腫れる、といった状況は考えません。

その場合は当然、一旦針を抜き再度穿刺し直すので)

透析中、❝血管痛❞が持続するような時は

少しでもシャント肢を動かすと痛みが増幅するので

余計に動きの制限が加わります

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気分不快

血液透析が開始された直後

約200㎖の血液が体外に脱血されます。

比較的血圧が安定している私でも

血液ポンプが回り始めた直後は、頭が"フワッと"する時があります

気分不快の種類や程度は、患者それぞれ。

専門的事象は医療機関のHP等をご参照頂くとして

ここでは、私の実体験をご紹介。

多くの透析患者同様、私も

血圧が低下することで生じる気分不快は、頻繁におこります

頭が"スーッと"するような感覚もあれば

全身が"ムズムズ"することもある

透析を継続しているうちに、症状が緩和されるときもあれば

都度、除水速度を一次的に遅くすることで、症状が落ち着くのを待ち

症状が落ち着いたら、除水速度を元に戻す。

気分不快が生じている時は、症状が落ち着くのを待ち

とにかく透析が終わってくれることだけを、考えてしまいます

記憶力や思考力を働かせて勉強しよう

なんて余裕は、私の場合は全くありませんね。

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2.精神的制約

heart-disease,

精神的制約については、在宅血液透析ならではかもしれません

通常の施設血液透析では

穿刺したら、後は透析時間終了を待つだけ。

透析中、何か起こってもスタッフが対応してくれる。

この「安心感」が、在宅血液透析ではないんですね。

在宅血液透析の管理医療機関によっては

介助者に対して、患者同様のトレーニングを課し

透析中、患者の身体に変調をきたしたときの対処まで求めるところも、あるでしょう。

その点、私の場合(私のHHDを管理してくれている医療機関)は

血液透析に関連する全てを、患者一人で管理・実行する事を前提とし

そのためのトレーニングを行います。つまり

透析中の不測の事態への対処は、原則、患者である私自身が行うことになります。

その責任感」のような「危機感」のようなものが

私の潜在意識の中には常にあります

そのことから導き出されること、それは

❝透析中、絶対に寝ないこと❞

施設透析では

透析中、ぐっすり眠ってらっしゃる方、多くお見受けします。

在宅の私は、眠らない、眠れない

なぜか?

寝てしまった場合

はてな

誰が透析経過を見るのですか?

誰が不測の事態に対処するのですか?

実は過去、透析中睡魔が襲った際

何度も、過呼吸やパニックに似た発作を起こしたことがあります

その時の状況を、あえて言語化してみると...

参考

睡魔が訪れ"ウトウト"している時、それは

❝覚醒❞と❝睡眠導入❞との狭間で神経が揺れ動いてる状態。

「寝ちゃ駄目だ!寝ちゃ駄目だ!」

それでも、睡眠導入に傾きかけた刹那

潜在意識にある「責任感」「危機感」が、フッと頭をよぎり

「やばい!!」となる。ただ、その瞬間

今自分がいる場所が、覚醒しているのか睡眠導入期なのか

状況が不確かなことで頭がパニックを起こし

息が吸えなくなり、息苦しくなったり、動悸が激しくなったり...

文字を見ると眠くなるのは"人の常"(ですよね?)

あんな苦しい思いをしてまで勉強するとなるには

相当の覚悟が必要か、と思ってしまうのです。

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まとめ

thanks

冒頭、私が

当たり前の勉強スタイルを維持することが

血液透析をしていると、いかに難しいか。

などと申し上げましたが

そんな不自由を克服し、強い気持ちを抱き

血液透析中に勉強し知識を吸収している患者さんは、多くいらっしゃると思います。

あくまで「私」が難しい、だけ。

透析中の勉強を実践されている方に対しては

ただただリスペクトの気持ちしかございません。

かく言う私も、それなりに頑張った時期がありまして

それは約3年前、行政書士試験を控えた時期。

辰巳の肢別本(民法・行政法)をタブレットにインストして

問題解いて解説読む、といった勉強を

透析中に行っておりました

  

ただ、このときも

「気分不快が全く無い」というのが大前提

身体に不快感が少しでも生じると

文字を目で追う余裕が全く無くなります

明確な目標が設定されており

高いモチベーションを維持していれば

透析中に勉強すること、不可能ではありませんが

透析中に勉強を続づけるには、前提として

注意ポイント

  • 気分不快がないこと
  • 動作制限の少ない教材を使用すること

この二点は必要条件かな、と。

私も自己啓発へのモチベーション"だけ"は持ち続けてはいるので

アプリや電子書籍の読み上げ等

私なりの工夫をしながら、しっかり❝学び直し❞をし続けたいです

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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追伸

上記「電子書籍の読み上げ」に関してご興味ある方は下記記事ご参照下さい。

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