今回は、STV(スコットランドのテレビ局?)の
Ten-year-old boy waits on kidney transplant during pandemic
10歳の少年がパンデミック中に腎移植を待つ
と題した記事をご紹介致します。
以前
で扱った記事とは少しテイストが異なり
腎移植を待つ少年とその家族の人間模様
【腎移植と感染症】パンデミック中に腎移植を待つ10歳の少年
少年のこれまでの透析生活
Bruce and his family live in Elgin, and
make the four-hour journey to Glasgow
three times a week
for his dialysis treatment.
透析は週3回
おそらく施設血液透析(CHD)。
Elgin-Glasgow間の距離をgoogle mapで調べてみると
- 184マイル(約296㎞)
- 車で片道3時間41分
片道約4時間をかけて通う理由はここでは分かりません。
単純に近くに透析施設がないのか
対応できない基礎疾患があるのか。
また、記事の最後、父親の言葉として
“Bruce hasn’t had a normal life since he was four,
I hope we can get the operation soon so he can have a normal life.”
とあるので
この子は4歳からの6年間
上記のような透析生活を続けていることになります。
現状
A ten-year-old boy has been separated from his family
due to coronavirus during his wait for a kidney transplant.
現在、家族と離れてくらしているようですが
その理由の一つとして
Bruce Melvin has been forced to stay away from some of his relatives in a different home
after one of his four siblings started showing symptoms of Covid-19.
兄弟のうち一人がCovid-19に罹患してしまった
との記述があります。
我々、腎移植待機者としては
レシピエント本人の感染が
どうしても一番の懸案事項となりがちですが
生体腎移植で、手術日も決まっているレシピエントの
家族が感染した場合も
色々解決しなければならない課題がありそうです。
父の想い
ドナーである父親は
自身がスーパーマーケットで働いている
(不特定多数の人間と接する可能性大)ので
息子との接触は控えざるを得ない、という。
he was delighted when he learned he was a match for his son
マッチングテストの結果
息子に腎臓を提供し息子を助けられる喜びを感じていた父親も
現在のパンデミック下では
“I’m a risk to my own son and that’s extremely hard.”
“Now, my family and I are scared for our son,
if he gets the virus,
we’re scared of what will then happen.”
とあるように
心の葛藤を抱えているようです。加えて
Bruce was due to receive his dad Tony’s kidney in July but
his operation has been postponed indefinitely because of the pandemic.
腎移植手術が延期されてしまうとなれば
やりきれないでしょう。
移植手術を待つ家族の想い
こうした中、慈善団体は
移植手術を待つ家族の想いを代弁するように
The charity Kidney Kids Scotland said many families
feel the strain of living apart and also
have fears of catching the virus
whilst travelling to critical renal appointments.
多くの家族が離れて暮らすことに緊張(ストレス)を感じており、また
腎移植手術の待機中に
ウイルスに感染する恐怖も感じている
また
Those waiting for vital operations are hoping
the uncertainty around when procedures will be rescheduled
will be made clear soon.
腎移植手術を待つ人々(患者、家族)は
日程の変更といった不確定要素が(注:結構意訳してます)
出来るだけ早く明らかになることを望んでいる
と述べています。
まとめ
同記事では
移植を待つ子供の家族にフォーカスしており
患者である子供本人の胸の内は分かりません。
記事にすることの限界を言いたいのではなく
子供の思い、特にそれが
病気を抱えた子供であればなおのこと
大人が彼らの心情を汲み取ることは難しいな、と。
自分の思いを言葉に出来る大人と違い
(大人でも言葉に出来ない事柄は色々ありますが・・・)
子供はその小さな胸の中にしまっている思いを
言葉という形に変えて表現する術を
まだ持ち合わせていない場合が多い。
同記事のトップに掲載されている彼の表情には
言葉では言い表せない複雑な感情が
にじみ出ているように私には見えました。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。