令和4年3月16日23時36分頃
福島県沖の深さ57キロを震源とするマグニチュード7.4の地震が発生しました。
この地震で震度6強の揺れを
宮城県登米市(とめし)・蔵王町(ざおうまち)
福島県の国見町(くにみまち)・相馬市(そうまし)・南相馬市(みなみそうまし)の
合計5つの市町村で観測しました。
東京に隣接する私の居住地でも大きな揺れを感じました(震度4)。
首都圏内の大きな揺れ、直近では
2021年10月7日㈭22:41
千葉県北西部を震源とするマグニチュード6.1
最大震度5強の地震があります。
地震発生時、在宅にて血液透析中であった私
当時の状況を
始めたばかりのVTubeで配信しておりました。
今回の地震発生時
くしくも2021年10月7日同様
私は、在宅で血液透析中でした。
地震の規模を示すマグニチュードの値を見てもわかるように
今回の地震の方が
体感としての揺れは大きかった、との印象です。
そこで
在宅血液透析中に大きな地震に見舞われた当時の様子と
その経験を踏まえ思うところを、お話して参ります。
[su_box title="お断り" style="soft" box_color="#4157fc"]
2021年10月の地震発生当時の振り返り動画と
一部内容、重複致しますこと
ご了承下さいませ。
2022年3月16日㈬在宅血液透析中の地震発生/当時の状況報告と今後へ向けて
この日は水曜日。「6連日血液透析」の4日目。
予定透析時間3時間。
いつもなら夕食後眠くなり、仮眠をとるところを
この日はそうはならず、結果
比較的早めに、透析を開始致しました(21:01透析開始)
気象庁の発表では、地震発生時刻は23時36分頃とのことですが
大きな揺れのピークを感じた実際時刻がいつだったか
今となっては思い出せませんが、しかし…
この日の揺れは、少々独特だったとの、個人的な印象。
在宅血液透析中は、通常
リクライニングチェアの背もたれを、仕様MAXまで倒した状態(約150°位?)
この姿勢だと、僅かな揺れも
個人的には感じることができます(近くを走る新幹線の通過時等)。
「なんか、揺れてない??」妻に声掛け。
妻は"そう言われてみれは"程度の体感だった様子。
その、微妙な揺れが、なかなか治まらない。
「長いな、この揺れ…」
時間にして30秒位か、嫌な時間が続いた矢先
「きた!!」
大きな横揺れ
とにもかくにも、MAX倒していた背もたれを戻し
上体を起こし「座位」の体勢を取りました。
理由はもちろん
自分で(患者自身で)で何かしらの処置を行える体勢をとる必要があるから。
血液透析に関わる全ての手技を患者自身で行う在宅血液透析では、当たり前。
[su_box title="参考" style="soft" box_color="#c7c7c9"]
2021年10月7日㈭時の写真
※今回は写真撮る余裕なし
ちょっとはこの写真だと分かりづらいですが…
紺色に見えるのは私の膝
胡坐(あぐら)をかいている状態。
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と同時に、血流量を
200mL/min→170mL/min位まで落としました。
これは、地震発生時に限らずですが
血液透析施行時の仰向け状態から
上体を起こす、といった体位変化をすると、静脈圧が上がる。
静脈圧が上がると、結果「静脈圧上限警報」が鳴ってしまう。
そのことは分かっていることなので、前もって調整してしまうということ。
その間に
この日の横揺れは、更に大きさを増しました。
「鉗子取って!!(透析)止める準備しとこう!!」妻に声掛け。
リビングにいた妻は、急いで透析終了(透析離脱 or 返血)の準備。
長く続く大きな横揺れも、揺れ自体は"ピークアウト"した感覚がありましたが
しかし、私としては依然「(透析)離脱の準備」したまま。
この「準備」というのは、実際的な「(透析)離脱の準備」もありますが
一番は、「心の準備」
"いつでも自力で離脱する"という「心の準備」です。
透析からの離脱、つまり…
- 血液ポンプを止めて、返血は諦めて
- 素早く針を抜いて
- 脱血側/返血側ともに、素早く止血バンドを巻く
というもの。
大きく長く続いた横揺れも、幸いにしておさまりました。
僅かな揺れを感じてから、どれくらいの時間が経過していたでしょうか。
体感としては、非常に長く感じました。
揺れが治まったとはいえ、まだ油断はできません。
体位は座位のまま、いつでも動ける体位を維持したまま透析継続。
しかし、それも束の間
テレビから聞こえる"緊急地震速報"の音。
※この日は、スマートフォンの緊急地震速報は一度も鳴りませんでした。
「危ない、もう(透析)止めよう!」
緊急地震速報後、実際揺れは発生しませんでしたが
透析の停止ボタンを押し、返血工程、抜針、止血…
時に時間は23時48分
この日の透析終了予定時間は00時02分
予定透析時間3時間のところ、2時間46分
予定除水量1.3Lのところ
0.1残しの、積算除水量1.2Lで、透析を終了しました。
[su_box title="参考" style="soft" box_color="#e1dede"]
我が家の"被害状況"ですが…
棚に飾ってあった写真盾が床に落ち、破損しただけ。
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まとめ
2021年10月7日、マグニチュード6.1
2022年03月16日、マグニチュード7.4
首都圏では比較的大きな2度の地震
特に
2021年10月7日より地震の規模の大きいこの度の地震を
"在宅"で"血液透析中"に経験したことで
イチ現役の在宅血液透析患者として学んだこと、それは
「揺れを感じたら、即透析終了すべし」
ということです。
[su_box title="注意!!" style="soft" box_color="#fc1f1e"]
これは、医療機関からの正式な指示、というわけではありません。
あくまで医の素人、イチ在宅血液透析患者が
在宅血液透析中に大きな地震に見舞われた経験から
個人的に思ったことです。
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今回の地震で私は
横揺れが更に大きさを増した際
「鉗子取って!!(透析)止める準備しとこう!!」と妻に声掛けし
「(透析)離脱の準備」(心の準備)はしましたが
実際にはその時点で、透析は終了しませんでした。
今回は、たまたま揺れがピークアウトしたというだけ。
あの時、更なる大きな揺れに見舞われていたら…
今回のような「透析を終了すること」への一瞬の躊躇が命取りになる
その可能性は大いにあるわけです。
現在、私の在宅血液透析のスケジュールは
週6回3時間の連日血液透析
連日(毎日)、血液透析を行えるということは
仮に一日透析をスキップをしても
翌日、透析ができるということ。つまり
その日開始した透析を終了することに、躊躇はいらないな、と。
その判断が杞憂に終わっても
大事に至らないわけですから、別に良いではないですかね。
勿論、それをも許さない
未曾有の大災害に見舞わる可能性は想定されます。
「透析止めても次の日(透析)できる」といったところで
東日本大震災級の大地震に見舞われては
そんな保証はないわけで…そのことを考えると悩ましい。
今準備できること
最悪の事態を想定はしつつ
より現実的な"落としどころ"を見つけ
それを日々実践していく。
それしかありません。
今回の経験を良い教訓にしたいところであります。