当ブログや、Podcastでも再三ご紹介させて頂いておりますが
私は、2013年8月に在宅血液透析(HHD)を導入し
今年で8年目になります。
その間
透析中の不測の体調不良に見舞われることはしばしばありましたが
自身の不注意による「準備」や「手技」のミスは
殆ど無かったと、自負しておりました。
が!!
やっちまいました。
HHD導入8年目にして、やらかしちゃいました。
幸い、身体に影響を及ぼすような類のものではなかったので
大事には至りませんでしたが…
今後このようなことを起こさない、との自戒の念を込めて
【在宅透析とトラブル】HHD導入8年目での"ポカ" 自戒の念も込めて白状します…
"ポカ"をしたのは
プライミングの工程と
血液回路と留置針との接続工程
それぞれについて、状況説明いたします。
プライミングの工程
結論から申し上げますと
[su_note note_color="#f5f021"]
補液(生理食塩水)ラインのクレンメ閉め忘れ
&
補液(生理食塩水)ラインへの鉗子のかけ忘れ
[/su_note]
プライミングの詳細な工程(患者レベルの情報)については
下記ブログを、宜しければご参照下さい。👇
HHD管理病院からは鉗子は
4本
支給されています。
これには意味があって
プライミング時(広義の意味、つまり自己穿刺前までの準備)
鉗子をかける箇所が4か所ある、ということ。
- 血液回路動脈側アクセス部位付近
- 血液回路静脈側アクセス部位付近
- 静脈側エアートラップチャンバーの薬液注入ライン
- 補液(生理食塩水)ライン
支給された鉗子本数と鉗子をかける箇所が同数である、ということは
プライミング終了時に、もし未使用の鉗子があったとすれば、それは
鉗子のかけ忘れの箇所がある、ことを意味します。
今回、補液(生理食塩水)ラインへの鉗子のかけ忘れ、をしているわけですから
鉗子のかけ忘れの箇所があることに、気づかなければなりませんが…
自己穿刺、脱血側/返血側とも終わり
血液回路と留置針との接続工程に入ります。
まず返血側から接続しますが、その際
クランピングチューブ付近に鉗子をかけます。
当然です。
クランピングチューブ付近に鉗子をかけずに、チャンバードプラグ(キャップ)を緩め外したら
血液、ダダ流れです。
鉗子をかけたいものの、上述したように
4本の鉗子は全て、必要箇所にかけられていて、余りはありません。
そこで
血液回路動脈側アクセス部位付近にかけていた鉗子を外し
それを使うことになります。
大体、話の筋が見えてきたんじゃないですかね?
補液(生理食塩水)ラインのクレンメを閉じ
重ねて当該箇所に鉗子をかける、ということは
血液透析が開始された時、つまり血液ポンプが回り始めた時
補液(生理食塩水)が体内に流入されることは、絶対あってはなりませんから。
(※血圧低下による緊急措置のケースは除く)
補液(生理食塩水)ラインのクレンメを閉じられ
重ねて当該箇所に鉗子をかけられていれば、当然
血液回路動脈側アクセス部位付近にかけていた鉗子を外しても、問題ありません。
本来なら。しかし今回は
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補液(生理食塩水)ラインのクレンメ閉め忘れ
&
補液(生理食塩水)ラインへの鉗子のかけ忘れ
[/su_note]
しているわけです。どうなりますかね?
血液回路動脈側アクセス部位付近にかけていた鉗子を外した瞬間
補液(生理食塩水)が"ドバドバ"流出してきました!
「なに?なに?なに?」
時間にして10秒程でしたでしょうか。
すぐに原因は分かり、クレンメを閉めましたが(当然、鉗子もかけましたが)
テーブルに敷いた除菌済シートはビチャビチャ
少量ですが、テーブルしたのカーペットも濡れる始末…
完全に、"bonehead"です。
しかし、悪い流れは続きます。この
[su_note note_color="#f5f021"]
補液(生理食塩水)ラインのクレンメ閉め忘れ
&
補液(生理食塩水)ラインへの鉗子のかけ忘れ
[/su_note]
は、次の血液回路と留置針との接続工程でのミスに繋がるわけです。
血液回路と留置針との接続工程
こちらも、先に結論から申し上げますと
A側(赤)とV側(青)を反対に接続した
ということ。
先述したように、補液(生理食塩水)ラインのクレンメを閉じられ
重ねて当該箇所に鉗子をかけられていれば、当然
血液回路動脈側アクセス部位付近にかけていた鉗子を外しても、問題ありません。
"返血側"留置針のクランピングチューブ付近に鉗子をかけ
"V側"アクセスラインのキャップ(青)を外して
静脈側穿刺部と接続します。
それが、なぜ「逆接続」してしまったのか?
自分で推察するに…
[su_note note_color="#f5f021"]
補液(生理食塩水)ラインのクレンメ閉め忘れ
&
補液(生理食塩水)ラインへの鉗子のかけ忘れ
[/su_note]
したことで、"A側"アクセスラインから、補液(生理食塩水)が"ドバドバ"流出してきた。
その瞬間、意識が"A側"に傾いてしまった
そして、無意識に"A側"アクセスラインを手に取ってしまった。
手に取ってしまった"A側"アクセスラインを、いつもの手順通り
"静脈側"穿刺部位に接続してしまった、というわけ。
補足的な話になりますが、本来の
"V側"アクセスラインと"静脈側"穿刺部位との接続時
プライミング時に静脈圧を約100mmHg程度で準備しているので
接続後、"V側"アクセスラインの鉗子を外すと、圧の影響で
回路内の生食が「シュッ!」と血管内に入る感覚がある。
圧のかかっていない"A側"アクセスラインの接続では、何の変化も感覚もない。
したがって、そこで気づいても良さそうだが…スルーしちゃったんですね。
その後
本来"返血側"であった穿刺部位から、"脱血"が開始されたわけですが
幸い、といっていいのか分かりませんが
十分な血液の"引き"はあったんですね、ピローもちゃんと張りがありました。
ただ
「何かおかしい…」
という感覚が、すぐにありました。
具体的には
血液ポンプが回り始めた直後の
静脈圧値の"初動"が、いつもと違った
とういもの。ホント「なんとなく違うな」という程度。
しかし、その僅かな気づきのお陰で「逆接続」に気づくことができました。
気づいた後は、冷静に対処できました。
褒められるようなことではないですね、はい。
まとめ
今回、なぜこのような「ポカ」をしてしまったか。
理由はハッキリしています、私の注意散漫です。
なぜ「注意散漫」となったか、その背景を説明すると…
その日は、Podcastの収録、その後の音声データの編集作業をしていました。
ところがその日は、なぜか音声ソフトの調子がよろしくなくて。
作業終了させることができず、ズルズルと作業を続けてしまっていました。
通常のスケジュールとしては
妻が仕事から帰宅した頃には、私は既に入浴を済ませており
プライミングも始めている。
妻の入浴後にはプライミングも終わっており
2人落ち着いた頃に、夕食。
食後はのんびりとした時間、場合によっては少々の仮眠をとります。
その後、残りのプライミングを施し、体重測定、バイタルチェックを行い
いよいよ自己穿刺、血液透析開始、となるわけです。
ところが、この日は
妻が帰宅した時にも、私はパソコンをパチパチ、当然プライミングしておりません。
先に入浴を済ませた妻が戻ってきても、まだ私はパソコンをパチパチ。
プライミングは後回し、とりあえず入浴は済ませ、夕食に。
食後は休むことなく、再びPCパチパチ。
さんざん粘った挙げ具、成果物はあげられず、そこでthe End。
諦めて、後回しにしていたプライミングを始めたのですが
時間は、かなりおしておりました。
急ぐ気持ちは当然あったことでしょうが、それ以上に
終えられなかった音声編集のことが、依然頭にはあったのだと思います。
そんな注意散漫な心理状況でのプライミング
そりゃ、落ち度があっても仕方ありません。
今回は、体調面に負の影響を及ぼすような惨事とはなりませんでしたが
それはあくまで結果論。
専門スタッフの方々のいない、全てが患者責任の在宅血液透析において
今回のような注意散漫、慢心は、禁忌です。
猛省します。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。