
月1回の「在宅血液透析外来」へ行ってまいりましたので
そのご報告を致します。
2025年6月、在宅血液透析外来報告です。
いつものように、血液検査の結果報告から参ります。



※先月(2025年5月)在宅血液透析外来報告は下記動画参照👇

"比較的キレイな"血液の検査結果
先月の在宅血液透析外来報告で
「次回の採血は"一番キレイな検体"を提出する」
と申し上げていましたが…結論から申し上げると
今月提出の検体は、一番キレイな検体"ではない"検体を提出することになってしまいました。
なって"しまいました"ということですので、理由はあるのですが、それは後述するとして。
重複する説明になりますが、一応
毎月提出している私の検体は基本「非透析日㈯明けの㈰の透析開始時に採血した検体」です。つまり
㈯を除き毎日連日血液透析をしている私にとって
唯一透析をしていない㈯明けの日曜日の血液の状態がいわば一番"きたない"血液なわけで、それを提出しています。
日曜日から㈪㈫㈬㈭㈮と連日血液透析する私にとって
一番"キレイな"血液を採取しうるタイミングとしては、金曜日の透析開始時。
ただ現実、検体提出先のクリニック並びに検査機関の運用状況の関係から
その前日である㈭の透析開始時に採取した検体を、今月提出する予定でした。
実際、㈭透析開始時に採血した検体を提出はしたのですが
「とある理由で」㈰㈪㈫㈬と連日血液透析をした状態で迎えた㈭の透析開始時の検体を提出できなかった
実際は、㈰㈪透析日、㈫"非"透析日、㈬透析日、で迎えた㈭の透析開始時の検体を提出した
つまり、通常で言うと非透析日㈯明け日曜日、比較的長めの透析をした日の翌日㈪の透析開始時の検体に近い検体を提出することになりました。
(説明が冗長で、すみません)
なぜ、火曜日に通常通り透析ができなかったかの理由については、繰り返しになりますが後述するとして…
今回「非透析日㈫明け水曜日、(私にとっての)比較的長めの時間(3H)透析をした日の翌日㈭透析開始時の検体の結果ですが…
いつもより劇的に良い!というわけではありませんが、多少は良いかな、という印象です。

ちょっと見にくいですが💦
「尿素窒素(BUN)」を見ると、前日透析をしている影響が顕著に表れていますね。
他の項目は「"下がっている"といえば下がっている」というレベルでしょうか。
なので、これが次回
当初の予定通りに、㈰㈪㈫㈬と連日血液透析をした状態で迎えた㈭の透析開始時の検体を提出して、結果がどうか
楽しみに待ちましょう。
VA(バスキュラーアクセス)の違和感→シャント肢血管エコー検査
VA(バスキュラーアクセス)、動脈と静脈との吻合部ですね。
私も透析患者"らしく"「ぼこっ」と盛り上がっていますが
6月に入ってその"山頂"辺りが、やや赤みを帯びてきました。

加えて、同部位を軽く押すと、「痛み」という程ではないが「違和感」がある。
VAの感染?吻合部から中枢側血管の狭窄?
早めに診てもらおうとクリニックに電話で相談。翌日にエコー検査をすることになりました。
結論から申し上げると…現時点で何かするような状態ではない、とのこと。
つまり、吻合部の感染なし、吻合部から中枢側血管の狭窄もみとめられなかった。
一安心ではありましたが…
シャント肢血管全体のエコー検査でわかったこと、それは
所々に血管の「石灰化」が見られる、ということ。
今回のVAの違和感も、吻合部血管内の一部「石灰化」が原因ではないか、と(エコー検査で石灰化が確認された)。
吻合部のみならず、他数か所にも「石灰化」が認められた。
2023年8月に上腕部付近のシャント肢血管にPTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty:シャント経皮的血管形成術)を施しているのですが
残念ながら現状同部位血管はかなり細くなっていて、末梢から流れてくる血液がスムーズに流れているとは言い難く(当然「刺せない」=「返血できない」)
行先を塞がれた血液が他の"枝線"血管、具体的には上腕尺骨側(内側)の血管が血液の"逃げ道"になっているのではないか、と。
手首付近にあるVAから中枢へ向かって流れる動脈血が、肘関節より中枢の上腕部で
完全な狭窄ではないが血管が細くなり血流が滞っているため、肘関節より末梢のシャント肢血管及びVAに、どうしてもテンションがかかっているのではないか、とも。
シャント肢血管の「石灰化」の原因として、透析患者として意識していることといったら「リンとカルシウムのバランスの崩れ」かと思います。
リンを適切に体外へ排出できない我々透析患者は、体の中のリンとカルシウムのバランスが崩れた結果、血管壁などでリンとカルシウムが結合して石灰化してしまう。
ただ、シャント肢血管の「石灰化」の原因はそれだけではないようで。
リンとカルシウムを適切に管理できていたとしても、透析患者として逃れられないある種の"構造上の理由"
本来、穏やかな流れの静脈血が流れることを想定している静脈血管内に
動脈との吻合部から"勢い"のある動脈血が大量に流れ込んでいるわけで、このような「非生理的な」ことを余儀なくされている結果
血管にストレスがかかりやすく、傷つきやすい状態になり血管の損傷、石灰化を促進するのだそうだ。
在宅で連日血液透析を頑張っている結果として、毎度の血液検査の結果は良好、つまり
リンやカルシウム、PTHインタクトの管理は出来ている自分は、シャント肢血管の石灰化は"大丈夫!"と高を括るいたところがあった。
それが此度のエコー検査で血管内の所々に石灰化が認められたこと、石灰化の原因が透析患者である以上やむを得ないという現実を突きつけられたこと
さらには、先の「抗HLA検査強陽性」により献腎移植を受けられる可能性が大いに狭まったこととも相まって
つまり、この先まだまだ今の透析生活からは離脱はできない、そのためにはシャント肢血管を長持ちさせないと
でも、血管内の石灰化は逃れられない→ゆくゆくは血管狭窄→VA再造設…などのことまで考えて
かなりブルーな気持ちになりました。
ならば穿刺可能血管を「開発」することは急務、と個人的に思い
一通りのエコー検査のあとも、エコーをあてながら血管の走行をなぞってもらい
「ここ、刺せるかも」という箇所を複数指南してもらいました。

そこで指南いただいたある部位を、その日の夜の穿刺で試したら失敗した、それが先述した
「火曜日に透析が出来なかった」理由です(長々した説明ですみません)。
より正確に記述すると…
穿刺ミスしたのは「返血側」
穿刺した時、確かに外筒の先っちょが辛うじて血管内に留置できている状態(※結果、血管には刺さっていなかったのだが)で
ただ、血液回路との接続前に穿刺部からの血液の戻りはあったので「やってみよう!」と血液ポンプを回したところ
静脈圧はぐんぐん上がり、異常値でアラート連発、返血部もみるみる腫れてきている
「こりゃ、刺さってないな、漏れてるな」と。
リカバリーを試みたが(※リカバリーの詳細まで話すと長くなるのでここでは割愛)それも失敗
結局針を抜き、その日透析するのを諦めた、結果想定外の「㈫が非透析日になった」というわけでした。
ちなみに、エコー検査のあと先生から「造影CT撮ったら?」というお話をいただきましたので
近いうちに、大学病院(腎移植手術を受けた病院、現在献腎再診外来を受診している病院)に行く予定。
結果がでましたら、ご報告させていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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