血液透析中の過ごし方は患者それぞれ。
「寝てる間に終わっちゃった」
なんて方もいるでしょう。
4hの透析を"頭"から眠ることができたら
感覚時間はどれくらいなのか、少々興味はあります。
さらに
「寝ている間に血液透析が終わって欲しい…」
こういった患者の思いに一部応えたのが
❝オーバーナイト血液透析❞
ということになりますか。
ただ、オーバーナイト血液透析も
透析中に患者が安心して眠りにつけるのは
近くに透析専門スタッフがいてくれるから。
HHDでは、透析をする患者のそばに、専門スタッフがいない。
ここは、他と決定的に違う点。
在宅血液透析で起こる事象の全ては
患者である私の責任のもと行われなければならない、ということ。
患者自身で完結するようトレーニングを受けているので、当然といえば当然です。
❝全て患者が行う❞ということは
❝透析中は眠れない❞
とも言えます。
私は透析中、絶対に寝ません❗。
激しい睡魔に襲われますが、なんとしてでも寝ません❗。
❝透析中寝ない❞との姿勢の裏付けとして
私自身の責任感といった「精神的側面」だけでなく
「生理学的側面」の理由で
ポイント
透析中は寝ない方が良い
といことは言えないのか?
「透析中の睡眠」について
【透析中の睡眠】透析中❝絶対に寝ない❞理由は、透析中の睡眠と「血圧低下」との関係にあり
透析中の血圧の動き
参考書籍は
血液透析(=在宅血液透析)導入の際
透析に関する最低限の知識は吸収しておこうと購入した
下記のものを使用します。
ザっと通し読みしていた内容の中から
「透析中の血圧低下」
に関する項目を精読し直し、そこにフォーカスしていきます。
※ちなみに、私が現在持っているものは古く
最新版は下記の書籍になろうかと思いますので
ご興味のある方は、是非。
透析関連低血圧の定義・分類
日本透析医学会の「血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン」では
透析に関連する低血圧を
メモ
- 透析低血圧
- 起立性低血圧
- 常時低血圧
とに分けておりますが
私が今回フォーカスするのは、この中の
ポイント
透析低血圧
❝血液透析を行っている最中の急激な血圧低下❞
のことを指します。
尚
同ガイドラインには「透析中の急激な血圧低下」について
下記ような説明がございます。
透析中の急激な血圧低下とは、
透析中に収縮期血圧が20mmHg以上あるいは
症状を伴って平均血圧が10mmHg以上低下する場合
と定義しているが、その根拠は明らかでない。
透析中の急激な血圧低下時には臓器・組織灌流が急激に低下し、
特に、冠血流や脳血流の減少は致命的で危険な合併症であると理解すべきである。
(引用元:「血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン」)
透析中に血圧が下がる原因・機序
同書籍には、「透析中に血圧が下がる原因・機序」として
メモ
- 心機能障害
- 自律神経機能異常
- 低栄養・貧血
- 除水とプラズマリフィリングのアンバランス(除水量や除水速度の不適切な設定)
- ドライウエイトの不適切な設定
- 透析液組成・透析液温度・透析膜
- その他
に項目を分けて説明をしております。
幸い、現在のところ
「心機能障害」と「自律神経機能」に異常はないので心配しておりません。
「低栄養・貧血」については
❝しっかり食べてしっかり透析❞が功を奏していいるのか
血中のアルブミン値にも問題はありません。
意識するのは
「除水とプラズマリフィリングのアンバランス」
ドライウエイトの設定が不適切なら当然❝アンバランス❞が生じるわけですから
この2項目は連関しているかと思います。
「プラズマリフィリング」とは下記の通り。
透析による除水はまず血管内の水分、次いで間質液から血管に移動した水分、
最後に細胞内から間質を経て血管内に移動した水分の順で行われます。
こうした血管外から血管内への水分の移動を
「プラズマリフィリング」といいます。
(引用元:腎臓・透析療法・透析患者の体のすべて)
透析中の患者に見られる血圧低下の兆候
透析中の患者に見られる血圧低下の兆候には
どのようなものがあるのか。
血圧低下の兆候として、
生あくび・眠気・脱力感・頻脈・体熱感・悪心・嘔吐・冷汗・筋痙攣・顔面蒼白・腹痛・便意・虚脱感・息切れ・胸内苦悶・意識低下・脈が触れない
などの症状が現れます。
(引用元:ナースの星)
過去、透析中意識を失ったことのある私の感覚として、上記症状として当てはまったのは
生あくび、頻脈、冷汗、顔面蒼白、意識低下
といったところでしょうか。
一般的な睡眠時の血圧の動き
素人認識として
❝人間は眠ると血圧は下がる❞
と思ってはおりました。
ただ、曖昧な知識のままでは気持ち悪いので
今回、少し自分なりに突っ込んで調べてみました。
一般社団法人 日本女性心身医学会 日本女性心身医学会雑誌「女性心身医学」19巻1号
睡眠時には、
心拍数の減少、拡張期・収縮期血圧の低下、
唾液・涙分泌の減少、消化器系の活動低下がみられる。
(引用元:日本女性心身医学会雑誌「女性心身医学」19巻1号「自律神経と睡眠」)
また、日本感性工学会 日本感性工学会論文誌17巻2号
「入眠時心像を用いた入眠過程における感情効果に関する心理生理学的研究」には
入眠過程は覚醒から睡眠への移行期である入眠期に進行する。
覚醒時に比べ覚醒水準が低下し、作業能率の低下などもみられ、
音刺激に対する反応時間の増加など感覚閾値も上昇する。
との記述がございました。
まとめ
このように
「透析中の血圧の動き」と「睡眠時の血圧の動き」を連関させると
❝HHD患者である私は、絶対透析中は寝てはいけない❞
という、私なりの結論となるわけです。
なぜなら
❝透析中の患者の作業能率が低下し、血圧が低下することは
専門スタッフのいないHHDでは非常にリスクが高まる❞
から。
ただ
透析中の睡魔は、ホント厄介ですよ。
透析開始間もなくして襲ってくることもしばし。
「眠いから今日止めよ」
とはいきませんよ、さすがに止めるの早すぎ😭
せっかく頑張った穿刺ももったいない…
現在、眠気に打ち勝つあらゆる手は尽くしております。
参考
- ガム(Black Black)を噛む
- あめ(小梅)を舐める
- お茶を飲む
今のところ
- チョコを食べる、しかも一度に何粒も
- これにホットコーヒー☕(ブラック)
というのが一番効果あるかなと。
「究極の眠気覚まし」を探す旅は、まだまだ続きます。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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