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Learning English 在宅血液透析

【在宅透析の今後】❝コミュニティハウス血液透析❞はHHD導入障壁を解消するオプションとなりうるか?

2020年5月30日

chatting,talking

コミュニティハウス血液透析」という言葉を聞いたことありますか?

私は、ありませんでした。

在宅血液透析(HHD)を希望する方の中には

住環境の問題等で導入を断念される方もいること、推察されます。

コミュニティハウス血液透析」というのは

❝在宅血液透析(HHD)の導入障壁を解消するオプションの一つ❞

だそうな。

さしずめ、今風に言えば

❝シェア血液透析ハウス❞、といったところか。

最初に「コミュニティハウス血液透析」なる言葉を見たのは

The International Society of Nephrology (ISN)

Considering Alternatives to Support Home Hemodialysis: The Benefits of Community Hemodialysis Houses

という記事でしたが(※現在リンク切れ🙇)

その後リサーチしてみると、どうやら元ネタは

The National Kidney FoundationオフィシャルジャーナルKidney Medicine

Patients’ Experiences of Community House Hemodialysis: A Qualitative Study

という記事っぽい。なぜなら、情報がより詳細でより専門的なので。

しかし、せっかく興味深いトピックなので、なんとか皆さんと情報共有したい

そこで今回は私見で、内容が良くまとまっているな、との印象を受けた

Healio

Community house hemodialysis proves to be convenient, affordable

をベースに

コミュニティハウス血液透析」とは、いかなるものか

勉強していきたいと思います。


【在宅透析の今後】❝コミュニティハウス血液透析❞はHHD導入障壁を解消するのか

house,

イントロダクション

Researchers from New Zealand found that

receiving hemodialysis in a community house provided many advantages to patients,

including the flexibility that accompanies home dialysis without the high costs.

今回のレポートは、ニュージーランドの研究者たちによるもので

彼等の研究により、「コミュニティハウス血液透析」が

  • without the high costs 高コストなし
  • flexibility (在宅血液透析導入への)柔軟性

等、患者にとって多くの利点があることが分かった、と。

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研究の背景

There is a global inequity in access to home hemodialysis

for indigenous peoples in New Zealand and Australia, Canada, and

for minority populations in the United States

研究の背景として

"a global inequity in access to home hemodialysis"

HHDを導入する際の不平等

を挙げています。

日本に比べHHD普及率の面では

ニュージーランド、オーストラリア、カナダなどは高いのですが

先住民族をはじめとした国内のマイノリティ集団と、それ以外の集団との間に

"inequity in access to home hemodialysis"がある、としています。

記事の中盤あたりには、在宅血液透析(HHD)を

導入したいのに出来ない事情として

because they did not own their own home

(and could not install the machine in a rental property) or

did not have enough space for the machine or storage of dialysis supplies.

持ち家でないため、また

透析備品や透析機器を保管、設置する十分なスペースがなかった

ことが、挙げられています。

まあ、この辺りの事情は、民族的マイノリティの問題関係なく

日本でもあると推察されますが。

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コミュニティハウス血液透析の❝中身❞

camera,

At the community house, patients had their own designated machine.

コミュニティハウスでは、患者は自分専用の透析機器を持っていて

Some rooms in the house had multiple machines which, (省略)

enabled patients to maintain

social contact and peer support

during treatments.

いくつかの部屋には複数の透析機器もあって

治療中に患者同士が

  • 社会的接触
  • ピアサポート

も維持できる仕組みになっているようです。さらに

All rooms were equipped with televisions and heating.

全室にテレビ・エアコンも備わっているそうです。

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コミュニティハウス血液透析に関する4つのポイント

point

研究には25人の患者が参加をしました。

コミュニティハウス血液透析参加の後、彼らはインタビューを受け

そこから研究者らは4つのポイントを導いています。

ポイント_1

participants indicated that receiving dialysis in this way placed less burden on their families,

コミュニティハウス血液透析によって家族の負担が軽減されるのでは、と

患者自身が感じた、ということ。

it allowed them to keep their illness more private

while simultaneously

providing safety to children by lessening exposure to dialysis machines and needles.

この意識変化により患者は、病気をよりプライベートに保つことができる、また

透析装置や穿刺針への距離をとることで、子供たちの安全をも確保できる、と。

私の個人的な思いとしては

患者の家族と、病気や治療について正面から向き合うことは

悪いことではないのでは、と。わざわざ

"keep their illness more private"

な状況に身を置く必要はないと思うのですが・・・また

HHDを導入した場合、部屋に穿刺針がむき出しでそこら辺に散乱しているわけではないので

上記記述は、少々過剰反応では?と、ちょっと思ってしまいました。

In addition,

community house hemodialysis reduced out-of-pocket costs

compared with home hemodialysis.

加えて

在宅血液透析(HHD)と比較して、自己負担費用を削減したそうです。

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ポイント_2

participants were pleased with the flexibility offered by community house hemodialysis.

参加者が

コミュニティハウス血液透析がもたらす「柔軟性」に満足した、ということ。

They were able to maintain normal activities

— such as social or work commitments and the ability to travel

— by adjusting their dialysis schedules.

自身で透析スケジュールを調整することで

仕事や旅行をはじめとする、通常の活動を維持することができた、と。

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ポイント_3

participants described community house hemodialysis as

bestowing more control over their health

by promoting self-management.

コミュニティハウス血液透析は

患者が自己管理の徹底をはかることで、健康への意識がより高まる、ということ。

(次の記述は少々独特ですが↓)

In addition,

they were able to mold the house to “a place of wellness”

away from the hospital which they associated with “sickness”.

患者らは「病気」に関連する病院から離れた

「健康の場所」に家を形作ることができた

現状の施設血液透析の場所、そこは当然「病院」

つまり、否が応でも自分が病気であるとことを自覚する場所。

これに対して

在宅血液透析では、周囲が自身の住環境なので

病院独特のあの空気感は、確かにない。

言わんとしてることは、分かりますけど、病院をあえて

associated with “sickness”と表現するところが、なんとも独特。

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ポイント_4

they appreciated the support from peers,

which helped ease anxiety and allowed patients to learn from each other.

患者同士が互いを知り、サポートし合いうことで

互いの不安を和らげたりする、ということ。

このブログも、そうありたいとの思いで運営してはおりますが

まだまだですね。

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まとめ

thanks,

This study indicates that

community house hemodialysis meets the treatment preferences of a group of patients

who otherwise may not utilize home hemodialysis,

研究結果によれば、コミュニティハウス血液透析は

現状の在宅血液透析を利用できない患者の要求に応えうる

としています。

Community house hemodialysis is a dialysis modality that

overcomes many of the socioeconomic barriers to home hemodialysis

コミュニティハウス血液透析は

在宅血液透析導入に際しての社会的・経済的障壁を克服してくれる

It is therefore a significant addition

to independent hemodialysis options available for patients.

コミュニティハウス血液透析は

患者自身による独立した血液透析を可能とする、重要なオプションだ、と。


投稿のキッカケとなったThe International Society of Nephrology (ISN)

Considering Alternatives to Support Home Hemodialysis: The Benefits of Community Hemodialysis Housesには

(※現在リンク切れ🙇)

Benefits of Community House Hemodialysis(コミュニティハウス血液透析の利点)を、シンプルに

ポイント

  • patients have a designated machine (or share between 2)
  • independent patients
  • treated as their home
  • unstaffed

と、表現しております。

なるほど

ポイント

  • 自身専用の透析機器を持った患者が
  • 独立性を保ちながら
  • シェアハウスで血液透析を行うことで
  • 周囲の負担を極力軽減する。

もし、この❝シェア血液透析ハウス❞が実現すれば

施設血液透析(CHD)と在宅血液透析(HHD)との、中間に位置する医療体制

ということになるでしょうか。

冒頭で述べたように

現在の住環境問題等でHHD導入を断念せざるを得ない患者の方々にとって

「シェア血液透析ハウス」は一つの光明となりえるかもしれませんね。

ただ、今回の記事では

具体的な運用方法まで突っ込んだ内容は含まれていなかったので

そこがイメージできないと、今の日本では現実味のない仕組みかな

というのが、正直な私の感想です。

文中にあった言葉

関連

  • keep their illness more private(病気をよりプライベートに保つ)
  • independent patients(患者の独立性)

確かに耳障りの良い標語ではありますが

やはり現実的には、家族の理解、家族の支えをベースとした

"Home" Hemodialysis(❝自宅❞での血液透析)の普及が

現実的に目指せるゴールかな、と思いました。

皆さまは、どう感じましたか?

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考資料(まとめ)

HealioCommunity house hemodialysis proves to be convenient, affordable

Kidney MedicinePatients’ Experiences of Community House Hemodialysis: A Qualitative Study

The International Society of Nephrology (ISN)『Considering Alternatives to Support Home Hemodialysis: The Benefits of Community Hemodialysis Houses』(※現在リンク切れ)




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