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メリット/デメリット 在宅血液透析

【在宅透析のメリット】海外透析機器メーカーHPで紹介されている、在宅血液透析のメリット※2022年2月改訂

2022年2月24日

point

"専門医とつくる透析患者さんのための医療情報サイト"

MediPressによると

在宅血液透析の最大のメリットは

ポイント

十分な透析を行いやすい(緩徐+しっかり+こまめ)

他のメリットとしては

ポイント

  • 自宅で好きな時に行える
  • 通院の負担が大幅に減る
  • 透析液などを変更しやすい
  • 院内感染のリスクがない

とはいえ、在宅血液透析患者数が

透析患者総数の内、たったの0.2%にしか満たない(2020年末時点)現状で

そのメリットについて

思ったほど耳にする機会が少ない、というのが

私の印象。

補足

2021年11月10日配信のVTube動画でご紹介したデータを見ても

諸外国に比べて、日本の在宅血液透析普及率が

極端に低いことがわかります。

(転用元:UNITED STATES RENAL DATA SYSTEM(USRDS) 11: International Comparisons)

※とはいえ…

"諸外国に比べて、日本の在宅血液透析普及率が極端に低い"ということであって

全世界的規模で見ると、在宅血液透析患者数は

他の透析(通院血液透析/腹膜透析)と比べて、圧倒的に少ないのも事実。

ところで…

一般社団法人 日本腎臓学会

日本腎臓学会誌2013年55巻4号『在宅血液透析の拡がりと実践』に

下記のような記述がございました。

米国では、NxStage社が在宅血液透析専用マシーンを発売して以降患者は増加に転じ、

米国内の、在宅血液透析患者数増加に大きく寄与したとされる

透析機器メーカー『NxStage社(NxStage Medical, Inc.)』

気になります。

そこで、同社のHPを覗いてみました。

するとそこには、患者へ向けた在宅血液透析に関する情報(メリット)について

日本のそれより、ややつっこんだ内容が書かれていました。

今回はその一部をご紹介しながら

自身の在宅血液透析経験に基づく"イチ患者"としての私見も合わせて

述べていきたいと思います。

補足

「覗くんなら、在宅血液透析普及率圧倒的なフィンランドの企業のHPの方がいいのでは?」

仰る通り!!

ネット探索したものの、これ!というものが見つかりませんで…

引き続き、捜索を続けます。

kindle,(Amazonに飛びます)


【在宅透析のメリット】海外透析機器メーカーHPで紹介されている、在宅血液透析のメリット

(転用元:NxStage Medical, Inc.)

注意!!

これから、NxStage社HPでご紹介されている

在宅血液透析のメリットについてご紹介してまいりますが

今回は、「なぜ、そうなるのか?」

在宅血液透析の最大のメリットである

ポイント

十分な透析を行いやすい(緩徐+しっかり+こまめ)

このことの生体内での"作用機序"にまでは深入りは致しません。

より専門的且つメディカルな話

私のような医の素人が軽々しく説明することは危険!

という側面もございます。

予め、ご了承下さいませ。

Less Stress on the Heart

慢性腎臓病患者が患う合併症の一つとして

ここでは「左室肥大(left ventricular hypertrophy :LVH)」が挙げられており

その「左室肥大」が"減った"とあります。

心肥大の主な原因の一つが"体液貯留"であるとすると

確かに

ほぼ毎日、血液透析を行っていると(連日透析)

浮腫みを感じることは、少なくなりました。

それだけ、心臓への負担は軽減されているということでしょうか。

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Improved 5-Year Survival

"5年生存率の向上"とあります。この辺りは

米国と日本とでは、在宅血液透析患者数に現状かなりの開きがあり

当然、データ算出の際の母数が違ってくるでしょうから

私のような素人の口からは、ここでは

「米国では、そうらしい」

と言うに留めます。

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Fewer Medications

在宅血液透析9年目(2022年2月現在)

導入当初はDWが定まらず、血圧も高いまま。

よって、降圧薬は数種類服用しておりましたが

ここ数年は、たしかに減少傾向。

現在は、降圧効果を"狙って"というより、"頻脈対策"で

アーチスト錠2.5mgを、朝一錠だけ服用しております。

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More Energy & Vitality

"力みなぎる"といったところでしょうか。この点は、後出する

Ability To Work And Go To School

と合わせてお話します。

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Improved Appetite

在宅血液透析で「連日血液透析」をしている現状

一般的な通院血液透析患者様(週3回/3h~6h未満透析)が考えるような

厳しい「食事制限/飲水制限」を強いられてはいません。

誤解を恐れず申し上げれば

「好きなものを、好きなだけ、食べて飲んで」ます。

ただ、これを

「暴飲暴食してる」と同意味とは捉えないで頂きたい。

(他の在宅血液透析患者様のことは存じ上げませんが)

少なくとも私は「食事/飲水」についても

あくまで「透析患者」である自分を厳しく律し

"自己管理"の範疇で

「好きなものを、好きなだけ、食べて飲んでます」

と、ここでは申し上げさせて頂きます。

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Increased Likelihood to be on the Kidney Transplant List

直訳すると…

"腎臓移植リストに載る可能性の増加"

この指摘については(個人的には)、少し注意が必要かと思われます。

この記述は決して

在宅血液透析患者が、献腎移植待機順位が優位になる

ということを意味しません!(普通に考えたら)

"腎臓移植リストに載る可能性の増加"

この意味は(おそらく)

腎移植を受ける時点における

レシピエントの全身状態の良し悪しと関係があるのでは、と。

日本において腎臓移植といったら

「生体腎移植」か「献腎移植」を指すと思いますが

いずれの場合でも移植手術前

レシピエントの全身状態が良好であることは

あらゆる面で望ましいか、と。

私自身常日頃思っていることは

在宅血液透析(連日血液透析)は

"献腎移植手術までの身体メンテナンス"

だということ。

仮に献腎移植の順番が回ってきても

その時点で他の疾患、例えば癌などが見つかったら

手術が見送られてしまう可能性もあるかもしれませんからね。

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Improved Post-Dialysis Recovery Time

透析後の体調不良の一番の原因は

透析前後の血圧変動にあると思われます。

このことは上述の

「体液貯留」と関係しており

連日血液透析で体液貯留量を減少させることが出来る点においては

透析後の体調回復時間についても

HHDが優位に働くと言えるかもしれません。

ただ、経験談として

前出した「Fewer Medications」のところでもお話しましたが

導入当初はDWが定まらず

透析中の気分不快、透析後もそれが抜けず

翌日まで体調が回復しないことはありました(=Recovery Timeを要しました)。

一つ言えるのは

透析後、施設から自宅へ移動を余儀なくされる通院血液透析患者様と比べて

在宅血液透析患者は、その負担がなく

透析終了後すぐにでも安静の態勢を取れる

その点、メリットと言えばメリットかと。

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Improved Sleep Quality

むずむず脚症候群/レストレスレッグス症候群(restless leg syndrome:RLS)に関し

素人の私が深入りし、私の言葉で医療情報を発信するのは危険。

下記サイトをご参照👇

e-ヘルスネット(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)

長らく不眠に悩まされていた私ですが(※レストレスレッグス症候群ではない)

ここ数年は、幸い快眠。

冒頭にご紹介した、在宅血液透析の最大のメリット

ポイント

十分な透析を行いやすい(緩徐+しっかり+こまめ)

これによる、全身状態の安定が、快眠に寄与しているともいえるでしょう。

ただ、個人的な経験則(体験談)として、不眠の原因は

身体の全身状態の良し悪しだけでなく、精神的な側面、例えば

  • 自分の病気(慢性腎臓病)そのものへの不安
  • 病気に起因する、仕事や生活全般、ひいては将来への不安等

も関与していたかな、と。

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Ability To Work And Go To School

前出した「More Energy & Vitality」とも関連する要素かな、と。

「在宅血液透析」と「仕事」との関係については

正直、私の話は参考にならないかと…

私以外の在宅血液透析患者様の中には

「以前と変わらず、バリバリ働きたい!!」との理由で

在宅血液透析を導入された方も、いらっしゃるかと思います。

が、私は"それ"ができなかった…

この辺りについては、拙著

『在宅血液透析患者のリアルー導入から8年、透析回数2000回までの軌跡』

で、詳細にお話させて頂いておりますので、よろしければ是非ご参照下さい👇

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まとめ

thanks,

冒頭でも申し上げましたが

昨今のコロナ禍で、通院血液透析患者の感染リスクがさけばれる中

在宅血液透析のメリットについて

もっとメディア等で耳にするかと思ったのですが

実際はそうでもない、というのが私の印象。

日本透析医学会雑誌46巻10号『わが国の在宅血液透析の現状と普及対策』に

下記のような記述がございました。

HHD普及の最大のモチベーション(中略)

米国では(中略)自宅療養尊重、自己決定権の尊重に主眼が置かれており、

いわゆる Do it yourself spirit による。

わが国では、(中略)日本のHHDの普及を考える場合、それはガバナンス型ではなく

米国のような Do it yourself 型であろう。

(引用元:『わが国の在宅血液透析の現状と普及対策』)

以前のブログで、在宅血液透析機器つまり"ハード面"の向上の一例として

北里大発スタートアップ企業の取り組みをご紹介しました。

一方で、"ソフト"の向上

  • 自宅療養尊重
  • 自己決定権の尊重

いわゆる

「Do it yourself spirit」が患者文化として根付いていくことは

一朝一夕にはいかないでしょう。

現在私は、在宅血液透析に関する、イチ患者目線の情報を発信しています。

そこで意識しているのは、一つ一つの事象について

「〇〇である!」「〇〇だと思う!」といった主観は出来る限り述べず

あくまでイチ患者のイチ経験の"事実描写"に終始する、ということ。

なぜなら、私は医に関して素人だから。

それでも、複数の情報メディアを通して

在宅血液透析患者の生活を"実況中継"することは

私の中にある「Do it yourself spirit」を垣間見せることにはなるでしょう。

それも見聞きされた視聴者様、特に多くのCKD患者様が

"何か"を感じて頂ければ。

そのことが、ひいては透析患者様のソフト面の向上

大風呂敷を広げるとすれば…

「文化形成」の一助となる

と、信じて、これからも今の情報発信活動に注力してまいります。

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